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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 №368 ぶどうのなみだ

2023-12-12 16:26:44 | 映画観賞・感想
 今や国内で最も知られた俳優と称してもけっして過言ではない大泉洋が2011年から2018年にかけて主演した「北海道映画三部作」の二作目の映画である。映画の評価がファンの間で別れた映画である。
        
 私が所属する「めだかの学校」では、今年度後半の学習の一つとして映画を観賞して感想を述べあう講座を設けている。その題材として大泉洋主演の「北海道映画三部作」を取り上げることにした。2011年制作の「しあわせのパン」は11月6日に観賞したのだが、この映画を私は封切で見て、その感想も拙ブログにアップ済みだったので、ブログで取り扱うことはパスした。
 そして昨日第2作目として2014年制作の「ぶどうのなみだ」を観賞した。
 映画は前作の「しあわせのパン」と同様、三島有紀子脚本・監督と主演の大泉洋がタッグを組んだ映画である。
 映画は兄のアオ(大泉洋)と弟のロク(染谷将太)は父の遺した小麦畑と葡萄の樹で農業を営んでいた。ロクは小麦を、アオはワインを作っていたが、そこに突然キャンピングカーに乗った旅人の女性エリカが現れる…。
 
※ キャンピングカーに乗って突然アオやロクの前に現れたエリカ。

 映画を観終わった後、「めだかの学校」の仲間たちと感想を述べあった。評価は見事に分かれた。評価した人たちは、ストーリーは別にして画面がメルヘン的でファンタジーの世界を描いていたと評価した。一方、評価しないとした人たちは、ストーリーが理解できないとする人たちが多かった。
 私は後者の方々と思いが同じだった。残念ながら脚本がまったく理解できなかった。特に突然アオとロクの前に現れたエリカが、なぜ二人の前に現れたのかまったく理解ができなかった。それが事実を描いたものであれば、あるいは第三者にはまったく理解できない事実ということも考えられるが、創作であるならエリカが現れる必然性について観ている者を納得させる説明が必要ではないのか、と思うのだ。
 評価される人たちがメルヘン的と評したのも、画面に現れる電話、パトカー、風車など、あるいは食事場面で提供される食事の数々などがディテールにこだわった現実離れしたような画面がそう思わせたのではないのかと思わせてくれた。
  
※ あまり意味を感じない風車はメルヘン的雰囲気を漂わせます。

 主演の大泉洋の良さも表現されていたかと問われると首をかしげざるを得ない。と私的には不満の多い映画に映った。 
 私たちの観賞会では、映画を観る前にナビゲーター役が映画に関わる蘊蓄を披露してもらうことにしている。今回のナビゲーターのO氏は、ぶどうの栽培に適した土、気候などについて説明してくれたり、北海道で生産されるワインの特徴などについてレクチャーしてくれ、参加者はワインについての知識を深める機会ともなったと思われる。
 私は基本的に自分が見たり、体験したことについては肯定的にとらえたいと思っている。だから今回のような感想を述べるのは気が重くなる。次回の「そらにレストラン」に期待したい。

※ なお、私たちの映画観賞会は関係機関に問い合わせ、著作権問題をクリアしています。