地球(ちきゅう)の上空(じょうくう)には大量(たいりょう)の宇宙(うちゅう)ゴミがただよっている。
ある日、そのゴミの中に未確認(みかくにん)の物体(ぶったい)を発見(はっけん)した。直径(ちょっけい)2メートルほどの物体なので、人工衛星(じんこうえいせい)であることは間違(まちが)いないようだ。偶然(ぐうぜん)発見したとはいえ、これだけの大きさの物をなぜ今まで確認できなかったのか不思議(ふしぎ)である。しかし、どこの国に問(と)い合わせても、その場所(ばしょ)に衛星(えいせい)を打ち上げた記録(きろく)は残(のこ)されていなかった。
観測(かんそく)を続けてみると、その謎(なぞ)の衛星は地球の上空を不規則(ふきそく)に動きまわっていることが分かった。まるで意志(いし)をもっているかのように、使われなくなった人工衛星などに近付いたり離(はな)れたりを繰(く)り返していた。
「今度のはデカいから稼(かせ)げるかもな」
「そうだな。まったく地球人って奴(やつ)は、何でこんなとこに放(ほう)っておくんだろうなぁ」
「でも、そのおかげで、俺(おれ)たちは何の苦労(くろう)もなくお宝(たから)をいただけるわけだ」
「まったくだ。俺たち盗賊(とうぞく)にとっちゃ、宝の山だぜ」
「こんなに遠くまで来たんだ。せいぜい稼がせてもらおうぜ」
「オイ、あれを見ろよ。どこの宇宙船(うちゅうせん)だ?」
「俺たちのお宝を横取(よこど)りしようなんて、ふてえ野郎(やろう)だ。追(お)っ払(ぱら)ってやろうぜ」
<つぶやき>私たち地球人の知らないところで、こんな争(あらそ)いが起きているかもしれません。
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