田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

平昌冬季五輪の感動を再び!

2018-04-04 19:48:42 | 講演・講義・フォーラム等
 平昌オリンピック、パラリンピックは私たち日本人に大きな感動を与えてくれた。スポーツが発信する明るさ、爽快さ、そして醍醐味を私たちは十分に堪能することができた。そんな平昌五輪を私たちに伝えてくれた北海道新聞のカメラマンが語った。 

 4月3日(火)午前、道新DO-BOXにおいて「道新カメラマンが語る レンズで追った17日間~平昌取材裏話~」というトークショーに参加して、記者たちの話に耳を傾けた。
 北海道新聞社としては冬季五輪に初めて二人のカメラマンを派遣したという。その二人とは、藤井泰生カメラマン(40歳)と北波智史カメラマン(35歳)の二人である。
 彼ら二人に対して、先輩カメラマンである野勢英樹カメラマンが話を引き出す形でトークショーは進められた。派遣された二人の話からいろいろと興味深いお話を聞くことができた。

             

             
             ※ 会場の道新DO-BOXの壁一面に二人のカメラマンが撮った写真が展示されていました。

 二人の話を伺っていて、最も感じたことは「写真は選手たちの心情を雄弁に物語る」ものだということに改めて気付かされた。
 それを感じたのは、今大会で大活躍のスビートスケートの高木美帆選手が、前回大会のソチ五輪に落選した瞬間のいかにも悔しそうな表情を写し取った写真。
 そして、平昌五輪の女子3,000mで滑走した後、悔しそうな表情を見せる高木選手に近寄ってきたドイツのスケート界のレジェンドであるペヒシュタイン選手が高木選手に語りかけると、彼女がペヒシュタインにガッツポーズを見せている写真だった。
 ペヒシュタインは現在45歳で7回の冬季五輪出場を誇り、通算5個の金メダルも獲得しているレジェンドで、若いスケート選手たちから「お母さん」と慕われている選手だそうだ。
 カメラマンの藤井氏は語る。ペヒシュタインは思うようにタイムが伸びなかった高木選手に近寄り「あなたの専門は1500mなのだから、そこで頑張りなさい」と囁いたに違いないという。それを受けて、高木選手は確かにペヒシュタインに向かってガッツポーズをしている写真も写し出されたのだ。

             

             
             ※ 藤井カメラマンがベストショットとして挙げた女子パシュートの場面です。カメラポジションが満足だったようです。

 また、予想以上のブームを巻き起こした女子カーリングであるが、銅メダルを授与された瞬間に、本橋選手が見せた悔しさの表情の中に「けっして満足していない」という心情を写し取れたと北波カメラマンも話されていた。

 報道写真の世界も日進月歩のようだ。北波カメラマンは、2台のカメラを上下に繋げて、カメラの設定を変えることで、一度に二つの瞬間を写し取る工夫をしたという。さらには、別の場所にカメラをセットし、違う角度からの表情を写し取る工夫もしていたという。

             
             ※ ちょっと見づらいですが、北波カメラマンは2台のカメラを上下に繋げたものを持っています。 

             
             ※ その北波カメラマンがベストショットに挙げたのが、山田コーチからお姫様抱っこをされる高梨選手を写した一枚です。

 驚きの情報は、17日間で二人はそれぞれが約150,000カットのシャッターを押したという。そしてその中から厳選して約3,400枚のカットを本社に伝送し、その中から私たちが新聞で目にすることができたのは何十カット位なのだろうか?
 二人のカメラマンは言う。「私たちはオリンピックを取材(観戦)していても、それはレンズを通しての観戦なのです」と…。確かに17日間で150,000カットもシャッターを押し続けていたら、満足に観戦することなど叶わないだろうなぁ、という思いだった。
 私たち読者に感動の一枚を届けるために、彼らカメラマンはプロフェッショナルに徹してシャッターを押し続けていることを改めて教えられたトークショーだった。

             
             ※ スノボーの平野選手の演技の軌跡を一枚の中に収めた北波カメラマンの力作です。