人気ミステリー作家の逢坂剛さんの最新単行本「百舌落とし」を読み終えました。
逢坂剛さんの人気ミステリーシリーズの「暗殺者百舌」シリーズの最後の作品です。狙った相手の後頭部を千枚通しで一突きで殺す暗殺者“百舌”(もず)の話です。
この単行本「百舌落とし」は、2019年8月30日に集英社が発行しました。価格は2000円+消費税です。正味のページ数は474ページという長さです。
実は、この「百舌落とし」の一つ前に出た単行本「墓標なき街」(2015年発行、集英社)の未解決殺人事件の政治家の隠れ家がまた事実上の現場です。
正確には、「暗殺者百舌」シリーズの第5弾の「のすりの巣」から話は続いています。そして、2015年発行の単行本「墓標なき街」が中途半端な終り方をしたために、熱烈な逢坂剛さんファンからは、約4年かけて書いた最終作品「百舌落とし」の評判は今いちとの声が多いようです。
この「百舌落とし」の事実上の舞台は、民政党幹事長の三重島茂(みえしましげる)の別邸です。東京都府中市白糸台にある複雑な構造・建屋です。
ここは、前作の単行本「墓標なき街」の事件の舞台となった邸宅です。前作の「墓標なき街」でも、ここで数人が殺されました。
今回も探偵役は、私立探偵の大杉良太(以前は警視庁警部補)と国家公共安全会傘下の公共安産局参事官(前職は警察庁特別監察官)の倉木美希です。二人は、ある商社の不正武器輸出事件が起こっているとの探偵捜査などから、以前の公安警察がひた隠しにした百舌という暗殺者の事件を表に出そうという動きに巻き込まれていきます。
おそらく、この「暗殺者百舌」シリーズをあまり読んでいないで、いきなり単行本「百舌落とし」を読むと、事件の背景や人間関係などが分からない部分があると思います。
今回は、冒頭から殺人事件が起こります。,元民政党の茂田井茂(もたいしげる)は、下半身に怪我したことから事実上の政界引退に追い込まれ、悠々自適の生活をしています。
茂田井の趣味は、バードウオッチングです。自宅近くの多摩川沿いにある公園で、超望遠レンズで野鳥を見ていると、奇妙な野鳥を見つけます。眼をテグスで閉じられたモズです。
このモズは脚にテグスで縛ってあり、枝にくくりつけられています。不思議なモズを観察した茂田井は自宅に帰り、夜は休みます。
すると夜になって、民政党幹事長の三重島茂からの使いという者が訪ねて来て、茂田井の若い妻が対応します。この使いは「オフィスまほろ 代表 弓削まほろ」という名刺を出します。
そして、帰り際に、茂田井の若い妻にスプレーでガスを噴射し、この妻は気絶します。
この妻が意識を取り戻すと、夫の茂田井は首筋に千枚通しを突き立てられ、絶滅していました。しかも、まぶたはテグスで縫われていました。
首筋を千枚通しで殺す手口は、“百舌”の得意業です。
今回、茂田井邸を訪ねた弓削まほろは、前作の「墓標なき街」で殺人犯ではないかと追及された女性です。同時に、その時に一緒にいた看護婦・お手伝いの山口タキも殺人犯ではないかと追及された女性です。
前作の単行本「墓標なき街」での殺人事件の舞台が、民政党幹事長の三重島茂(みえしましげる)の別邸だったために、警視庁は政界に気を使い、この事件はあいまいなままで追究が終わったようです。
この茂田井茂の暗殺事件を知って、本単行本の主人公である私立探偵の大杉良太と公共安産局参事官の倉木美希が集まります。この単行本の話が動き出します。
警視庁などが闇にほおむった暗殺者“百舌”の事件を追っている東都ヘラルド新聞編集委員の残間龍之輔(ざんまりゅうのすけ)は、百舌がまた殺人事件を起こしたと、大杉亮太と倉木美希に伝えます。
この単行本「百舌落とし」の最初の部分は、前作単行本「墓標なき街」のあらすじや登場人物・関係者の説明がしてあり、さらにその前の単行本「のすりの巣」(のすりは漢字ですが、当用漢字ではないので漢字表記できません)の主人公だった州走かりほという悪徳刑事が背景に関係していることも、なんとなく伝えています。このように、前作のストーリーの説明が欠かせない点が大きな課題です。
この「暗殺者百舌」シリーズは、前作の中身をいくらか知らないと、読めないので、物語の途中にいくらか補足説明があります。31年間にわたって、前作を6冊書き、7作目で終わるので、いろいろな背景説明が織り込まれています。
なお、逢坂剛さんの前作の単行本「墓標なき街」を読み終えた話は、弊ブログの2016年2月15日編をご覧ください。
