春の陽ざしをいっぱいにうけて、オオイヌノフグリが草地を被いつくすように咲いていた。この花は早春の花だが、今日のような好天のもとでも映える。夜空の星を思わせるような咲き方で、「星の瞳」という名で呼ばれることもある。実は、この花は明治のころに日本へやってきた帰化植物だ。タンポポも帰化した西洋タンポポが優勢で、日本タンポポは影が薄い。同じように、在来のイヌフグリが帰化した近縁種におされて次第に見かけなくなっている。
いぬふぐり星のまたたく如くなり 高浜虚子
春の好天にさそわれて、野山へ散策。目指すは、ヤマニンジンとハナワサビ。両方とも、夕飯の食卓に間に合うほどに収穫した。ハナワサビは花茎が出たばかりで、手に触れてその柔かさが実感できる。わが家では、三杯酢を熱くして、洗ったワサビにかけ、密閉容器に入れる。鼻にくる辛味、春の欠かすことのできない味覚だ。山に咲くオオヤマザクラ開花していた。例年であれば、5月の連休のころに咲くが、今年はソメイヨシノと先を競うように咲きだした。