ビジネスの世界は場合によっては莫大な利益を生み出すためだろうか?時として天才的な人材を輩出することがあるようだ。“天才” と冠することが相応しいかはどうか私には判断できかねるが、そうしたポテンシャルを秘めた若い経営者たちの話を聴いた。
この数年、私が楽しみにしているのが「ビジネスEXPO」というイベントである。このイベントは毎年この時期に二日間にわたって、道内外の製造業などを中心とした企業の見本市のようなビジネスイベントである。この見本市について私はあまり興味がない。このイベントに並行して開催される「ビジネスセミナー」を私は毎年楽しみにしているのだ。
今年も二日間にわたって9本の各種セミナーが開催されたが、私はそのうちから5本をチョイスして受講した。その模様を二日間にわたってレポしてみたい。
本日はタイトルでも示したようにセミナーに登場した若き経営者たちにフォーカスしてレポしたい。その方々のテーマとお名前は…。
〈1〉 『地方がチャンス!「北海道で起業する、北海道から投資する」』
◇山本敏行氏 ◇戸村光氏 ◇五十嵐北斗氏
〈2〉 「保育園留学~次の100年を創造する地域と家族の繋がりをつくる~」
◇山本雅也氏
〈3〉 「旭川からイノベーションを!~北海道からDXの最先端を発信する~」
◇KG Ito氏 ◇池田憲士郎氏
ここに登場した5人の方々はいずれも若い方ばかりだった。
〈1〉のセミナーに登壇した山本氏は(株)Chatworkを創業し、社内のコミュニケーションツールをメールからチャットに変え、企業内のコミュニケーションを円滑にすることを提唱し、今や36万社以上が導入し550億円超の時価総額で東証に上場を果たしたという。
一方、戸村氏は昨年もこのセミナーで話された人だが、高卒後シリコンバーレーにて20歳で(株)hackjpnを起業し、起業するうえで資金を必要とする人と投資家を繋ぐことを主とする会社を経営している若干28歳の青年経営者である。
また、五十嵐氏は札幌において(株)HOKUTOの代表取締役を務め、医療関係者向けの情報アプリを開発し、札幌から全国展開しているという。五十嵐氏もまた28歳という若き経営者である。
続いて〈2〉のセミナーに登壇したのが「保育園留学」という新たなビジネスを見いだした山本氏である。山本氏は(株)キッチハイクを経営しているのだが、その会社は都会で子育てに悩む親と、過疎に見舞われている地方の保育園を結び、両者win-winの関係を構築した方である。その第一号に取り上げたのが道南の厚沢部町の保育園だったそうだ。現在では全国展開しており、さらにはそこから派生したさまざまなサービスも社業に加えているとのことだった。
〈3〉のセミナーに登壇した池田憲士郎氏は(株)VOREASの社長である。VOREASというと旭川発のプロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」の運営会社である。過去2度ほどV2リーグで優勝し、V1リーグ入りを目前にしているチームである。会社はバレーボールチームの運営だけでなく、食にこだわったり、環境に関する分野にも手を広げているという。また、同時に登壇したKG Ito氏は(株)playgroundを経営しており、池田氏のヴォレアス北海道の試合の電子チケット発券やマーケティングを一手に引き受け、(株)VOREASを支援するなど、エンタメ業界の旋風児的存在だそうだ。
以上、登壇した6人の方々を簡略に紹介したが、私にはそれ以上に詳しく彼らの社業を紹介する力はないし、彼らの凄さも理解できたわけではない。ただ6人の方々の社業はいずれもがDX(Digital Transformation)時代を迎えて、新たなサービス、新たな価値を見つけ出し、創業しているという点である。
つまり時代を見る目を持った若者たちは、これまでの価値観に拘泥されることなく、新しい感覚、別な方角から市場を見て、そこに新たな価値観を見出し、果敢に創業に打って出ているということだろうか?お爺ちゃん世代にはなかなかストンと落ちないところだが、彼らの話を分からないながら聴いていると、きっと彼らは一種の天才に違いない、と思ってしまった私なのだが…。時代はどう変わっていくのだろうか……。
面白いことが一つあった。セミナーを運営している会社の方々は全員がスーツを着て運営に携わっていたが、登壇した6人は全員が共にまったくラフなスタイルで登壇したのが印象的だった……。