田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

マリンバの妙技を堪能する

2022-11-20 16:29:04 | ステージ & エンターテイメント

 マリンバの演奏を見ている(聴いている)と、あの長い4本のマレットを器用に操り、多彩な音を紡ぎ出す妙技にいつも感心する。今回も二人の奏者が紡ぎ出す音を、短い時間だったが十分に堪能した。

        

 11月17日(木)昼休み、札幌北一条教会が主催する「昼やすみコンサート」を楽しんだ。

北一条教会は定期的に「昼やすみコンサート」を開催していて、 今回が188回目にあたるということだった。

 今回のゲストプレイヤーは、最初2曲がオルガン(パイプオルガン)の中井美津恵さん、そして5曲がマリンバの肥田野恵里さん佐藤尚子さんだった。配布されたプログラムによるとお二人は若い頃からマリンバに打ち込み、二人ともに弘前市在住経験があり、その弘前市で1979年に創立された打楽器グループ「ファルサ」のメンバーだということだ。その後二人とも相前後して札幌市に転居したが、現在も青森県はもちろんのこと、東北各地そして全国、もちろん道内各地でも演奏活動をされているとのことだ。

 この日は、5オクターブと、4オクターブ3/4の二つのマリンバを使っての演奏だった。コンサートを聴いたときの例によって演奏された曲を紹介すると…、

 〈パイプオルガン〉

  ◆J.S.バッハ/「主よ人の望みの喜びよ」

  ◆J.S.バッハ/「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリストよ」

 〈マリンバ合奏〉

  ◆C.F.グノー/「アヴェ・マリア」

  ◆W.A.モーツァルト/「アヴェ ヴェルムコルプス」

  ◆武満徹/「翼」

  ◆安倍圭子/「風紋」

  ◆ G.ペーター/「サーカスレンツの思い出」

   

※ 演奏中の写真はもちろんNGだったので、コンサート後に二つのマリンバを写真に収めた。手前が4オクターブ3/4、奥の方が5オクターブのマリンバです。5オクターブのマリンバの低音はこれまで聴いたことのないような低音を発しました。

 リード文でも触れたが、マリンバの演奏の際、上級者は4本のマレットを操って演奏する。あの長い柄のマレットを指の間にそれぞれ2本ずつを挟み、マレット2本の幅を自在に開閉して、同時に4本のマレットを打ち込むところを見ると、私のような素人はすっかり感心してしまうのだ。それも見ているとかなり速い速度で鍵盤に打ち込んでいるのだ。う~ん。鍛錬の賜物だとは思うのだが、いつも私は感心して見てしまう。

 演奏された曲はどれも素晴らしい演奏だった。それもそのはず、二人は青森県では(いやきっと道内でも)相当に有名人のようで、「ファルサ」は平成2年には青森県芸術奨励賞を受賞しているそうだ。また、ちょっと調べたところ、あるHPでは安倍圭子さんのことを「日本が世界に誇るマリンバ奏者」と紹介している。安倍さんはNHKの「今日の料理」のテーマソングを演奏している方でもあるそうだ。そんなレベルのお二人だから、              私は今回、日本の一線級のマリンバ演奏を楽しませてもらったということのようだ。

 そんな素晴らしい演奏の数々の中でも、後半の2曲は特に素晴らしかった。「風紋」は砂丘の砂が風によって時には激しく、時にはゆっくりと移動する様が目に浮かぶような演奏だった。

 また、最後の「サーカスレンツの思い出」は、彼女らが「サーカス気分で少々遊んでみようと思います」との言葉どおり、5オクターブのマリンバ一台に二人で立ち向かい、これ以上速くは打てない、というほどの早打ちで聴いている私たちの心を沸き立たせるほど楽しませてくれた。私だけではなく、聴いていた人たち全員が感動したのだろう、拍手がいつまでも鳴り止まない状態だった。なかなか聴く機会のないマリンバの演奏だが、いいですねぇ~~~。


札幌に根付く郷土芸能「獅子舞」

2022-11-19 19:37:22 | 講演・講義・フォーラム等

 札幌に伝わる郷土芸能「獅子舞」は主として富山県から伝わったという。今も札幌に残る「丘珠獅子舞」と「篠路獅子舞」について郷土史研究家からお話を伺った。

 今年に入ってから努めて聴講するようにしている「札幌市高齢者市民講座」であるが、コロナ禍のために断続的に開講されている。11月16日(水)午後、札幌市社会福祉総合センターで中央区会場の講座が開講されたので受講した。

 この日のテーマは、「ソサエティ5.0とは何か」「札幌の農村芸能 獅子舞と歌舞伎」の2本立てだった。「ソサエティ5.0」については、拙ブログでも2度ほどレポしているが、内容的には大きく変わるものでなかったのでレポは割愛することにしたい。(そのレポについて興味のある方は2019/02/19分についてはこちら⇒2020/02/17分についてはこちらをクリックください。⇒

