保健福祉の現場から

感じるままに

公衆衛生教科書

2005年11月26日 | Weblog
公衆衛生教科書は大変だろう。法律の改正・制定は目まぐるしい。最近では、結核予防法改正、介護保険法改正、高齢者虐待防止法制定、障害者自立支援法制定、精神保健福祉法改正、児童福祉法改正、食育基本法制定、労働安全衛生法改正など、地域保健の現場で理解しておかなければならない法律が立て続けに改正・成立されている(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/index.html)。さらに、来年の通常国会では、感染症法改正・結核予防法廃止・予防接種法改正や医療法改正、各種医療保険法改正・老人保健法改正などが予定されている。政省令・通知レベルの変更も考慮すれば、教科書改訂が追いつくことは、まず不可能であろう。したがって、現状の教科書を丸暗記しても、現場では役に立たないどころか、かえって障害になってしまうこともありえるのである。そもそも公衆衛生の教科書は現場では役に立たないように感じる。例えば、地域保健の現場では、条例・自治体単独事業、資源などその地域の公衆衛生の理解が必要であるが、教科書は国の視点でしかない。また、結核・感染症や食中毒の発生時の法的対応(教科書執筆時点)は記載されているが、それが施設や学校等の場合にどう対応すべきか等の応用になると心許ない。やはり公衆衛生の教科書はその時の試験のためのものと割り切った方がよいかもしれない。
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