田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 東京家族 №310

2021-05-21 16:20:05 | 映画観賞・感想

 映画は今や名匠の域にある山田洋二監督が、名作「東京物語」を制作した故小津安二郎監督へのオマージュとして制作した作品である。随所に山田監督らしさが見え隠れし、歳甲斐もなく(いや、歳だから)何度もティッシュを手にした私だった。

    

 この映画はBSプレミアムで3月26日に放送されたものを先日夜に観賞したものである。私は迂闊にも「東京~」という題名を見て、すっかり小津安二郎監督の「東京物語」だと思って録画を見始めたのだが、案に相違していたという話なのである。

 案に相違はしていたが「東京家族」も十分に見応えのある映画だった。「おかしくて、かなしい。これは、あなたの物語です。」というキャッチコピーにあるように、よくある家族の物語が山田監督の脚本と、実力あるキャスト達の好演によって可笑しくも、哀しい作品に仕上がったといって良い映画だった。

   

 特に私が感じ入ったのは、老夫婦(橋爪功、吉行和子)の子どもである末っ子(3人兄妹)役の妻夫木聡の存在だった。父親からは最も出来の悪い子どもとして疎まれていたが、妻を先に失い悄然としている父親を最も親身になって心配する息子の姿を好演していた。妻夫木の婚約者を演じた蒼井優は存在そのものが好い人役を演ずる素晴らしい俳優であるが、この二人の婚約者同士が「東京家族」という映画を際立たせていたといっても過言ではないように思われる。

 妻夫木聡については映画「悪人」での好演が記憶に残るが、けっしてオーバーな演技ではなく、役柄を深く理解したうえでの自然体の演技が素晴らしい俳優だと私は思っている。彼の大成を期待したい。

   

 リード文で私は何度もティッシュを手にしたと書いた。それは映画が田舎(瀬戸内海の離れ小島)から、子どもたちが生活している東京の様子を伺いに上京してきた様子が描かれている。子どもたちは両親を歓迎しつつも、東京での忙しい生活の中で次第に両親の世話が重荷となっていく過程が描かれている。それを観ながら「う~ん。あり得るよな」、「でも、それは少し身勝手ではないか」と思いながら両親の立場になって考えると…。さらに、上の二人の兄妹が両親の応対に苦慮している時、父親から最も出来が悪いと思われていた息子(妻夫木聡)が最も親身になってお世話する姿に涙せずには観てはいられなかった。

 どこにでもある家族の姿、そこにあるおかしさやかなしみ、それを掬い取り画面に反映していく山田洋二監督の手腕がいかんなく発揮された映画だと思いながら、私はこの映画を観た。


盤渓市民の森の春 Ⅴ サンカヨウ ゲット!

2021-05-20 16:45:24 | 環境 & 自然 & 観察会

 サンカヨウだけを狙いホームゲレンデの「盤渓市民の森」に入った。結果、見事に狙いは的中した!群生するサンカヨウは満開の時を迎えていた。併せてシラネアオイの花も複数輪目にすることができた。

   

   

 前回の「盤渓市民の森」トレッキングから1週間が経った。そのときの様子から、そろそろ花時では?と睨んで「盤渓市民の森」に向かった。今の時期の森はほんとうに清々しい。萌黄色の若葉を通して陽光が森の中に届くさまは今しか見られぬ光景である。

 実は前回のトレッキングの時にレポしなかったが、散策路でヒグマの糞を発見していたことや、出没情報が出ていたことから、ポケットラジオのボリュームを上げて森に入った。

   

 ※ 一週間前に見たのと同じヒグマのものと思われる糞です。一週間経ち、乾いていました。

 森の中は時間の経過とともに少しずつ様相を変えていた。ただ、意外にニリンソウが花の時期を意外に長く保っているなぁ、という印象があった。(これには少々訳がありそうだ。後述する。)その他ではタチツボスミレが群生とまではいかないまでも、あちらこちらにと結構目立って咲いていた。エンレイソウやヒトリシズカは花の季節を終えようとしていた。

   

   