 そこで本稿では「札幌の農村芸能 獅子舞と歌舞伎」についてレポすることにしたい。講師は郷土史研究家で札幌市社会教育協会の遠藤紘之助氏が務めた。

          

 まず「獅子舞」についてであるが、北海道に伝わった獅子舞は主として「富山県」と「香川県」から伝えられたとされているが、「富山県」からの移住者が多かったことから富山流が主流となったようだ。

 「獅子舞」には「伎楽系」「風流系」と2系統があるとのことだが、その違いは獅子の胴体(カヤ)に5~10人が入り胴体に竹の輪を使って胴幕を大きく見せる「伎楽系」と、一人立ち舞の「風流系」があるそうだが、札幌に伝わるのは「伎楽系」だという。

 「丘珠獅子舞」は明治23(1890)年頃から行われるようになり、毎年丘珠神社に奉納していたが、昭和30年代に入り祭りが停滞し始めたことで獅子舞も自然消えてしまったという。それを憂えた地元の人々が昭和41年に「丘珠獅子舞保存会」を組織し、以来今日まで丘珠神社祭の折りに奉納されているという。

    

    ※ 丘珠獅子舞です。

 一方、「篠路獅子舞」については拙ブログで「北区歴史と文化の八十八選」巡りのレポでも触れたが、丘珠に遅れること10年後の明治34年に烈々布地区(現在の百合が原地区)において「烈々布獅子舞」として発足し、烈々布天満宮に奉納したのが始まりである。その後も烈々布地区で継承されてきたが、昭和41年に烈々布天満宮が篠路神社に合祀されたのと同時に「篠路獅子舞」として継承され、現在に至っているそうである。

    

    ※ 篠路獅子舞です。

 なお、「丘珠獅子舞」と「篠路獅子舞」の違いについても説明があったが、「丘珠獅子舞」は獅子の頭に角があり、胴体が長く、男性的な舞いが特徴だという。対して「篠路獅子舞」は角が無く、胴体が太く女性的な舞いが特徴だという。

 その他にも、獅子舞の起源や獅子舞の構成や衣装、舞いの種類などについて説明があったが、複雑なので割愛したい。

 私は道東で生まれ人生の大半を過ごしてきたのだが、そこでの獅子舞はいわゆる「風流系」だったのだろうか?一人立ち舞しか体験がなかった。複数の人が胴体に入る獅子舞は未体験である。しかも、同じ「伎楽系」ながら、「丘珠獅子舞」と「篠路獅子舞」では、異なる点がかなりあるようだ。

 大変興味深く拝聴した講座だったが、これは来秋に行われる二つの神社祭にぜひ出かけてみて二つの獅子舞を見比べてみたいと思っている。 


北海道内の街づくりをどう進めるべきか?

2022-11-18 17:34:08 | 講演・講義・フォーラム等

 人口減少、そして過疎化が進む道内市町村の街づくりをいかに進めるべきか?市町村の首長、並びに担当者が集ってフォーラムが開催されたところにお邪魔した。道内市町村にとって過疎化を克服しつつ街づくりを進めることは最大・最重要課題であるが、答えが直ぐに見つかる課題でもない、というところが本音だろうか??

        

 11月15日(火)午後、札幌ビューホテルにおいて北海道、(一財)北海道建設技術センターが主催する「まちづくりメイヤーズフォーラム」が開催されたところをお邪魔した。

 私は恥ずかしながら「メイヤーズ」という英単語を知らなかったが、mayorとは「市長」を意味するらしく、長じて市町村長が集まってのフォーラムということと理解した。

 フォーラムの構成は次のようになっていた。

 ◇基調講演 「強みを活かした地域づくり ポストコロナ時代を見据えて」          

               北海道立総合研究機構 理事長 小高 咲 氏

 ◇特別講演 「ひとつのマチに拘らないデュアルライフの勧め」

          (株)クリエイティブオフィスキュー代表 鈴井 貴之 氏

 ◇パネルディスカッション テーマ「ゼロカーボンなまちづくりを目指して」

  〈事例紹介〉 □「デジタル時代の移住のすすめ」   伊達市長 菊谷 秀吉 氏

         □「鹿追町が目指すゼロカーボンシティ」鹿追町長 喜井 知己 氏

    ※ 登壇者は講演された小高、鈴井の両氏と事例発表者の両首長の4名

      コーディネーターは北大大学院教授の瀬戸口 剛 氏

 最初に登壇した道立総合研究機構の小高理事長は、元日本銀行北海道支店に勤められたことが縁で転進された方だということだったが、日銀ウーマンらしく北海道の現状を統計した表を用いて炙り出そうとしたのだが、あまりにそれを多用するために私はすっかり聴こうとする気力が薄れ、理事長が何を強調されたのかさえ掴み取ることができなかった。

