『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を観た]

2010-11-20 23:29:21 | 物語の感想

☆とても良かった。

 このシリーズは、長編の原作を端折らないで画面に詰め込んだので、余韻と言うものが全く無い作品となっていたが、3作目辺りから焦点が絞られ、私的には4作目で最初の面白さのピークを迎えた。

 そして、クライマックスに向けて、5作目でハリーは後見人を失い、6作目でリーダーを失い、この7作目の『PART1』では、いよいよ、ハリーが仲間と3人だけで、復活した<闇の帝王>と戦いを始める。

 冒頭では、闇の帝王・ヴォルデモートと、その一味の幹部達がズラリと勢揃いし、ハリー討伐の会議をしている。

 一方、ハリーたちの仲間は、悪の体制に対し、あまりにも心もとない。

 僅かな希望(マッドアイ、大臣)も、ひたひたと殺される・・・。

 その戦いは防戦一方。

 いろんなエピソードを経ているが、見終えた今、記憶に残るのは、ハリー、ハーマイオニー、ロンの、荒涼とした大地を背景にした逃亡の姿だけである。

 頼るべき者はなく、ひたすらに、脅威の悪のパワーから逃げ続ける。

 逃亡はうまくいっていると思いきや、空に、追跡者である<死喰い人>の飛んでいる、黒い飛行機雲が伸びて突き進んでいる図は、恐怖である。

 今のハリーたちには勝てないのだ。

 物語は、全般を緊張感が支配している。

 ハリーたちは息を潜めるしかない。

 シリーズのいままでになかった静謐の展開である。

 派手さはない。

 しかし、それがいい。

 雰囲気で見せる、良質のロードムービーのような趣だ。

 これまでのシリーズの蓄積があるから、そこに叙情性が芽生える。

 緊張の逃避行の中で、ロンが、恋人であるハーマイオニーとハリーの関係に疑惑を持ち、離脱する。

 残されたハリーとハーマイオニーの虚無感のイメージがいい。

 そんな絶望の中で、二人で踊ってみるシーンがいい。

 私は原作を読んでいる、でも、先が見えない。

 どうにも、ハリーたちは追い詰められている。

 この作品は、『スターウォーズ:帝国の逆襲』の如き、敗北のエピソードと言えよう。

                                             (2010/11/20)

コメント (8)
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