 それでは本日の印象に残った事柄をトピック風に…。

◇サンカヨウ

 私が知るかぎり、札幌でサンカヨウが見られるのは「盤渓市民の森」しか知らない。(サンカヨウが希少種であるかどうかは知らない)それも昨年初めて知った。それ以来、再びこの目で見てみたいと思ってきた。今年になって何度か「盤渓市民の森」を訪れていたが、時期尚早ということで空振りに終わっていた。

 「今日はどうだろうか?」と「盤渓市民の森」の奥深くに入っていった。クマに気を付けながら…。すると森の最奥部に群生するようにサンカヨウの花が咲いていた!白い10片の花びらの中に黄色い花粉が乗っかっている。実はこの白い花びらが雨に打たれると透明な花びらになるらしい。それをいつか見たいと思っているのだが…。

 タイトルで「サンカヨウ ゲット!」と書いたが、別に採集したわけではない。カメラに収めたという意味である。それではサンカヨウのオンパレードです。

   

   

   

   

   

   

   

   

◇シラネアオイ

 昨年はサンカヨウを見る前にシラネアオイを数輪目にすることができた。ところが今回は記憶にあった辺りでは一輪も見つけることができなかった。がっかりしていたのだが、サンカヨウを目撃した後になって1輪だけであるが目にすることができた。しかし、それ以外はまったく見ることができなかった。森の最奥部から、森の中心に戻って歩いたところ、散策路の横に8輪ほどのシラネアオイが咲いているのを目撃することができた。やや紫色が薄いかな?とも思われたが、複数輪のシラネアオイを目撃することができ、満足である。

   ※ 最初の2枚は市民の森の最奥部で見た僅か1輪だけのシラネアオイです。

    

   

   ※ 以下の2枚は、市民の森の中心部に来て8輪ほど見かけたシラネアオイです。   

   

   

◇サンリンソウ

 ニリンソウの花の時期がずいぶん長いなぁと思いながら歩いていた時、ふっと目をやると一本の茎から花が二輪ではなく、三輪出ているのに気付いた。よく見てみるとずいぶんその数が多い。中には四輪、五輪も花を付けているものもあった。「これはおかしい?」と思い、スマホで調べてみるとなんと「サンリンソウ」という種が存在することが判明した。花の形状や葉の形はほとんど変わらないのだが、サンリンソウの場合は茎葉のところに短い葉柄が付いているそうだ。よく見てみると確かに葉柄が付いていた。

   ※ 一つの茎に三輪の花が付いているサンリンソウです。

      

   

   ※ こちらは4輪です。   

   

   

   ※ こちらはなんと5輪です。

   

  ※ よ~く見てください。葉の上に小さな葉柄が付いています。これがサンリンソウです。

   

   ※ ニリンソウにはそれが付いておりません。   

   

   

   ※ ニリンソウか、サンリンソうか判然としませんが見事な白い回廊です。

 そうと分かって見てみると、サンリンソウが咲いているところはほとんど全てがサンリンソウのようだった。そこで先の疑問であるが、あるいはニリンソウとサンリンソウでは花の時期が若干違うのではないか?と思ったのだが、果たして真実はどうなのだろうか?

◇クルマバソウ

 クルマバソウもそろそろ花の時期となるようで、ところどころで小さな花を付けているのに出会った。しかし、花があまりにも小さく群生することによってようやくその存在が分かるくらいなのかもしれない。

   

   ※ まだ花は蕾といった状態です。

   

   ※ きれいに開花したクルマバソウの白い花を見つけることができました。

   

 以上、主だった山野草を見てきたが、この春「盤渓市民の森」には5度も通った。春の森の移り変わりを自分の目で確認することができ、それなりの満足感を味わっている。次は少し時間をおいて初夏の「盤渓市民の森」を見てみようか?