   

 対して鈴井氏の特別講演は興味深かった。鈴井氏は現在、氏の故郷である赤平市と会社のある札幌市と、両市を行き来する生活を送っているそうだ。特に赤平市の方は、自ら原野を開墾して家を建てたという。都市の生活とは正反対な不便な生活環境であるが、だからこそ見えてくるものがたくさんあるという。都会生活を経験しているからこそ、不便を楽しむ、工夫することに充実感を覚えていると話された。この鈴井氏の講演は道内の市町村長に刺激を与える話だったのではないだろうかと思われた。

   

   ※ 鈴井氏は講演の結論として、参加した市町村長の方々に投げかけたと思われるのだが…。

 事例発表の二つの市町は、最初の伊達市長は地域において高齢化の一層の高まり、そして70歳になっても働く人が増加した現状から、①高齢者が住んでみたい街、②女性・若者の働き甲斐のある街、③働く人が住みたい街をめざし、「伊達ウェルシーランド構想」を策定し、その具現化に取り組んでいると発表した。

 一方、鹿追町は酪農を中心とした小さな町であるが、乳牛の糞尿を利用したバイオガス発電で知られる町である。現在2基のプラントが稼働しているが、さらに1基増設して鹿追町内全家庭の電力供給を目指していると発表された。さらにバイオマスで発生する余熱を利用し、ハウス野菜やマンゴーの生産、さらにはチョウザメの養殖も手掛け、いち早く「ゼロカーボンシティ」の実現を目指していると発表した。

 その後のパネルディスカッションは残念ながら盛り上がったとは言い難い状況だった。その中で、鈴井氏が「市町村という壁を取り払い、近隣市町村が手を携えて課題解決に殿組むべきではないか」と発言されたのだが、その発言に対して首長さんや市町村職員の方々は、「近隣市町村連携はすでにさまざまな分野で取り組んでいる」的な発言が多く、鈴井提言を真摯に受け止めるのではなく、守り的な発言に終始している様がやや残念に思えた。

 もう一つ気になったのは、この「まちづくりメイヤーズフォーラム」がすでに第10回目を迎えているというのに、参加している市町村が限られていることが気になった。正確な数は分からないがおそらく3割に満たない数ではないかと思われる。主催する側の熱意にもよるのかもしれないが、できれば多くの市町村が相集い、危機感を共有し、連携を強化して課題解決に取り組む姿勢を見たいと一道民として思うのだが…。               


札幌の環境は大丈夫!?

2022-11-17 15:15:45 | 講演・講義・フォーラム等

 市役所の担当者が語ってくれた札幌市の現状だから、多少は割り引いて聞く必要があるかもしれないが、札幌市の大気・土壌・水環境は今のところ安心して暮らせる状況のようである。改めて札幌市に住み続けようと思った。

   

 私が所属する「めだかの学校」が10月から本年度下半期の学習に入ったことは拙ブログでも触れたはずである。下半期の学びは、札幌市の出前講座を活用した「SDGs学習会」と、「北海道遺産」のDVDを視聴し、体験や感想を話し合うDVDフォーラム『北海道遺産を映像で訪ねる』」の2本立てでスタートし、順調に消化している。

 去る11月14日(月)は、「SDGs学習会」の2度目の学習会だった。この回のテーマは「札幌市の大気・土壌・水環境について」と題して札幌市の環境局の環境対策課長からお話を伺った。

 大気・土壌・水環境を看るということは、地域で発生する「公害」について監視するということである。その「公害」とは、主として「大気汚染」、「水質汚濁」、「騒音」、「振動」、「悪臭」、「土壌汚染」、「地盤沈下」の7つを指すとのことである。

 まず「大気汚染」であるが、札幌市の過去には石炭の暖房による煤煙の問題、工場から排出される排煙、あるいはスパイクタイヤでの走行による車粉の問題などがあったが、現在ではすべて改善され、現在では微小粒子状物質(PM2.5)濃度が全国大都市の中で最も低い数値を誇っているそうだ。その理由としては、他都市に比べ工場が少ないことと、大陸から遠い(中国の大気汚染の影響が少ない)ことが挙げられるという。

 次に「騒音」、「振動」について、近年「騒音」に対する苦情件数が減少傾向にあると話された。但し、コロナ禍となった今再び上昇傾向にあるということは人々がストレスに苛まれていることの証の一つなのかもしれない。「騒音」、「振動」については、法規制に基づき監督・指導を徹底しているとした。「悪臭」問題についても同様との説明だった。

   

 「水質汚濁(河川水)」については、札幌市の水源は「定山渓ダム」、「豊平峡ダム」であるが、「札幌市の水道水」については他府県から移入した方々が異口同音に「美味しい!」と発するように自慢できる水質のようである。事実、講義においても両ダムの下流にあたる豊平川のBOD(生物化学的酸素要求量)の様々な数値は全て環境基準に適合しているという。「豊平川にサケが戻った!」というニュースが市民を喜ばせたのもずいぶん以前のことである。(1980年代)

