リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

仕事で金をもらうということ

2013-10-20 07:21:00 | オヤジの日記
台風26号の被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます。


東京武蔵野は、午前5時台の雨がすごかった。
オンボロアパートのトタン屋根の音がうるさくて、目が覚めた。

そして、おそらくそのとき、伊豆大島では、破壊的な土石流が猛威を振るっていたのだと思う。

さらに、そのとき、大島町の町長と副町長は、出張で現地にいなかったという。

今回の被害に関して、それは結果論だよ、あれほどの被害は誰も予測できない、という人がいた。
夜中の2時3時に、避難勧告を出されても混乱するだけだろう、と意見を述べる人もネットではいた。

しかし、それは違いますよ、と私は異を唱える。


それでは、仕事に対する考え方が甘いですよ、と。


私は、人様の命を預かる仕事はしていないが、「仕事」というのは、どんな職業も同じ心構えでするものだと思っている。

私の職業は、パソコンを使って印刷物をデザインすること。

クライアントに仕事を貰ってから、校了になるまでが仕事だが、時に印刷まで請け負うこともあるし、ポスティングなどの段取りをすることもある。
私は自由業なので、基本的には一人で仕事を請け負っている。

納期に間に合わなければ、次の仕事はない、というのがフリーランスの鉄則だ。
だから、仕事の仕上がりと納期には細心の注意を払う。
何度も確かめる。

ボリュームの多い仕事のときは、トラブルがあることを想定して、予備の印刷会社を抑えたり、雇った人たちの能率が悪くてポスティングが間に合わなければ、家族総出でノルマをこなす。
仕事をいただいた時点で、終了に至るまでの工程を細かくスケジュール化していくことが、ミスを防ぐための私なりの方法だ。

それは、人様の命を預かるほど厳しいものではないが、私は万全を期した仕事をして、それで家族を養っている。


その責任の規模が、私とは比べ物にならないほど大きい行政は、だからこそ細心の注意を払うべきだ。

大型台風が来るのが確実の状況なら、まず最悪の事態を想定して災害対策を考えるべきだろう。
たとえ大雨が降っても降らなくても、台風の進路にあたる区域には、早い段階で避難計画を提示すべきだ。

「過去に例がない」「予測できませんでした」の言い訳は、詳細な気象データを確実に入手できる行政には許されないことだ。
人命を守るために、予想できる災害対策をしないのは、行政側の怠慢である。

たとえ結果として大雨が降らなかったとしても、対策をするのが彼らの「仕事」だ。

「夜中の2時3時に避難勧告なんて無理だよ」ではないのだ。
前の日に対策を講じて住民の安全を図ることこそが、彼らの「仕事」なのだ。

それができない行政は、無能だ。


私がもし「仕事」をしくじったら、確実に得意先を失う。
おそらく、他の多くの方たちも、そうだろう。

行政は仕事をしくじったら、非難を浴びる。
その非難の総量は大きいと思うが、その非難は時とともに消えていき、彼らは何事もなかったように、税金を垂れ流しながら、また同じ仕事を続けることができる。
その非難が彼らの心身に染み付いて、次の仕事に生かされていくかどうかは、過去の例を思い返すと、はなはだ疑問だ。

行政の長は、選挙の洗礼を浴びることもあるが、事故が風化してしまえば、名前を連呼して頭を下げ続け利権をちらつかせれば、長の座を維持できることもある。


そんな行政や行政の長たちに、「災害は予測できないんだから」とか「夜中の2時3時に避難勧告なんて無理だよ」などというピントのずれた擁護をする人は、「仕事」で金を貰うことの意味を理解していない人だ。



台風27号が、26号よりも大きな勢力に発達して北上している。


来ないことを祈りますが、行政には今度こそ「仕事」をしていただきたい、と思っている私です。