コロナワクチン予約の顛末

2021-05-19 16:34:49 | その他

 本日から始まった札幌市のコロナワクチン接種の予約受付で無事に5月24日の予約を取ることができた。しかし、予約が完了するまでにはちょっとしたてんやわんやがあった。そのてんやわんやとは…。

   

 コロナワクチンの接種券については、拙ブログで投稿したとおりに「新型コロナウイルスワクチン予防接種のお知らせ」とともに5月11日に届いていた。それによると予約受付は5月19日(水)からということで、当日は相当な混乱が予想されると報じられていた。そこで私は、私なりに準備を講じて本日を待つことにした。

 まず、接種会場であるが、案内によると市内395の病院が「接種実施医療機関」としてリストアップされていた。うち146の医療機関には★印が付いていた。

 そして医療機関を予約する手順として①かかりつけ医がいて、その病院がリストアップされていた場合は、そこで予約するという。しかし、私にはかかりつけ医はいないので、ここはパスした。

 続いて②は、★印が付いた病院で「予約ができるか相談」するとあった。試みに電話をしてみた、すると「当院で診療を受けたことがありますか?」と聞かれた。「これはどの病院でも断られそうだ」と諦めた。私が3カ月に一度くらいの割合で通院している大病院はリストに載っていなかった。

 ということで、私は③の札幌市で2ヵ所ほど設けられた「集団接種会場」の札幌パークホテルor札幌エルプラザの中から、地下鉄駅から近い「札幌パークホテル」を希望することにした。

 そして予約のための準備である。予約は全国同じようであるが、電話とインターネットから予約できることになっていた。私はインターネットにはそれほど通じてはいないが、電話予約は報道ではかなり込み合いそうだったので、インターネットで予約をすることにした。

 そして予約のためには、インターネット予約のQRコードを読み取るか、インターネット予約のアドレスを打ち込むかの二つの方法が提示されていたので、アドレスを打ち込んで「予約サイト」に辿り着くことができた。これで当日の午前9時になると、予約画面に切り替わるものと私は安心して本日を待ったのだ。

 本日午前9時。私は満を持してブックマークに保存した「予約サイト」を開けた。すると画面は以前と何ら変わることのない画面だった。(下の写真)私は焦りまくったが、何をどうしても画面は切り替わらなかった。

   

 う~ん。急遽電話作戦に切り替えるほかなかった。妻にも手伝ってもらい、二人で電話を掛け続けたが、予想どおり電話は大混雑のようで「これは長時間作戦だなぁ…」と気持ちを切り替え、思いつくたびに電話してみることにした。

 ところが本日の私は三カ月に一度の病院の診察日に当たっていた。病院から帰ってきてから気長に電話を掛け続けようと思い、病院に出かけた。

 病院で診察を待っている時だった。妻から電話が入り「予約が取れたよ~!」との連絡だった。小躍りしながら病院から帰り妻に話を聞くと、私の留守の間も時折り予約センターに電話を入れていたところ、何度目かに幸運にも繋がったという。

 そこで無事に5月24日(月)午前10時30分に札幌パークホテルで第一回目のワクチン接種ができることとなった。妻には感謝、感謝である。コロナワクチン予約の顛末でした。

   


石狩浜「はまなすの丘公園」トレッキング

2021-05-18 18:31:18 | フットパスウォーク & トレッキング

 転んでもただでは起きない田舎オヤジである。焚き火を楽しんだだけでそのまま帰るはずがない。焚き火を楽しんだ海岸から、石狩川の河口と日本海に挟まれた「石狩浜」に移動して海浜トレッキングを楽しんだ。

 昨日とは違い、今日は朝から久しぶりの快晴に恵まれた。おまけに風もない。昨日は勢いよく回っていた風力発電の風車もほとんどが風がないため止まった状態だった。絶好のトレッキング日和である。

 私は早々に石狩浜の「はまなすの丘公園」に移動した。トレッキングのスタート地点は石狩浜の中間地点にある「はまなすの丘公園ビジターセンター」だ。そこから浜の先端に向かって途中までだが木道が伸びているのだ。しかし、ビジターセンターは北海道の非常事態宣言を受け、閉鎖されていた。海浜植物の花の名を記した資料を入手したかったのだが残念!徒手空拳でのトレッキングとなった。

   

   ※ 「はまなすの丘公園ビジターセンター」の建物です。閉鎖中でした。

        

        ※ その閉鎖を伝える表示です。

   