 「水質汚濁(地下水)」についても、令和3年度の概況調査において札幌市は環境基準適合率が96%とのことで、こちらも心配なさそうである。

 「土壌汚染」については、「土壌汚染対策法」に基づき監視をすることにより、令和4年現在で「要措置区域」9地点、「形質変更時要届出区域」21地点を指定し、監視・指導しているとのことである。ただ、講義後の話し合いで参加者の中から新幹線工事による排出土に含まれる有害物質の処理の問題が心配であるとの声が出された。

     

 最後に「地盤沈下」の問題であるが、札幌市は豊平川の扇状地に開かれた地域のため、特に市の北部地域の地盤沈下が過去には深刻な問題だったようである。近年の調査では全ての地域が年間1.0cm未満ということで大きな問題とはなっていないようである。但し、建設、あるいは工事事業者には地下水の揚水量などについて報告を義務付け、地盤沈下に繋がる不必要な揚水の監視を行っているとした。

 以上、札幌市の担当者からのお話だったが、誰もが住みやすく健康で生活していくために(SDGsの理念)に、私たちが気付いていないところでの監視、指導、あるいは必要に応じての施策などが講じられていることを実感した講座だった。

※ 掲載した写真・図は全てウェブ上から拝借したものです。


"うるっ" とさせられたHBC少年少女合唱団演奏会

2022-11-16 18:49:33 | ステージ & エンターテイメント

 “うるっ” とさせられたのは、彼らの合唱曲を聴かされた時であり、演奏会の演出によってだった。合唱のコンサートなどそれほど興味があるわけではないのだが、歴史あるHBC少年少女合唱団の定期演奏会ということで足を運んだところ、思わぬ感動をいただくこととなった。

         

 11月13日(日)午後、札幌芸術文化劇場hitaruでHBC少年少女合唱団の第56回の定期演奏会があり、料金も廉価だったこともあり足を運んでみた。

 少子化の影響もあるのだろうか、団員は小4~高3までで総勢63名と往時半分くらいの団員数で、特にジュニアクラス(小4~6)は僅か17名と少々寂しかった。お聞きしたところ観客を入れての定期演奏会はコロナ禍もあって3年ぶりの開催ということだった。

 演奏会は、全体合唱、クラス別の発表(ジュニアクラス、シニアクラス〈中1~高3〉)などで構成されていた。例によって発表された曲目を羅列すると…、

   

 ◆全体合唱  ヨハンシュトラウスⅡ/美しき青きドナウ

 ◆ジュニアクラス  ミュージカル「サウンドオブミュージック」より 

    リチャード・ロジャース作曲

           ・サウンドオブミュージック

           ・ひとりぼっちの羊飼い

           ・ドレミの歌

           ・エーデルワイス

            ・さようなら、ごきげんよう

 ◆シニアクラス   ・宮本正太郎/定点観測

           ・Don Macdonald/Winter Sun

           ・Ola gielo/Ave Generosa

 ◆団員ステージ   ・N.H.Brown/雨に唄えば

           ・草野正宗/空も飛べるはず

           ・星野源/アイデア

 ◆全体合唱   「故郷:日本の歌による5つの合唱曲」より

           ・岡野貞一/おぼろ月夜

           ・岡野貞一/紅葉

           ・文部省唱歌/村祭

          

           ・? /高校三年生の歌

           ・高階哲夫/時計台の鐘

〈アンコール〉   ・ヨハンシュトラウスⅠ/ラデッキー行進曲

 合唱について私が評するなんてことはできないのだが、印象を記すとするとジュニアクラスはやはり人数の少ないために声量的に厳しいなぁ、というのが正直な感想である。ぜひ一人でも多くの団員を勧誘してほしいものである。

 シニアクラスは人数も多く、声量的にも、音楽的にもかなりのレベルに達しているのではと思わされたし、全日本合唱コンクールの全国大会進出を決めたということも頷ける合唱だった。

     

     ※ 掲載した2枚の写真は、演奏会の雰囲気を表現している写真と考え、ウェブ上から拝借しました。

 さて、私が “うるっ” とさせられた場面であるが、一つは彼らが披露した曲の一つ、スピッツというロックグループが歌う「空も飛べるはず」を歌った時だった。以前から「いい曲だなぁ」という思いを持ってはいたが、彼ら彼女らの歌声で聴いたとき、思わず “うるっ” とさせられてしまったのだ。この曲はTVドラマ「白線流し」の主題曲として知られた歌である。この曲自体は平成6(1994)年に発売された曲だが、この曲を聴くと私はなんと半世紀以上前の高校時代にタイムスリップしてしまうのだ。甘酸っぱく、ちょっと切ない思い出と共に私は瞬間移動してしまうのだ。歌詞が良い。メロディーが良い。草野正宗の声が良い。タイムスリップさせてしまう条件が揃い過ぎているのだ。全てのフレーズが素晴らしいのだが、サビの部分の歌詞を掲載させていただくことにする。

