野幌森林公園の観察会が中止になったことを受けて、独り観察会に出かけた。そして今季初のシラネアオイ、オオバナノエンレイソウ、エゾノユズリハなどの花を確かめることができ、成果は上々だった。ただ、シラネアオイの花はわずか一輪のみを確認しただけだった。これは謎があるかも??
※ シラカバの林の新緑が眩しいくらいに見えました。
いよいよ北海道にも緊急事態宣言が発出されることになってしまった。いよいよ気持ちは萎縮してしまう。それではならじと、気持ちを奮い立たせて「野幌森林公園」へと向かった。「野幌森林公園」は、「西野市民の森」や「盤渓市民の森」と違いそれなりに散策する人に出会う公園である。そこでコロナ対策として私は次のように対処した。マスクを一応付けて、誰とも出会わないときは顎のところに下ろして呼吸を楽にする。そうして散策する人が前方から来た場合にはマスクをきちんと装着して交差する、というように対処した。すると同じように考える人がいて、お互いに直前でマスクをきちんと装着して交差することが2~3度あった。
※ 本日歩いたところを黒い矢印で表しました。
さて、今日出会った山野草の中で、印象的なことにスポットライトを当てるようにしてレポしたい。
シラネアオイの怪
今日の私は、いつもの大沢口ではなく、大沢口とは真逆の公園の南端にあたる「トド山口」から公園に入った。公園の入口から登満別線に入った直後、あのシラネアオイの薄紫の花に出会ったのだ。私は小躍りしながらカメラに収めた。「今日はこの花に何度か出会えるんだ」と…。ところが、それから行けども、行けどもシラネアオイに出会わないのだ。あるいは散策路ではなく、森の奥深いところに咲いているのかもしれないのだが…。しかし、私は今日公園内を13キロも歩いたのに、シラネアオイに出会ったのは後にも先にもこの一度だけだった。これは不思議というより怪ではないのか!?
ここで思い出したことがあった。数年前の観察会でのことである。そのときは大沢口から森に入ったのだが、その際にも一輪のシラネアオイの花と出会った。その観察会の説明役だった北海道ボランティア・レンジャーの方のお話が忘れられない。レンジャーの方はこう言った。「シラネアオイは野幌森林公園内には自生しておりません。残念なことですが、このシラネアオイは誰かがどこかから持ってきて移植したものでしょう」と…。
レンジャーの方の言は信ずるに足るものだと思われる。だとしたら、今日私が目撃したシラネアオイも誰かが移植したものなのだろうか?真実はいかに!?
※ わずか一輪だけ咲いていたシラネアオイです。果たして真実は?
ヒトリシズカに咲いていないんだけど…
ヒトリシズカとは、そのネーミングといい、花の様子といい、楚々としてどこか悲しげな印象を与える花である。ところが!である。花の咲いている様子を見ると、ヒトリシズカに咲いている花はどこにも見当たらない。ヒトリシズカにどころか、たくさんの花が固まってニギニギしく咲いているのである。これはどうしたことか!?イメージが壊れてしまうではないか。もっとも、命名の由来は花の様子から、源義経に愛され哀しい運命に生きた静御前にちなんで名付けられたそうなので、花がどのように咲いていようとそのことは問題ではないのかもしれない…。
※ ヒトリシズカはこのように賑々しく咲いている場合が多いですね。
※ 少し成長し過ぎても伸び切ってしまったヒトリシズカの花です。
えっ?サンリンソウでもニリンソウ?
今日の森林公園内でもニリンソウは最も賑やかだった。ところによってはニリンソウの白い花が散策路の両脇を固め、まるで回廊のような形で50mくらい続いていたところもあった。そのニリンソウであるが、一本の茎から二輪の花が咲くところからニリンソウと命名されたと聞いている。ところが今日、子細に見てみると三輪の花を付けているものもあった。まあ、突然変異種なのだろうと思われるのですが…。
※ ニリンソウは「野幌森林公園」内でも目立つほどに咲き誇っていました。
※ このような回廊がおよそ50mも続きました。
※ 普通は一本の茎から二輪の花なのですが…。
※ なぁ~んと、この茎からは三輪の花が咲いています。
とつまらぬことを並べ立てましたが、この時期の園内はニリンソウ、ヒトリシズカ、タチツボスミレの三種が華やかさを競っていたようです。最もその勢いにもやや陰りが見えるかな?という感じで、この後一週間もすると、クルマバソウやマイヅルソウの小さな白い花が目立ってくるものと思われます。
※ タチツボスミレ(ヤマスミレ)も公園内では目立つ花でした。
※ これから白い小さな花を付けるであろうマイヅルソウです。とても繁茂しています。
※ こちらのクルマバソウもこれからの花です。
今日のトレッキングでの成果は、シラネアオイを除いて、オオバナノエンレイソウ、エゾノユズリハ、シャクの花を見られたこと。またマムシグサを確認できたことなどが成果だと振り返っています。
※ オオバナノエンレイソウは白い清楚な色が森の中で映えています。
※ 私にとっては今季初めて対面したオオバナノエンレイソウでした。
※ 艶のある葉が特徴的なエゾノユズリハです。
※ 珍しくエゾノユズリハの花を見ることができました。
※ 小さく目立たない花ですが、シャクという花のようです。
※ 茎に特徴があるマムシグサです。