天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

水に泣く水の都ヴェネツィアは陣内秀信著『イタリア海洋都市の精神』2022年完成「モーゼ計画」で泣かず

2018-11-01 13:35:18 | 日記
今日の日記は、今藤沢自宅で読んでいる陣内秀信著『興亡の世界史 イタリア海洋都市の精神』(2018年10月講談社学術文庫刊)で書かれたイタリアのヴェネツィアの高潮対策の事です。添付した写真は、その著書の表紙です。
今日の読売新聞朝刊国際欄に、『水に泣く「水の都」』と題したローマの特派員報告がありました。その記事によると、『イタリア各地は10月29~30日、大雨や暴風の悪天候に見舞われた。・・「水の都」で知られる北部ベネチア(注:原文のまま)では10月29日、海面からの水位が1.5メートル以上も上昇し、市内の7割以上が水浸しになった。サンマルコ広場や広場に面する大聖堂が6時間以上冠水・浸水し、一時立ち入り禁止となった。』とあります。
私もヴェネツィアのサンマルコ広場に訪れた事があるので、その被害がとても心配です。サンマルコ広場には、冠水したら設置する仮設歩行ステージが常備されており、読売新聞添付のAFP時事の写真では、10月29日に船着き場付近で歩いている人が写っていました。でも、読売新聞報道の”1.5メートル以上も上昇”とは、この掲載写真から見て私にはとても考えられない上昇高さです。
そして、たまたま偶然にもこの著書を、私は今読んでいて、建築・都市デザイン学者の陣内秀信氏が、このヴェネツィアの高潮に関する対策を書いていました。以下に、その記述を引用・掲載します。
『現在、ヴェネツィアはアクア・アルタ(高潮)で冠水するという問題を抱え、その対策として、アドリア海とラグーナ(潟)の間の海峡の三か所に可動式水門をつくって、非常時にそれを閉じて守るという大土木事業の工事を進めているが、その計画の是非をめぐっていまだに論争が続いている。これは、「モーゼ計画」と呼ばれ、2003年に工事が開始された、2011年完成が見込まれていたが、建設費の高騰、技術的問題、汚職問題などもあり、工事が大幅に遅れ、2018年6月段階では、実際に機能するのは2021~22年になると予想されている。』
この著者の記述を読んで、読売新聞のローマ特派員は災害事実だけを報告するのでなく、その背景にある様々の出来事(「モーゼ計画」の進捗状況等)を良く調査し、それらを関連付けて日本読者に伝えて欲しいと思いました。さらに、イタリア政府は、今回の起きたヴェネツィア水害を考慮して、この「モーゼ計画」実現をさらに前倒して欲しいと、私は痛感しました。
陣内秀信氏の指摘通リに、2022年に「モーゼ計画」が完成実現すれば、もう仮設歩行ステージを常備する必要がなく、観光客や市民が泣く事もなくなります。だから、広くなり美観上すっきりとしたサンマルコ広場に、私は再び訪れたいと今強く思っています。
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