   君と出会った軌跡が この胸にあふれてる

   きっと今は自由に空も飛べるはず

   夢を濡らした涙が 海原へ流れたら

   ずっとそばで笑っていてほしい

 そして、初めての経験であるが、ユーチューブのスピッツが歌う「空も飛べるはず」を貼り付けてみたい。(こちらをクリックください。☞)

 続いて私が “うるっ” とさせられた場面は、この定期演奏会が高校3年生の団員にとっては卒団式を兼ねたような構成になっていたのだ。演奏会の最後の場面で卒団する高校3年生の代表が、彼らの周りにいた指導者、関係者、父母、そして下級生たちにてらいもなく素直に感謝の気持ちを表現した別れの言葉に、おじさん(いやお爺ちゃん)は柄にもなく “うるっ” とさせられたのだった。

 前述もしたが、合唱団のコンサートは久しぶりだったが、「良い演奏会だったなぁ…」という思いを抱きながらhitaruを後にした。


思わぬ幸運! 村上和歌子ミニコンサート

2022-11-15 19:33:41 | ステージ & エンターテイメント

 大して期待して赴いたコンサートではなかったけれど、熟達した村上和歌子さんのピアノ演奏は私の思いを大きく裏切るものだった。ベテランの味で、軽やかに奏でる彼女のピアノはお昼のひと時、私の心は満ち足りた思いだった。

    

 11月12日(土)、札幌市社会福祉総合センターでは福祉用具機器展「ふく展」が開催され、その展覧会のアトラクション的位置付けで、お昼休みに「ピアノコンサート」が行われた。プログラムにはピアニストが村上和歌子さんとは記載されていたが、私は村上さんなるピアニストについては未知だった。

 会場のセンターのアトリウムにはやや古びたようにも見えるアップライトピアノが置かれていた。果たしてプロが弾くのに適しているピアノなのだろうかと心配になるほどに私には見えた。

   

 演奏スタートになり、村上さんが登場した。年齢的には40代くらいの方だろうか?濃紫のドレスに身を包んだ彼女が演奏を始めた。村上和歌子さんの履歴を拝見すると、幼少の頃からピアノに親しんでいたのはもちろんであるが、大学を卒業しヨーロッパに渡り本格的にピアノを修行していた際に、チェコで行われた「スメタナ国際ピアノコンクール」に出場し、第3位に入賞したという本格派なのだ。

             

               ※ 実際よりはやや若い頃の写真のようです(ウェブ上から拝借)

 村上さんが演奏を始めると、一瞬に周りは豪華(?)なコンサート会場に変ったと思えた。それくらい村上さんの演奏は見事だった。その曲は、ショパンのエチュードで通称「牧童の笛」ということだった。それから披露された曲を順に紹介すると…。

 ◆メドレー 赤とんぼ~紅葉~秋桜~小さな秋 

 ◆ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番

 ◆プッチーニ/歌劇「ツーランドット」より「誰も寝てはならぬ」

 ◆見岳章/川の流れのように

 ◆小椋佳/愛燦燦

〈アンコール〉

 ◆いずみたく/見上げてごらん夜の星を

 ◆中村八大/上を向いて歩こう

 この曲目を見ると、村上さんはとてもサービス精神旺盛の方のように思える。クラシック畑の村上さんは一曲目も含めてクラシックの曲は3曲しか演奏していない。そのうちの2曲目、3曲目も、ラスマラノフのピアノ協奏曲第2番は浅田真央選手の、「誰も寝てはならぬ」は荒川静香選手がそれぞれオリンピックのフィギアフリーで使用した曲である。つまり彼女はアトリウムに集まった聴衆がクラシックに少々疎い人が多いのではと考えて選曲されたのではないか、と思われた。だから彼女は かなりリラックスしてピアノに向かっていたように思える。

   

   ※ 演奏中の村上和歌子さんです。

 その証拠の一つに、彼女は全ての曲を楽譜なしで演奏した。ピアノのことは良く分からないが、おそらく村上さんはメロディ(主旋律)だけを頭に叩き込み、伴奏は長年の修練で獲得した技で、瞬時に和音を取っていたのではないかと思われたのだが、はてしてどうなのだろうか?