   ※ ビジターセンターのすぐ横に立つ「石狩灯台」です。

   

   ※ 公園内はこのような木道が伸びていました。

 ところが!公園内の木道の傍には海浜植物の名前を記したプレートが添えられていた。これは私のような初心者には嬉しい措置である。私はプレートと共に写真を撮りながら歩を進めた。ところが、ところが!海浜植物の花の季節はプレートの説明では6月以降のようだった。残念!わずかに花を付けていたのは、「はまはたざお」という白い花と、「いそすみれ」の紫の花だけだった。

《はまなすの丘公園の植物たち》

   ※の名の後ろの( )内は開花期を表しています。(5/中とは、5月中旬を表します)

   

   ※ はまはたざ(5/中~6/上)

   

   ※ いそすみれ(5月)

   

   ※ はまにんにく(6/上~7/上)

   

   ※ えぞかわらまつば(6/上~7/中)

   

   ※ はまえんどう(5/中~6/下 9/中~10/上)   

   

   ※ はまぼうふう(7月)

 それでもトレッキング自体は気持ち良く続いた。木道が終わり、さらにその先に砂利道が突端に向かって続いていた。この突端の位置は絶えず変わっているらしい。以前、石狩市の市民カレッジを受講し、講師の方が毎年その動きを観察し記録しているものを拝見したことがある。石狩川の流れ、日本海の海の動きによって、年々その位置が動いているそうだ。

   

   ※ 石狩川河口付近の流れです。

   

   ※ 石狩川(手前)の流れが日本海(前方)に注ぐ河口です。

 本日、私は以前もそうしたように突端に立って、スマホのナビで自らの位置を確認しようとした。ところが、私の位置を示すナビは突端ではなく突端からかなり内側に入ったところを指していた。以前の時は、はっきりと突端を示していたのだが…。あるいはスマホの地図を作成した時から日が経ち、突端(砂嘴)が伸びたのかもしれない??

         

    ※ スマホの現在地が砂嘴の突端を示していません。(青い印)

 石狩浜に立つ「石狩灯台」は、建てられたときは砂嘴の突端にあったのだが、その後砂嘴が伸びて、今や1キロ近くも内部に立っている。(灯台が建てられたのが1892年ということだから、100数十年の間に砂嘴がそれだけ伸びたということである)たから今もなお砂嘴は伸び続けていると云えるようだ。

 突端を通過し、同じところを引き返してもつまらないと考え、海岸線を歩いて「はまなすの丘公園ビジターセンター」の駐車場に帰ってきた。

   

   ※ 海岸はご覧のように漂流物がびっしりです。

   

   ※ 公園内でキタキツネに遭遇しました。

 わずかな時間のトレッキングだったが、気持ちよく晴れ上がった空の下、花は少なかったがそれなりに楽しいトレッキングだった。

 

《おまけの映像です》

 昨夜の夕景が素晴らしかったので、2枚ほど載せることにしました。

   

   


キャンプ(車中泊) de 焚き火 第2信

2021-05-17 20:36:00 | その他

日没前の17時30分に着火し、先ほど20時10分に消火するまで「焚き火」を楽しんだ。

着火剤も何も使わず、新聞紙と細い流木だけで見事一発で着火に成功した。まだまだ昔とった杵柄は錆びついていなかったことに一安心。
コンデションは良くないと第一信で発したけれど、日没時には地平線上が晴れてきれいな夕陽を楽しめた。
陽が落ちてからが「焚き火」の本番である。ただただ炎を眺めながらウイスキーをちびりちびりと含みながら極上の時間を過ごした。聴こえるのは波の音と焚き火に放り込んだ流木が弾ける音だけ…。
ただ、少々思い描いていたことと違ったことは、火の勢いを維持するために絶えず気を遣わねばならなかったことで、じっくりと炎と向き合う時間が少なかったことか…。
それでも、久しぶりに念願だった「焚き火」を満喫することができ、満足して眠りに就くことができそうだ。お休みなさい。

