『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[『マイマイ新子』から『この世界の片隅に』へ]

2016-11-24 11:50:38 | 新・物語の感想

☆・・・友達のMUTIさんが、私の言う「傑作」と重みが違う『傑作』という言葉を用い、『この世界の片隅に』評価していた。

   

 この作品、私は何よりも、不遇の芸能生活を送っている能年クンを応援するために複数人で観に行きたいのだが、近場で公開していないので、観に行くのが遅れている。
 で、かつて記した、この作品の監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』の感想を付しておきたい^^
 私、この頃、道路舗装会社の現場監督をやっておりました(何でもやってる^^;)。

   

    [映画『マイマイ新子と千年の魔法』を観た(少女万歳!^^v)] (2009/11/25)

☆・・・休みがないと言いつつも、本日は雨で現場作業は中止、現場監督の私は、事務所に数時間、顔を出すだけでOKの日だった。
 故に、夜勤前にMOVIX昭島に行き、『マイマイ新子と千年の魔法』を観ました。
   ◇
 全くノーマークの作品であったが、そして、それほどに派手さのない物語であったが、終盤には、昭和三十年代の奔放な女の子の日常の断片が、私の心に蓄積されていき、私は涙を流してしまった。
 良作である。
 イメージ的には、女の子同士の『スタンド・バイ・ミー』的でもあり、ゲーム『僕の夏休み2』風でもあり、夢見がちな女の子の主人公に『テラビシアにかける橋』を想った。
 歴史を持つ山口県防府市・国衙を舞台に、少女少年たちの日常を自然描写たっぷりに、過去の歴史をカットインさせながら展開される物語であった。
   ◇
 私は、「生半な自然描写」や、「ジブリ作品の呪縛から逃れられないキャラクター」と言う偏見で見ていたのだが、
 段々と、それが、「丹念な自然描写」「素朴な色艶のある少女たち」と変わっていき、夢中になってしまった。
 特に、主演の二人が可愛らしい。
 ボーイッシュな新子と、女の子らしい貴伊子は、全く正反対のタイプながらも、それぞれの魅力を発散させている。
 二人の、作品中での魅力の表わし方、その拮抗具合が絶妙である。
 うん、『ふたりはプリキュア』なんですね^^
 二人とも、私の大好きな短髪娘なのも良い!!
   ◇
 国衙の自然に、二人は、往時の都を夢想する。
 本来は、空想属性とは思えない新子のイメージに、メルヘン属性の貴伊子が引っ張られる展開も面白い。
 また、そんな児童読み物が好きな貴伊子に、控え目にだが、母親の死の影という「現実」を背負わせている。
 この貴伊子が、次第に、これまでの殻を打ち破って変身していく様が、そのコスプレ的な面白味とともに、少女の成長を思わせ、いいんだわ^^
   ◇
 その、かつての都の繁栄の中で生きる孤独な姫と、現在の新子たちを、あまりきっちりとではなく、
 花びらや用水路、小川を流れる切った折り紙などを通し、控えめにオーバーラップさせているのも上品だ。
 ただ、この過去パートは、たまに、物語のテンポを停滞させていたような気もする。
 また、非常に抑制された展開で、奇を衒った展開は排し、昭和30年代のリアルを淡々と積み上げた作品であり、
 新子と貴伊子が仲良くなっていく過程も静かに流れるのだが、
 それ故に、そのシークエンスが、作り手の意図とは別の、妙な味わいを生んでしまってもいた。
 私は転校生の貴伊子に秘密めいたものを感じ、自由奔放な新子に戸惑いを感じられたのが良かったが。
   ◇
 物語の終わりで、国衙の象徴であった新子は引っ越していく、
 それを、新たに、「少女視点の世界」としての国衙を背負うことになる貴伊子が、屈託なく草笛を力強く吹いて見送る。
 その、受け継がれていく物語に、私は感動した。
                       (2009/11/25)

 

                              ・・・(2016/11/24)


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