女子会(じょしかい)。結婚(けっこん)とか出産(しゅっさん)・子育(こそだ)てなど、いろんな経験(けいけん)を積(つ)んできた女たちの集まり。中にはまだ未婚(みこん)の女子(じょし)もいたりする。学生の頃(ころ)とは違(ちが)い、いろんな話題(わだい)で盛(も)り上がっていた。
「ほんと、どこで覚(おぼ)えてきたのか。うちの子ったら、あれしてってうるさいのよ」
「なに? あれって」
「もしかして、<むむまっふぁ>じゃない。今、流行(はや)ってるみたいよ」
「そうなのよ。きっと幼稚園(ようちえん)で覚えてきたんだわ。男の子なのにいつまでも甘(あま)えん坊(ぼう)で」
「きっと、それはあれよ」今まで静(しず)かにみんなの話を聞いていた女子が口をはさんだ。
「旦那(だんな)の入れ知恵(ぢえ)ね。自分(じぶん)もやりたいもんだから、子供(こども)をダシにしてるのよ」
「もういやだ。そんなことないわよ。うちの人は…」
「ふふ。あなた、旦那に言われたことないんだ」皮肉(ひにく)めいて女子は言う。
「あるわよ。たまにだけど…」
「気をつけた方がいいかもね。旦那が妙(みょう)に甘える時は、何か隠(かく)し事(ごと)をしてるはずだから」
「そんなことないわよ。私に隠し事なんて…」
「ふふ、おかしい。そう思ってたほうが、幸(しあわ)せかもね。良い母親してなよ」
「あのね、結婚もしてないくせに、何でそんなこと言われなきゃいけないのよ」
何でも言い合える、そんな女子会はまだまだ続(つづ)くのである。
<つぶやき>憎(にく)まれ口をたたくのは、みんなの話題についていきたいからかもしれません。
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