キャンプ(車中泊) de 焚き火

2021-05-17 15:41:00 | その他

「焚き火」だけを楽しむために某海岸に来ている。私にとって「焚き火」というと、とてもノスタルジックな気分に陥いる。家族で、あるいは息子とキャンプをしたときは、必ずといって良いほど、テントの前で「焚き火」をして、その炎を眺めながら夜がふけてゆくのを楽しんだ。そのときの何とも言えない陶酔感のようなものが忘れられない。

その思いをふたたび味わいたくて独り海岸に足を運んだ。
今どきは以前と違い、直火の焚き火は禁止されている。そこで今盛んにキャンプを楽しんでいる息子から焚き火台を借用してきた。
現地について早速燃料とする流木集めに精を出した。海岸には有り余るほどに流木はあった。
次には、焚き火台に合わた長さに持参した鋸で切断した。
そして、写真のように細かな木から順に焚き火台に乗せて着火しやすいようして準備を終えた。
あとは、着火だけである。ただ、コンデションはお世辞にもよくない。昨日まで雨が続いたせいか、気温が低く、風も強い。寒さ対策は十分だが理想的な「焚き火」を楽しむ条件とはいえないが、それなりに楽しもうと思っている。
着火は日没が近づいたころと思っている。
できれば、本日第2信を発信できれば、思っている。

映画 ベン・ハー №309

2021-05-16 17:10:41 | 映画観賞・感想

 ハリウッド映画全盛のころの代表的作品の一つといって良いだろう。1959(昭和34)年制作で上映時間121分という長尺であるが、潤沢に製作費をつぎ込んだ叙事詩的映画はアカデミー賞の史上最多受賞に輝いた作品である。

       

 私にとって「ベン・ハー」は初見ではなかった。観覧したのが何時だったのか忘れるくらい以前のことであるが、ストーリーもほとんど記憶になく、ただ戦車競走の場面が強烈に記憶に残る映画だった。

 映画は帝政ローマ時代に国を失った民族であるユダヤの民であるベン・ハー(チャールトン・ヘストン)の過酷な運命を描いたものである。背景としてキリストの生誕・受難・復活が大きく影響している。ということは時代としては今世紀の始まり、紀元後間もない時代ということになる。

 キリストの生誕・受難・復活が映画の背景となっているということから、キリスト教徒である欧米人と私たち仏教徒では映画の受け止め方に差があるとは思われるのだが、エンターテイメントとしても十分に楽しめる映画だった。

 映画の見どころはたくさんあるが、何といってもベン・ハーと彼のライバルである帝政ローマの軍司令官であるメッサラ(スティーヴン・ボイド)の戦車競走の場面である。競技場の装置の壮大さ、競争場面の迫真の映像、etc.…、CGなどがない時代であるにもかかわらず、今でもけっして見劣りのしない素晴らしい迫真の画面を現出している。

  

  ※ 有名な戦車競走の場面。白毛の方がベン・ハー、黒毛の方がメッサラの競走馬です。

 ストーリーとしては、ユダヤ人の誇りを捨てなかったことで苦難の道を歩むことになったベン・ハーであるが、キリストが磔の刑に処せられたことにより奇跡が生じ、彼の母と妹が復活するというエンディングを迎えるストーリーである。このあたりはキリストを神と崇めるキリスト教徒には共感をえるところなのだろう。

 私から見て印象的だったのは、主演のチャールトン・ヘストンである。まるでギリシア彫刻のような容貌、そして鍛えられた肉体は古代映画の主人公としてははまり役だったのではないか。彼は俳優としての演技力には疑問符が付いたとも巷間伝えられているが、少なくとも映画「ベン・ハー」においては適役だったと云えるだろう。

   

  ※ 主演のチャールトン・ヘストンです。 

 今回、私は5月3日、BSプレミアムで放送されたものを観賞することができた。


緊急事態宣言を受けて

2021-05-15 19:12:41 | その他

 とうとう北海道も明日16日から月末31日まで、2回目の緊急事態宣言が発出されることになった。これまで事態の推移をそれほど深刻に考えてこなかったきらいのあった私だが、さすがに緊急事態宣言となるとそんなのんびりしたことは言ってはいられない。さて、どうしょうか??   

