箕面市北部の止々呂美地区では、例年9月下旬から10月中旬にかけて特産の栗「銀寄(ぎんよせ)」の収穫が行われています。
銀寄栗は、江戸時代に広島から栗を持ち帰り、歌垣村(現在の能勢町)近隣で立派な果実をつける樹を増殖させたことが栽培の始まりとされています。「銀寄」という名前の由来は、歌垣村で大干ばつが起こった際に、銀寄栗を丹波国亀山藩に出荷したところ、多くの銀札(当時の貨幣)を得ることができ、災害にあった農民が救われたことから、「銀を寄せる」という意味で「銀寄」と呼ばれるようになったといわれています。
止々呂美地区では、山の斜面を利用して銀寄栗の栽培が行われています。銀寄栗の特徴は、1個の重さが平均20~25グラムと大変大きくどっしりとした見栄えの粒と、美しい光沢を放つ皮にあります。香り高くコクのある甘みがあることから、栗ご飯や栗を砂糖漬けにしたマロングラッセなどに用いられます。食物繊維やビタミン類も豊富で、高血圧予防に効果があるといわれるカリウムを多く含んでいます。
今回取材させていただいたととろみ亭店主の吉田周平(よしだしゅうへい)さん(49歳)は、銀寄、丹沢早生(たんざわわせ)、ぽろたん、利平(りへい)の4種類の栗の木をはじめ、山椒の木などのさまざまな果樹を育てられており、その中でも、銀寄栗を1番多く栽培されています。栗は自然に木から落ちたものを収穫しており、落ちてから数日経ってしまうと栗が乾燥してしまったり虫がついてしまうため、適期収穫がとても重要です。そのため、収穫時期は毎日高低差のある、約1ヘクタールもある広大な敷地に約250本もの栗の木があり、敷地内を歩き回るため、収穫の際はとても苦労するそうです。
吉田さんは「今年も夏の猛暑の影響と雨が少なかったことで、実が小ぶりなものが多いですが、細かい栗は味が良いと言われており、食感や味等は申し分ない。シンプルに茹でて食べるのもいいですし、モンブランやマロングラッセなどスイーツにしても美味しく召し上がれます。」と話してくださいました。
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箕面市役所 市政統括 箕面広報室
電話:072-724-6716
<銀寄栗は大きくてとっても美味しそうモミ~!