 わずか30分強のミニコンサートだったが、最前列で村上さんの指運びも拝見することができたことでとても満足度の高いミニコンサートとなった。


井上康生 五輪柔道監督は “情” と “理” の人

2022-11-14 19:10:54 | 講演・講義・フォーラム等

 井上康生東京五輪男子柔道監督は語る。今や世界の柔道は “JUDO” になったと…。つまり柔道は今や「世界の格闘技の複合体」になったという。その “JUDO” において東京五輪で日本男子は大躍進を遂げた。その立役者の井上康生氏のお話を聴いた。

   

          ※ 講演をする井上康生氏です。左の写真は康生氏の幼き頃、父親に抱かれているシーンです。

 10月10~11日の両日にわたって開催された「ビジネスE XPO」において同時並行して「ビジネスセミナー」が開催され、私は5つのセミナーを受講したと昨日投稿した。昨日そのうちの三つについてレポートしたが、本日は残り二つについて触れることにする。その二つとは…、

〈1〉トークセッション「省エネのための情報・事例」

   ◇(株)レバンガ北海道社長   折茂 武彦 氏

        

   ◇ 女子アイスホッケー日本代表 藤本 那菜 氏

        

   ◇ UHB みんテレ 気象予報士 菅井 貴子 氏(モデレーター役)

        

〈2〉特別講演「勝つための改革」

   ◇前全日本男子柔道代表監督   井上 康生 氏

    

〈1〉のトークセッションはテーマと人選の間にやや無理があったように思われた。というのも、登壇したお二人は自分の専門のスポーツについては饒舌に語ったが、テーマに関して彼らは特別に関心があるわけではなく、私たち一般人と同程度の省エネの事例を語っただけで、私から見て特別にレポする内容もないと考え省略し、井上氏のお話にフォーカスしてレポすることにしたい。

 井上氏は登壇する前に、私の座っていた席のすぐ前の席に座られた。井上氏自身は100kg級の選手だったから100kg超級の選手のようにバカでかいということはなかったが、それでも骨格のがっちりした背中を間近に見ることができたのは幸運だった。

 井上氏は代表監督を引き受けるにあたって、ビジョンを明確にし、ミッションを自らに与え、日本チームの価値を挙げることを決意したという。そのビジョンとは、「自己実現と社会還元」、ミッションは「最強且つ最高の組織づくり」を行い、日本チームのバリュー(価値)を高めることだと自らに課したという。

 そして井上氏が率いる代表選手たちには、

① 誇りと責任

② 覚悟

③ 自立(律)と主体性

④ 自己マネージメント能力と知識力

⑤ 人間力

⑦ 準備力

⑧ 自力(基礎・基本力)と対応力(多様性)

⑨ 自己肯定力、楽観力と防衛的悲観力

⑩ 柔道とJUDO

⑪ コーチ、サポートスタッフとの対話

などを要求したという。井上氏はこれらについて一つ一つ説明されたが、さすがに精神力を重視する日本柔道の中で彼自身培われたので、言葉の端々に精神論的な言葉も散りばめられていたが、井上氏はそれと同時に「データ&テクノロジーの活用」を強調されたところに井上氏の神髄を見た思いだった。氏は「戦略のミスは、戦術では戦えない」と断言された。

 井上監督のこんな逸話をウェブ上で見つけた。日本代表に対して移動時はスーツ着用を義務付け、ひげを伸ばすことを禁止したという。そうした厳しさの一方、代表活動中に遅刻を繰り返した選手が出ると、自ら責任を取って頭を丸刈りにしたそうだ。

 このように井上監督は “情” に訴えながらも、現代科学の粋にもアプローチする “理” の監督でもあった。そのことが選手の心を掴み、ロンドン五輪で惨敗した日本柔道をリオデジャネイロ、東京と2大会にわたって柔道日本の強さを世界に印象付ける結果を残したようだ。

 講演の最後に井上氏は「窮境の目的」として「柔道修行により、己を完成し、世に補益すること」と述べて講演を締めた。


ビジネスEXPOセミナー 可能性に満ちた若き経営者たち

2022-11-13 19:27:33 | 講演・講義・フォーラム等

 ビジネスの世界は場合によっては莫大な利益を生み出すためだろうか?時として天才的な人材を輩出することがあるようだ。“天才” と冠することが相応しいかはどうか私には判断できかねるが、そうしたポテンシャルを秘めた若い経営者たちの話を聴いた。

        

 この数年、私が楽しみにしているのが「ビジネスEXPOというイベントである。このイベントは毎年この時期に二日間にわたって、道内外の製造業などを中心とした企業の見本市のようなビジネスイベントである。この見本市について私はあまり興味がない。このイベントに並行して開催される「ビジネスセミナー」を私は毎年楽しみにしているのだ。

