その季節の初見の花。ブログの記事には、これも一つの題材になる。今年の花は、ほぼ2週間、季節を先取りして咲いている。5月も連休を過ぎないとなかなか咲かないリラだが、今年は今朝、近所のお宅に庭に花を咲かせた。しかも、その庭続きのお宅では、フジが花を垂れ、咲き始めていた。確か札幌のリラ祭りは、6月と記憶しているが、先日札幌で桜が開花した。桜からひと月ほどでリラが咲くから、札幌でも今年は5月中にリラが見れるかも知れない。こんな花を見ていると、夏がくるのもさほど先のことではない。
花が早く咲くだけではない。山のなかで、アゲハ蝶が飛びまわている。陽ざしの強いところを選んで、気持ちよさそうに日光浴をする。まちがってだろうか、手の甲にとまるものもいる。人を恐れるということもないようだ。
夕風や野川を蝶の越えしより 白雄
新緑、吹き抜ける風、そこを飛び回る蝶。季節はこんな動きのある風景を、人に提供してくれる。その底には、押しとどめることのできない時のながれがある。一瞬の映画のような風景。人はいつまでその美しい景色を記憶にとどめることができるか。
物を忘れ添いくる心のさみしさは
私がだんだん遠くなること 河野君江
今年の春の景色は、長く記憶のなかにとどめておきたい。