昨年、一昨年に続き、今年もまた「NHKクリスマスクラシックコンサート」を聴くことができた!いつもと同じようにリラックスした雰囲気の中で、上質な音楽を堪能することができた一夜だった!
12月6日(水)夜、札幌コンサートホールKitaraにおいて「NHKクリスマスクラシックコンサート」が開催され、入場券を入手することができ心豊かなひと時を過ごすことができた。
私はこのコンサートとはご縁があって、調べてみると2013年から11年間のうちに実に7回も鑑賞していたことが分かった。もっとも2018年までは「NHKカジュアルクラシックコンサート」と称していたのだが…。
このコンサートは主としてNHK交響楽団の奏者のかたが主となり、それにゲストを加えた6人の編成が恒例となっている。その6人の中てピアノの高橋さん、ヴァイオリンの松田さん、チェロの山内さんの3人は7回の全てに出演されていた。これはある意味凄いことではないだろうか?
出演された6人のうち4人はNHK交響楽団の一員で、それぞれパートの中で重責を担っている方だった。そのお名前とパートを紹介すると…。松田浩之さんは第一ヴァイオリンの次席奏者、大宮臨太郎さんは第二ヴァイオリンの首席奏者、坂口弦太郎さんはヴィオラの次席奏者(代行)、山内俊輔さんはチェロの次席奏者といった具合である。その他にピアノの高橋希さん、オーボエの二山都さんが加わった6人のアンサンブルだった。
例によって演奏された曲目を紹介すると…、
◆ドボルザーク/交響曲第9番「新世界」から第2楽章
◆メンケン/ア・ホール・ニューワールド(映画「アラジン」より)
◆メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲 第1番ニ短調 作品49より
◆加古隆/パリは燃えているか(NHKスペシャル「映像の世紀」テーマ曲)
◆ジェンキンス/ビヨンド・ザ・センチュリー(NHKスペシャル「世紀を越えて」テーマ曲)
◆ロペス/レット・イット・ゴー(映画「アナと雪の女王」より)
(休憩をはさんで)
◆松田浩之(編曲)/クリスマス・キタラスペシャル・メドレー
◆ビアソラ/リベルタンゴ
◆シューベルト/ピアノソナタ第13番イ長調
◆フランセ/イングリッシュホルン四重奏より
◆ドボルザーク/ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 作品81
〈アンコール〉
◆アンダーソン/そりすべり
◆京建輔/マツケンサンバ
※ 最後の演奏後は撮影を許されました。
さすがにN 響のメンバーが主体のアンサンブルである。どの曲も非常に安定した演奏が印象的だった。そうした中で、私が特に感動したのは1曲目の「新世界」である。第2楽章は、あの「遠き山に陽は落ちて~♪」の歌い出しで始まる、キャンプファイヤーで歌う定番の曲である。そのメロディをオーボエの二山さんがイングリッシュホルンに持ち替えて演奏したのだが、実に柔らかな音は「さすがにプロだなぁ~」とほれぼれする音を奏でてくれた。また後半のビアソラの「リベルタンゴ」も純粋のクラシック曲ではないが、演奏する皆さんがとても曲に乗っていることを感じさせてくれるような演奏だった。
そしてこのコンサートの特色の一つとして全員が代わる代わるMCを務めるのだが、そのコメントがユーモアたっぷりで、それを聞くのも楽しみの一つとなっている。それぞれの個性が垣間見えて和やかな雰囲気がホール内に漂ったのだった。
アンコールの最後の曲も驚かせてくれた。なんてったって、歌謡曲調の「マツケンサンバ」をクラシックの専門家が演奏するのだ。しかも、男性陣は松平健調の鬘を被り、キンキラキンの着物を着ての演奏である。クラシック界も変にお高く留まらず、庶民的になったものである。
※ 演奏後、ホワイエでは演奏陣が見送ってくれました。
かくして私たちは今年も楽しく、素晴らしい音を聴くことができた一夜だった。