 今年も二日間にわたって9本の各種セミナーが開催されたが、私はそのうちから5本をチョイスして受講した。その模様を二日間にわたってレポしてみたい。

 本日はタイトルでも示したようにセミナーに登場した若き経営者たちにフォーカスしてレポしたい。その方々のテーマとお名前は…。

〈1〉 『地方がチャンス!「北海道で起業する、北海道から投資する」』

      ◇山本敏行氏  ◇戸村光氏  ◇五十嵐北斗氏   

〈2〉 「保育園留学~次の100年を創造する地域と家族の繋がりをつくる~」

      ◇山本雅也氏   

〈3〉 「旭川からイノベーションを!~北海道からDXの最先端を発信する~」

      ◇KG Ito氏  ◇池田憲士郎氏   

 ここに登場した5人の方々はいずれも若い方ばかりだった。

 〈1〉のセミナーに登壇した山本氏は(株)Chatworkを創業し、社内のコミュニケーションツールをメールからチャットに変え、企業内のコミュニケーションを円滑にすることを提唱し、今や36万社以上が導入し550億円超の時価総額で東証に上場を果たしたという。   

 一方、戸村氏は昨年もこのセミナーで話された人だが、高卒後シリコンバーレーにて20歳で(株)hackjpnを起業し、起業するうえで資金を必要とする人と投資家を繋ぐことを主とする会社を経営している若干28歳の青年経営者である。

 また、五十嵐氏は札幌において(株)HOKUTOの代表取締役を務め、医療関係者向けの情報アプリを開発し、札幌から全国展開しているという。五十嵐氏もまた28歳という若き経営者である。

   

 続いて〈2〉のセミナーに登壇したのが「保育園留学」という新たなビジネスを見いだした山本氏である。山本氏は(株)キッチハイクを経営しているのだが、その会社は都会で子育てに悩む親と、過疎に見舞われている地方の保育園を結び、両者win-winの関係を構築した方である。その第一号に取り上げたのが道南の厚沢部町の保育園だったそうだ。現在では全国展開しており、さらにはそこから派生したさまざまなサービスも社業に加えているとのことだった。

   

〈3〉のセミナーに登壇した池田憲士郎氏は(株)VOREASの社長である。VOREASというと旭川発のプロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」の運営会社である。過去2度ほどV2リーグで優勝し、V1リーグ入りを目前にしているチームである。会社はバレーボールチームの運営だけでなく、食にこだわったり、環境に関する分野にも手を広げているという。また、同時に登壇したKG Ito氏は(株)playgroundを経営しており、池田氏のヴォレアス北海道の試合の電子チケット発券やマーケティングを一手に引き受け、(株)VOREASを支援するなど、エンタメ業界の旋風児的存在だそうだ。

   

 以上、登壇した6人の方々を簡略に紹介したが、私にはそれ以上に詳しく彼らの社業を紹介する力はないし、彼らの凄さも理解できたわけではない。ただ6人の方々の社業はいずれもがDX(Digital Transformation)時代を迎えて、新たなサービス、新たな価値を見つけ出し、創業しているという点である。

 つまり時代を見る目を持った若者たちは、これまでの価値観に拘泥されることなく、新しい感覚、別な方角から市場を見て、そこに新たな価値観を見出し、果敢に創業に打って出ているということだろうか?お爺ちゃん世代にはなかなかストンと落ちないところだが、彼らの話を分からないながら聴いていると、きっと彼らは一種の天才に違いない、と思ってしまった私なのだが…。時代はどう変わっていくのだろうか……。

 面白いことが一つあった。セミナーを運営している会社の方々は全員がスーツを着て運営に携わっていたが、登壇した6人は全員が共にまったくラフなスタイルで登壇したのが印象的だった……。


“騙されない” ための心理学を聴く

2022-11-12 19:19:46 | 講演・講義・フォーラム等

 私たち消費者が行動を起こすには “動因” と “誘因” の二つが存在するという。この二つが合わさったときに私たち消費者は “行動” を起こし、消費者トラブル生まれるという。この “行動” をいかに食い止めるか?心理学の研究者からお話を聴いた。

 11月9日(水)午後、北海道立消費者センター主催「くらしのセミナー」を受講した。この日のテーマは「だまされない消費者になるための心理学~ポジティビティバイアス~」と題して中央大学文学部の有賀敦紀教授のお話を伺った。

              

 実はこの日も先日の中島岳志東工大教授のときと同じように、リアル講座ではなくリモート講座となってしまった。当初は有賀教授も来札して直接お話を伺えることになっていたのだが、北海道が他府県に比べて突出しコロナ感染者が多いことから、急きょリモート講座に切り替えたとのことだった。残念だが仕方がない。

 有賀氏は最初に消費者心理に大きな影響を与える動因”誘因 について触れた。「動因とは、人の内面にある欲しいという気持ち」のことで、「誘因とは、人の外側にある欲しいという気持ちを満たすもの」であると説明された。具体的に例えば「金銭的に裕福になりたい」という “動因” がある営業社員に対して「営業成績に応じたインセンティブ制度を導入するという “誘因” をつくることで社員の行動” を喚起する場合などがある。これが「美しくなりたい」などという “動因” を持つ消費者に対しては、魅惑的な “誘因” によって消費者が騙されてしまう(つまり “行動” に移る)例が多いという。

