35℃前後の日が何日続いているのか。もう10日、半月という長さだ。雨は降るそうだが、しっとりと農地を潤すような雨はない。雲の峰がいくつもでき、いつ雷がなりだしも不思議のない空模様だ。
稲光男ばっかり涼むなり 柳多留
江戸は部屋にクーラーもない。暑さをしのぐには、日が傾くころ、縁台に出て涼むほかはない。女子や子どもたちは、雷が怖くて夕涼みもできない。そんな諦めが、この川柳に出ている。
雷が鳴ると臍を隠すという俗信がある。臍を出していると、雷が見ていて取りに来るというものだが、これにはある根拠がある。黒い雷雲が出ると、冷たい風が吹いてくる。夕立と雷鳴にはつきものだ。子どもたちが、裸になっているとお腹を冷やして風邪をひく心配があった。それを避けるため、臍を取られるという怖さを教えたものらしい。
昔は、雷が鳴りだしたら、パソコンの電源を切ったものだ。今は、建物の上に避雷針が設置しているので安心だが、電線が雷に打たれるとパソコンに限らず家電品が破損する、ということがよく言われた。近くに雷が落ちるようような雷鳴があっても、まだ電気製品が破損したという経験はない。突然に夕立と雷に有効なのは車のなかだ。これは金属で覆われた空間は電圧が0になるため、落雷しても電流がなかに流れることはないらしい。バスや電車も同じ理由で安全とのことだ。ロープウエイはそうではないらしく、先日の山では運転が停止された。