サンカヨウだけを狙いホームゲレンデの「盤渓市民の森」に入った。結果、見事に狙いは的中した!群生するサンカヨウは満開の時を迎えていた。併せてシラネアオイの花も複数輪目にすることができた。
前回の「盤渓市民の森」トレッキングから1週間が経った。そのときの様子から、そろそろ花時では?と睨んで「盤渓市民の森」に向かった。今の時期の森はほんとうに清々しい。萌黄色の若葉を通して陽光が森の中に届くさまは今しか見られぬ光景である。
実は前回のトレッキングの時にレポしなかったが、散策路でヒグマの糞を発見していたことや、出没情報が出ていたことから、ポケットラジオのボリュームを上げて森に入った。
※ 一週間前に見たのと同じヒグマのものと思われる糞です。一週間経ち、乾いていました。
森の中は時間の経過とともに少しずつ様相を変えていた。ただ、意外にニリンソウが花の時期を意外に長く保っているなぁ、という印象があった。(これには少々訳がありそうだ。後述する。)その他ではタチツボスミレが群生とまではいかないまでも、あちらこちらにと結構目立って咲いていた。エンレイソウやヒトリシズカは花の季節を終えようとしていた。
それでは本日の印象に残った事柄をトピック風に…。
◇サンカヨウ
私が知るかぎり、札幌でサンカヨウが見られるのは「盤渓市民の森」しか知らない。(サンカヨウが希少種であるかどうかは知らない)それも昨年初めて知った。それ以来、再びこの目で見てみたいと思ってきた。今年になって何度か「盤渓市民の森」を訪れていたが、時期尚早ということで空振りに終わっていた。
「今日はどうだろうか?」と「盤渓市民の森」の奥深くに入っていった。クマに気を付けながら…。すると森の最奥部に群生するようにサンカヨウの花が咲いていた!白い10片の花びらの中に黄色い花粉が乗っかっている。実はこの白い花びらが雨に打たれると透明な花びらになるらしい。それをいつか見たいと思っているのだが…。
タイトルで「サンカヨウ ゲット!」と書いたが、別に採集したわけではない。カメラに収めたという意味である。それではサンカヨウのオンパレードです。
◇シラネアオイ
昨年はサンカヨウを見る前にシラネアオイを数輪目にすることができた。ところが今回は記憶にあった辺りでは一輪も見つけることができなかった。がっかりしていたのだが、サンカヨウを目撃した後になって1輪だけであるが目にすることができた。しかし、それ以外はまったく見ることができなかった。森の最奥部から、森の中心に戻って歩いたところ、散策路の横に8輪ほどのシラネアオイが咲いているのを目撃することができた。やや紫色が薄いかな?とも思われたが、複数輪のシラネアオイを目撃することができ、満足である。
※ 最初の2枚は市民の森の最奥部で見た僅か1輪だけのシラネアオイです。
※ 以下の2枚は、市民の森の中心部に来て8輪ほど見かけたシラネアオイです。
◇サンリンソウ
ニリンソウの花の時期がずいぶん長いなぁと思いながら歩いていた時、ふっと目をやると一本の茎から花が二輪ではなく、三輪出ているのに気付いた。よく見てみるとずいぶんその数が多い。中には四輪、五輪も花を付けているものもあった。「これはおかしい?」と思い、スマホで調べてみるとなんと「サンリンソウ」という種が存在することが判明した。花の形状や葉の形はほとんど変わらないのだが、サンリンソウの場合は茎葉のところに短い葉柄が付いているそうだ。よく見てみると確かに葉柄が付いていた。
※ 一つの茎に三輪の花が付いているサンリンソウです。
※ こちらは4輪です。
※ こちらはなんと5輪です。
※ よ~く見てください。葉の上に小さな葉柄が付いています。これがサンリンソウです。
※ ニリンソウにはそれが付いておりません。
※ ニリンソウか、サンリンソうか判然としませんが見事な白い回廊です。
そうと分かって見てみると、サンリンソウが咲いているところはほとんど全てがサンリンソウのようだった。そこで先の疑問であるが、あるいはニリンソウとサンリンソウでは花の時期が若干違うのではないか?と思ったのだが、果たして真実はどうなのだろうか?
◇クルマバソウ
クルマバソウもそろそろ花の時期となるようで、ところどころで小さな花を付けているのに出会った。しかし、花があまりにも小さく群生することによってようやくその存在が分かるくらいなのかもしれない。
※ まだ花は蕾といった状態です。
※ きれいに開花したクルマバソウの白い花を見つけることができました。
以上、主だった山野草を見てきたが、この春「盤渓市民の森」には5度も通った。春の森の移り変わりを自分の目で確認することができ、それなりの満足感を味わっている。次は少し時間をおいて初夏の「盤渓市民の森」を見てみようか?