 そこで有賀氏たち心理学者は “行動” をいかに食い止めるかについての研究をされているそうだ。

 人が騙される心理的要因の一つとして「都合の良い情報補完」をする傾向があるという。人間の認知システムは、足りない情報を都合よく補完するという。例えば、他人を見た時正面より後ろ姿の方が魅力的に評価される傾向があるという。俗にいうマスク美人もこのたぐいだろろうか?したがって、騙そうとする人たちは、あえて情報を隠すちという手法を取る ことにより消費者の「都合の良い情報補完」の心理を利用するそうだ。

 第二の心理的要因として「ポジティブバイアス」という誤った情報処理をする傾向が人間にはあるという。人間の認知システムは自身の期待に添う情報を優先的に処理し、不要な情報を無視する傾向があるとした。例えば、契約金が少々高額だが、その後           儲かるからいいかとか、2年間解約はできないけど、美容効果があるならいいか、等々、自身の期待に沿うよう、ポジティブな情報を選択してしまうという。

 第三の心理的要因として「見た目重視」の心理が人間にはあるという。特に高齢者は過去の行いよりも顔で信頼性を評価する傾向があるそうだ。

 第四の心理的要因としては「不合理な価値判断」を人間はしがちだという。その一つに「アンカリング効果」があるという。

 第五の心理的要因としては「支払ったコストへの執着」があるという。これは「サンクト効果」と呼ばれているそうだ。「アンカリング効果」とか、「サンクト効果」については、説明が難しいので、ここでは省略させていただく。 

    

 さらに有賀氏の説明は続いたが、それらを省略して、私たちが「騙されないため」にはとして次のようにまとめられた。

 「騙そうとする側の思惑通りに、消費者が事象や情報を都合よく認知してしまうのは仕方がない。(“動因” があるかぎり “誘因” は生まれる)」しかし、そこから “行動” に移さないためには「知識に基づいて行動を抑制する必要がある。(人間の心理特性を知ることの重要性)」という。そして最後に次のようにまとめられた。

 「私たちは『こころの法則』に抗うことはできないが、教養に基づいて冷静に行動することはできる」

 つまり私たちの心理は騙そうとする側が創り出す “誘因” に日常的にさらされているが、 今回のセミナーなどを通して知識を蓄えることにより、自らの “行動” を抑制する以外にないということのようだ。つまり特効薬などはなく、私たち消費者は注意深く、そして抑制的に生きるべき、ということなのかもしれない…。


ピアノの連弾演奏を楽しむ

2022-11-11 10:51:36 | ステージ & エンターテイメント

 今年はピアノディオあるいは連弾演奏を聴く機会が多い。(確か3回目である)今回の二人は若いが連弾演奏歴が長いのではないかと思われた。息の合った演奏が見事なコンサートだった。

        

 音楽ネタが三日も続くことになった。

 年金族にとってプロあるいはセミプロの方たちの演奏を無料で聴ける機会はできるかぎり逃さないよう情報収集を怠らないように留意している。今回(11月8日・火)のコンサートは、かでる2・7(道立道民活動センター)の「女性プラザ祭2022」のオープニングコンサートとして催されたものだった。会場はいつもロビーコンサートを行うかでる2・7の1階展示ホールだった。

 出演は札幌大谷大学芸術学部音楽科ピアノコースを卒業し、道内を中心に演奏活動を展開している勝本望帆さん荒川真央さんの二人だった。

 30分間という短い時間の中で演奏された曲目は次のとおりである。

 ◇ 木下牧子/夢              (連弾演奏)

 ◇ R.シューマン/子供の舞踏会       (連弾演奏)

 ◇ C.シューマン/献呈                           (ソロ演奏・勝本)

 ◇ F.メンデルスゾーン.H/メロディー          (ソロ演奏・荒川)

 ◇ F.メンデルスゾーン.B/「無言歌集」より  (連弾演奏)         

 ◇ 木下牧子/夢の結果                            (連弾演奏)

〈アンコール〉

 ◇中村八大/上を向いて歩こう        (連弾演奏)

 連弾演奏は一台のピアノを二人で演奏する形態であるが、鍵盤に向かって右側が「プリモ」、左側が「セコンド」と呼ばれるそうだ。分担は主としてプリモが高音を、セコンドが低音を担当するという。この日の役割分担は勝本さんがプリモを、荒川さんがセコンドを担当した。4本の手(20本の指)によって紡ぎ出される音は、多彩で、重なり合い、ソロでの演奏とは違った趣きを感ずる演奏だった。

 連弾演奏された5曲の中で、私が特に気に入ったのは3曲目の「無言歌集」よりと、庵コールの「上を向いて歩こう」が特に気に入った。

 ピアノ演奏の場合はもちろんソロでの演奏が主流であることには違いないが、時にはこうした連弾、またはデュオでの演奏も「いいものだなぁ」と感じさせられたコンサートだった。