 今回の北海道を始めとする岡山県、広島県に対する緊急事態宣言の発出を巡るゴタゴタについては、日頃から政治的な関心をあまり抱かない私でも「いったい、どうなっとるんじゃい!」と突っ込みの一つも入れたいような政府の右往左往ぶりであった。

 そのことはともかくとしても、緊急事態宣言が出たとなると、その心理的圧迫はやはり大きいものがある。これまでも必要な時以外は市の中心部や人混みの多いところには出向かないようにしていたが、これからは一層留意しなければなるまい。

   

   ※ 「めだかの学校」の活動も中断せざるを得ない。

 と同時に、宣言発出で公共施設が全て閉鎖となる。このことで、私が所属しているシニアの学習グループ「めだかの学校」の活動も道立市民活動センター(通称:かでる2・7)を会場として活動しているため停止せざるを得ない。また、定期的に行っていたボランティア活動の近代美術館前の歩道の清掃活動も5月中は中止と決めた。

   

   ※ 近代美術館前の歩道の清掃活動も一時中断することにした。

 こうしたことは事の大小は別として、あらゆる人が影響をこうむっていることだろう。私の場合は、直接生活に影響することではないだけに、多少のんびり構えているところがあるのかもしれない。現役世代の方々にとっては仕事に影響が及び、そのことが生活そのものにも影響が及ぶだけにその深刻度はいかばかりか、と考えると申し訳ない思いさえする。

 私たちリタイアした世代にとって、そうした現役世代に対する責務は “コロナウイルスには絶対に感染しない!” という覚悟とそれを可能とする自己抑制であろう。しかし自己抑制ばかりを強いても、それは現実的とは思えない。

 私が考えるのは我田引水的ではあるが、私が考え、実践してきたことが現実的ではないだろうか?つまり、人と出会う可能性が極めて低い(一つの密もない)フィールドに出て、身体を動かし、心身のリフレッシュを図ることではないかと考えている。

 それにしても今回のコロナ禍が、これほど困難で沈静化が長引くことを誰が予想しただろうか?(あるいは一部科学者の中には予言されていた方もいたかもしれないが…)自然を克服したなどと奢っていた人類に対する、自然からの強烈なしっぺ返しのように思われてならない。私たち人類は自然の中で生かされているんだ、ということをもう一度確認する必要があるのかもしれない…。

 


野幌森林公園トレッキング & シラネアオイの怪

2021-05-14 20:03:05 | フットパスウォーク & トレッキング

 野幌森林公園の観察会が中止になったことを受けて、独り観察会に出かけた。そして今季初のシラネアオイ、オオバナノエンレイソウ、エゾノユズリハなどの花を確かめることができ、成果は上々だった。ただ、シラネアオイの花はわずか一輪のみを確認しただけだった。これは謎があるかも??

    

    ※ シラカバの林の新緑が眩しいくらいに見えました。

 いよいよ北海道にも緊急事態宣言が発出されることになってしまった。いよいよ気持ちは萎縮してしまう。それではならじと、気持ちを奮い立たせて「野幌森林公園」へと向かった。「野幌森林公園」は、「西野市民の森」や「盤渓市民の森」と違いそれなりに散策する人に出会う公園である。そこでコロナ対策として私は次のように対処した。マスクを一応付けて、誰とも出会わないときは顎のところに下ろして呼吸を楽にする。そうして散策する人が前方から来た場合にはマスクをきちんと装着して交差する、というように対処した。すると同じように考える人がいて、お互いに直前でマスクをきちんと装着して交差することが2~3度あった。

         

      ※ 本日歩いたところを黒い矢印で表しました。

 さて、今日出会った山野草の中で、印象的なことにスポットライトを当てるようにしてレポしたい。

シラネアオイの怪

 今日の私は、いつもの大沢口ではなく、大沢口とは真逆の公園の南端にあたる「トド山口」から公園に入った。公園の入口から登満別線に入った直後、あのシラネアオイの薄紫の花に出会ったのだ。私は小躍りしながらカメラに収めた。「今日はこの花に何度か出会えるんだ」と…。ところが、それから行けども、行けどもシラネアオイに出会わないのだ。あるいは散策路ではなく、森の奥深いところに咲いているのかもしれないのだが…。しかし、私は今日公園内を13キロも歩いたのに、シラネアオイに出会ったのは後にも先にもこの一度だけだった。これは不思議というより怪ではないのか!? 

