『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[『ダム・ファッカー(みちのく西松建設ダム巡り)〔18-8〕<生きてこそ(前篇)>』]

2009-12-29 06:13:46 | みちのく西松建設ダム巡り
☆秋田市内のインターネットカフェを午前5時には出たのだけれど、どうにもまだ眠いので、車を道の脇に寄せて、寝ることにした。

 東北には、いちお、携帯電話を掛けたり、チェーンの着脱のためのパーキングエリアがたくさんある。

 「パーキングエリア」と言っても、道が「つちのこ」みたいに太くなった場所に過ぎないのだが・・・。

 そんな「つちのこ」に私は車を停めて、羽毛布団に包まって寝た。

 寝始めたのは、午後五時半ごろで暗かったのだが、いつしか八時頃、とっくに明るくなって、国道7号線も車の通りが激しかったのだが、路肩で寝ている私を咎める者はなし^^;

 何でこんなに疲れているのだろうと眼を擦りながら考えたら、「ああ、そうか、昨夜、中谷君が死んだかも知れない情報が入ったからだ」と思い至り、その話を思い出したら、思い出してしまったことを後悔した・・・。

   ◇

 今日は特に急がないで、何も考えずにゆっくりと行こうと思っていた。

 目的地も定めなかった。

 国道7号線を南下する。

 進んで行けば、何かが現われてくるだろう・・・。

     

 道の彼方に、巨大な山が見えた。

 東北道で見た岩手山みたいな巨大なシルエットだった。

「何山か知らないけど、俺には関係ないだろう」と思いつつ、日本海沿岸を下る。

     
       日本海・・・上空に浮かぶは月かな?(覚えてない^^;)

 日本海というと、私はどうしても拉致事件を思い出して、心が滅入る・・・。

   ◇

 今日は急がないと決めていたので、道の駅<岩城>に寄る。

 ここは、本州初の桟橋上に出来た道の駅だそうだ。

 イメージ的に、海の家の豪華版みたいだ。

 ボーッとしながら、コーヒーを飲む。

 腹が減ったが、まだ食堂はやっていなかった。

 次の道の駅で食おう。

   ◇

 ズワーッと、国道7号線(酒田街道・羽州浜街道)を進む。

 ボーっとした頭で考えるに、何となく、私は、くだんの巨大な山に向かっているような気がした。

 道の駅<にしめ>も、開店前であったが、かろうじてソバ屋がやっていた。

 立ち食いソバ屋程度だが、天玉ソバをおいしく頂いた。

 どうやら、地図を見ると、私の向かっている巨大な山は、「鳥海(とりうみ)山」らしかった。

「うへ、俺は、あの大きな山に向かっているのか・・・」

 それまでは背景に過ぎなかった巨大な山が、自分の進む舞台になる。

 不思議な展開である。

   ◇

 私がおぼろに目指していたのは、その「鳥海(とりうみ)ダム」だった。

 日本海側から、「鳥海(とりうみ)山」を挟んだ内陸側に建設中の、民主党政権によって計画が凍結されたダムである。

 国道7号線に別れを告げ、主要地方道58号線に入る。

 すぐに周囲は樹海となったが、道は綺麗に舗装されており、ドライブコースとして最適だ^^

 最も、他に車両はほとんどないが・・・。

 頭の中の大部分を中谷君のことが締めていた。

「・・・人間は簡単には死なない・・・」

 と、私は呟く。

 鳥越川と言う小さな河川が道に平行に流れていて、幾つもの堰が段々畑のように連なっていた。

 いつもの私なら、写真に収めるのだが、どうにもそんな気分にならない。

     
            樹海・・・ブナの原生林

 次第に、「鳥海(とりうみ)山」の峰を登っていく。

 急な山道にふいにこんな看板(「列状間伐採集地」とか書いてある)があるのだが、この季節、誰も読む者なし。

     

 こんなダム風もありましたよ^^

     

 誰もいない山奥に、妙に整備されたモニュメントがこのように点在している。

   ◇

 かなり登って来た感があった。

 車を停めて、今まで通ってきた<にかほ市>を振り返った。

     

 美味しい空気の場所だった。

 更に進む。

 この頃、近くにあった看板を見ると「鳥海(ちょうかい)山」と記されていた。

 私は「鳥海(とりうみ)山」と読んでいた自分に対し頬を赤らめるのだった・・・。

     

 近くに行けば行くほど遠くなる「鳥海(ちょうかい)山」であった・・・。

                                     (2009/12/29)
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