たまあには肩の凝らないバカバカしい映画もいいだろうと思って観た映画だったのだが、初回作のように素直には笑えなかった。それは何なのか?と考えながらスクリーンを見つめていると、あれこれと頭を過ったのだが…。
一昨日(11月29日)午後、札幌シネマフロンティアで「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」を観た。シネマフロンティアでは最もキャパの大きいスクリーン5(定員541席)で上映されたのだが、平日とはいえ50人程度の観客で思惑通りの客入りではなかったようだ。
さてストーリーの方だが、第1作(こちらも私は観たのだが)では埼玉を徹底的にディスる(侮辱して)ことで観客に大受けし、ディスられた埼玉県民もそれに目くじらを立てることなく、おおように受け入れたことから映画は好感をもって受け止められたことを記憶していた。
私は当然今回も埼玉を別の角度からディスる映画なのかと思ったのだが、主たる対象が関西に移ってしまっていた。もちろん題名に「翔んで埼玉~」とあるから、埼玉がまったく関係がないとはいえないのだが…。
※前作の主役だった二人は、今作においてはやや脇へ追いやられたという感じだった。
前作で主役だった埼玉解放戦線を率いる麻実麗(GACKT)と壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は健在(?)だが、壇ノ浦百美は脇へ追いやられ、麻実麗だけが関西へ遠征するといったストーリーである。そこで出会ったのが滋賀解放戦線の桔梗魁(杏)だった。当時の関西は大阪府知事の嘉祥寺晃(片岡愛之助)、その妻の神戸市長(藤原紀香)、京都市長(川崎麻世)らの支配下にあり、滋賀県、和歌山県、奈良県、和歌山県などは非人道的扱いを受けていたため、両陣営による戦いとなるといった構図だった。埼玉はどこへ行ったぁ~、という思いだった。
※ 今作の主役はむしろこの二人だろう。左が杏、右が片岡愛之助です。
話は拡散気味で、観ていてもどうもいま一つノリきれないのだ。埼玉ネタが前作でネタ切れということなのだろうが、題名で「翔んで埼玉」を謳っている以上、あくまで埼玉を題材として描いたほしかったと思うのだが…。
出演陣では歌舞伎俳優である片岡愛之助があそこまで徹底してシッチャカメッチャカをやるのかという驚きと、杏については最後まで私は杏とは気づかず、宝塚俳優を卒業した誰かなのかな?と思いながらスクリーンを眺めていたが、帰宅して解説を見て「ずいぶんイメージが違ったなあ…」と思わせてくれた。
いずれにしても、今回は私にとっては少々物足りない思いをしながら映画館を後にした。次回作があるとしたら、是非とも埼玉へ回帰していただきたと思った。