 ここで思い出したことがあった。数年前の観察会でのことである。そのときは大沢口から森に入ったのだが、その際にも一輪のシラネアオイの花と出会った。その観察会の説明役だった北海道ボランティア・レンジャーの方のお話が忘れられない。レンジャーの方はこう言った。「シラネアオイは野幌森林公園内には自生しておりません。残念なことですが、このシラネアオイは誰かがどこかから持ってきて移植したものでしょう」と…。

 レンジャーの方の言は信ずるに足るものだと思われる。だとしたら、今日私が目撃したシラネアオイも誰かが移植したものなのだろうか?真実はいかに!? 

   

   ※ わずか一輪だけ咲いていたシラネアオイです。果たして真実は?   

   

 

ヒトリシズカに咲いていないんだけど… 

 ヒトリシズカとは、そのネーミングといい、花の様子といい、楚々としてどこか悲しげな印象を与える花である。ところが!である。花の咲いている様子を見ると、ヒトリシズカに咲いている花はどこにも見当たらない。ヒトリシズカにどころか、たくさんの花が固まってニギニギしく咲いているのである。これはどうしたことか!?イメージが壊れてしまうではないか。もっとも、命名の由来は花の様子から、源義経に愛され哀しい運命に生きた静御前にちなんで名付けられたそうなので、花がどのように咲いていようとそのことは問題ではないのかもしれない…。

   

   ※ ヒトリシズカはこのように賑々しく咲いている場合が多いですね。

   

   

   ※ 少し成長し過ぎても伸び切ってしまったヒトリシズカの花です。

 

えっ?サンリンソウでもニリンソウ?

 今日の森林公園内でもニリンソウは最も賑やかだった。ところによってはニリンソウの白い花が散策路の両脇を固め、まるで回廊のような形で50mくらい続いていたところもあった。そのニリンソウであるが、一本の茎から二輪の花が咲くところからニリンソウと命名されたと聞いている。ところが今日、子細に見てみると三輪の花を付けているものもあった。まあ、突然変異種なのだろうと思われるのですが…。

   

   ※ ニリンソウは「野幌森林公園」内でも目立つほどに咲き誇っていました。

   

   ※ このような回廊がおよそ50mも続きました。

   

   ※ 普通は一本の茎から二輪の花なのですが…。   

   

   ※ なぁ~んと、この茎からは三輪の花が咲いています。

 とつまらぬことを並べ立てましたが、この時期の園内はニリンソウ、ヒトリシズカ、タチツボスミレの三種が華やかさを競っていたようです。最もその勢いにもやや陰りが見えるかな?という感じで、この後一週間もすると、クルマバソウやマイヅルソウの小さな白い花が目立ってくるものと思われます。

   

   ※ タチツボスミレ(ヤマスミレ)も公園内では目立つ花でした。

   

   

   ※ これから白い小さな花を付けるであろうマイヅルソウです。とても繁茂しています。

   

   ※ こちらのクルマバソウもこれからの花です。

 今日のトレッキングでの成果は、シラネアオイを除いて、オオバナノエンレイソウ、エゾノユズリハ、シャクの花を見られたこと。またマムシグサを確認できたことなどが成果だと振り返っています。 

   

   ※ オオバナノエンレイソウは白い清楚な色が森の中で映えています。

   

   ※ 私にとっては今季初めて対面したオオバナノエンレイソウでした。

   

   ※ 艶のある葉が特徴的なエゾノユズリハです。

    

   ※ 珍しくエゾノユズリハの花を見ることができました。

   

   ※ 小さく目立たない花ですが、シャクという花のようです。

    

   

   ※ 茎に特徴があるマムシグサです。

           