逢坂剛さんの人気ミステリーシリーズの「暗殺者百舌」シリーズの最後の作品です。狙った相手の後頭部を千枚通しで一突きで殺す暗殺者“百舌”(もず)の話です。
この単行本「百舌落とし」は、2019年8月30日に集英社が発行しました。価格は2000円+消費税です。正味のページ数は474ページという長さです。
実は、この「百舌落とし」の一つ前に出た単行本「墓標なき街」(2015年発行、集英社)の未解決殺人事件の政治家の隠れ家がまた事実上の現場です。
正確には、「暗殺者百舌」シリーズの第5弾の「のすりの巣」から話は続いています。そして、2015年発行の単行本「墓標なき街」が中途半端な終り方をしたために、熱烈な逢坂剛さんファンからは、約4年かけて書いた最終作品「百舌落とし」の評判は今いちとの声が多いようです。
この「百舌落とし」の事実上の舞台は、民政党幹事長の三重島茂(みえしましげる)の別邸です。東京都府中市白糸台にある複雑な構造・建屋です。
ここは、前作の単行本「墓標なき街」の事件の舞台となった邸宅です。前作の「墓標なき街」でも、ここで数人が殺されました。
今回も探偵役は、私立探偵の大杉良太(以前は警視庁警部補)と国家公共安全会傘下の公共安産局参事官(前職は警察庁特別監察官)の倉木美希です。二人は、ある商社の不正武器輸出事件が起こっているとの探偵捜査などから、以前の公安警察がひた隠しにした百舌という暗殺者の事件を表に出そうという動きに巻き込まれていきます。
おそらく、この「暗殺者百舌」シリーズをあまり読んでいないで、いきなり単行本「百舌落とし」を読むと、事件の背景や人間関係などが分からない部分があると思います。
今回は、冒頭から殺人事件が起こります。,元民政党の茂田井茂(もたいしげる)は、下半身に怪我したことから事実上の政界引退に追い込まれ、悠々自適の生活をしています。
茂田井の趣味は、バードウオッチングです。自宅近くの多摩川沿いにある公園で、超望遠レンズで野鳥を見ていると、奇妙な野鳥を見つけます。眼をテグスで閉じられたモズです。
このモズは脚にテグスで縛ってあり、枝にくくりつけられています。不思議なモズを観察した茂田井は自宅に帰り、夜は休みます。
すると夜になって、民政党幹事長の三重島茂からの使いという者が訪ねて来て、茂田井の若い妻が対応します。この使いは「オフィスまほろ 代表 弓削まほろ」という名刺を出します。
そして、帰り際に、茂田井の若い妻にスプレーでガスを噴射し、この妻は気絶します。
この妻が意識を取り戻すと、夫の茂田井は首筋に千枚通しを突き立てられ、絶滅していました。しかも、まぶたはテグスで縫われていました。
首筋を千枚通しで殺す手口は、“百舌”の得意業です。
今回、茂田井邸を訪ねた弓削まほろは、前作の「墓標なき街」で殺人犯ではないかと追及された女性です。同時に、その時に一緒にいた看護婦・お手伝いの山口タキも殺人犯ではないかと追及された女性です。
前作の単行本「墓標なき街」での殺人事件の舞台が、民政党幹事長の三重島茂(みえしましげる)の別邸だったために、警視庁は政界に気を使い、この事件はあいまいなままで追究が終わったようです。
この茂田井茂の暗殺事件を知って、本単行本の主人公である私立探偵の大杉良太と公共安産局参事官の倉木美希が集まります。この単行本の話が動き出します。
警視庁などが闇にほおむった暗殺者“百舌”の事件を追っている東都ヘラルド新聞編集委員の残間龍之輔(ざんまりゅうのすけ)は、百舌がまた殺人事件を起こしたと、大杉亮太と倉木美希に伝えます。
この単行本「百舌落とし」の最初の部分は、前作単行本「墓標なき街」のあらすじや登場人物・関係者の説明がしてあり、さらにその前の単行本「のすりの巣」(のすりは漢字ですが、当用漢字ではないので漢字表記できません)の主人公だった州走かりほという悪徳刑事が背景に関係していることも、なんとなく伝えています。このように、前作のストーリーの説明が欠かせない点が大きな課題です。
この「暗殺者百舌」シリーズは、前作の中身をいくらか知らないと、読めないので、物語の途中にいくらか補足説明があります。31年間にわたって、前作を6冊書き、7作目で終わるので、いろいろな背景説明が織り込まれています。
なお、逢坂剛さんの前作の単行本「墓標なき街」を読み終えた話は、弊ブログの2016年2月15日編をご覧ください。