今冬のインフルエンザ総合対策が出された(http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html)。今回の標語は「手洗い・うがいが基本です インフルエンザは予防から」である。しかし、予防の基本はワクチン接種であろう。厚生労働省のQ&A(http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/dl/h1112-1d.pdf)Q3でも予防の基本は流行前のワクチン接種としているではないか。なぜ、ワクチン接種を呼びかけないのか?それは、インフルエンザは予防接種法(http://www.ron.gr.jp/law/law/yobosesy.htm)においては、個人の発病・重症化防止に重点をおいた「二類疾病」であるからであろう。一類疾病は発生・まん延防止を目的にしているが、どうも釈然としない感じを受けている方は少なくないと思う。例えば、一類疾病である破傷風や日本脳炎はヒトからヒトへ感染しない。その予防接種は個人予防ではないか。逆に二類疾病であるインフルエンザは感染力が強く、予防接種は集団におけるまん延防止にもつながる。インフルエンザは平成13年11月に予防接種法に再登場したが、その対象は政令で高齢者に限定されている。法附則(http://www.ron.gr.jp/law/law/yobosesy.htm)ではインフルエンザに係る定期の予防接種の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることになっているが、基本的に変わっていない。変わったのは、今回の標語のように積極的にワクチン接種を勧奨しなくなったということである。Q&A(http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/dl/h1112-1d.pdf)Q11では小児に対するワクチン接種の有効性が紹介されており、そろそろ「所要の措置」を講じてもよいのではないか。今日も子ども連れの親が少しでも接種料金が安い医療機関を探している。
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