盤渓市民の森の春 Ⅳ & 三菱山登山

2021-05-13 15:48:58 | 環境 & 自然 & 観察会

 狙っていたサンカヨウやシラネアオイは時期尚早だったようだ。しかし、開花の兆候を確認することはできた。陽気につられ「盤渓市民の森」の上部に位置する三菱山にも登ってみた。

   

   ※ この時期の森は新緑の葉に包まれて実に清々しい思いに駆られます。

      

   

 ※ やや見づらいですが、白い矢印が私が歩いた跡です。  

 昨日、11日(火)の「西野市民の森」に続いてフィールドを彷徨ってみたいと思った。目的地としては久しぶりに「野幌森林公園」を訪れようと思った。しかし、「野幌森林公園」は15日(土)の観察会に参加を申し込んでいる。このコロナ禍の中、観察会は中止なのではと思い問い合わせたところ「未定」だという。もし実施ということになると4日を空けずに同じところを見ることになる。そこで急遽、ホームゲレンデである「盤渓市民の森」に目的地を変えた。「盤渓市民の森」は5月2日以来の訪問だが、「サンカヨウたちの観察には少し早いかな?」という思いを抱きながら向かった。

 天気は久しぶりに晴れ上がり、上々のコンディションだった。「盤渓市民の森」の入口では早速ニリンソウの白い花たちの大歓迎を受けた。その他、「西野市民の森」と同様、ヒトリシズカやクルマバソウ、フッキソウなどほとんど同様の山野草たちが咲き誇っていたが、重複することになるので写真は掲載しないことにする。

   

   ※ 市民の森の入口を入った直後に、写真のようにニリンソウの歓迎を受けました。

   

   ※ ルート上では何ヵ所もこうしたニリンソウに囲まれたところがありました。

   

   ※ 薄紫のスミレが群生しているところがあり、思わずシャッターを切りました。

 さて、肝心のサンカヨウやシラネアオイであるが、やはり少し時期が早かったようだ。昨春私が確認したのは5月19日だったから、1週間早いことになる。私は諦めながらも、葉の形などからサンカヨウやシラネアオイの葉を探した。すると、あきらかにそれと分かる葉を見つけることができた。特にサンカヨウの方は蕾のようなものも確認することができた。開花はもう直ぐである。私は来週中にも再訪することにした。

   

  ※ 上の写真も、下の写真も明らかにサンカヨウが蕾を付けていることを確認できました。

   

   

   ※ こちらはシラネアオイの葉だと思われます。

 ところで最近の私のフィールドでの歩き方だが、すっかり年齢相応の歩き方を身に付けてしまったようだ。たとえ時間がかかってもけっして無理をせず、一歩一歩ゆっくりと歩を進めるというように…。このことは自らの老いを認めねばならないという辛い作業ではあるのだが、人間も自然の一部であるならば自然の摂理として受け入れねばならないことと理解したい。

 そうしたこともあってだろうか?いつものルートを歩き、「盤渓市民の森」の最高到達地点に至っときにも特段の疲れを感じなかった。「これは三菱山にも登れそう!」と判断し、その上部に位置する「三菱山」を目指すことにした。

   

   ※ 市民の森の最高到達地点から「三菱山」の山頂を見たところです。

   

   ※ 「三菱山」への途上、盤渓スキー場のリフト降り場から、スキー場ロッジを望んだところです。

   

   ※ 「三菱山」の山頂直下、この石段を登りきると山頂です。

 三菱山山頂は木立に囲まれ、必ずしも眺望に優れているとは言い難いが、一部だけ見晴らしの効くところがある。そこからは藻岩山の頂や、その先の札幌市街が遠望できた。

   

   ※ 「三菱山」のかわいい山頂標識です。

   

   ※ 山頂からの眺め。正面は藻岩山です。

   

   ※ 遠くに札幌市街が遠望できました。   

 昨日、夕方になって野幌森林公園の「自然ふれあい交流館」から「15日の観察会は中止する」との連絡が入った。一人ぼっちの公園散策は自分にも、他者にも安全な楽しみ方である。近いうちに「野幌森林公園」の自然を楽しんできたい。