◆◆今週のことば
我が社には「この会社が好きだ」という連中が非常に多いんです。
私は「誰よりも吉野家を愛している」と自負していますが、
他の社員も負けていない。
飛躍の土壌にはそうした気持ちの存在が大きかったのでしょう。
「会社が好きだ」というシェア大会をやったとしたら、
我が社は上位に行くと思っています。
それが誇りですね。
株式会社吉野家ディー・アンド・シー
代表取締役社長 安部修仁
★関連記事は、月刊「理念と経営」9月号に記載されています。
(16~23ページ 「企業事例研究1」)
◆◆企業事例研究
今回は、株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションをご紹介します。
「拡大路線よりも、目指すは深堀り」
社長兼CEOの松村吉彰氏の言葉です。多くの困難を乗り越え、
この言葉に辿り着きます。
大きな志、情熱、夢にモチベートされる人間集団をつくりあげた
松村氏のお話を伺いました。
☆ 『始末と勤勉』
松村氏は高校卒業後すぐに、叔父の家がある大阪へ向かい、
住み込みで働き始めました。
叔父は果物店を営んでおり、松村氏は叔父のもとで商店経営の
根幹を学びます。
朝から晩まで立ちっぱなしの仕事。昼休みは食事をする間だけ。
トイレも走って行き、走って戻る。休日には軽トラに乗り、
果物を運んで引き売りに出かける。
多忙な毎日を叔父の家で過ごし、そして多くのことを学びました。
叔父の人生哲学は「始末と勤勉」
勤勉によく働いて、始末すること、つまり無駄遣いしないこと
という戒めでした。
働きつづけていれば、暇がないから、無駄遣いをしなくて済む。
客の役に立って喜ばれもする。無駄なことに投資しなければ、
商いは円滑。
商売の基本を簡潔に示していました。
また、昔からの松村家の家訓に、次のものがありました。
一、利益のあるなかから次の事業をせよ
一、手持ちの資金から次の手を考えよ
一、銀行から借りない
一、他人様に絶対迷惑をかけない
一、他人様のハンコは押さない
叔父が実践してきた先祖のやりかたは、
現在の松村氏の経営におけるベースとなっています。
☆ 『なんのために花を売っているのか』
叔父の元での修行時代を終え、ショッピングセンターの一角に
店を構えてから3年が経ち、商いが順調に行き始めた頃。
社員やパートの人たちが次々に辞めていくという事態が起きました。
松村氏には思い当たる節がありません。理由がわかりません。
尋ねると、経営者としては禁句であるはずの言葉を口にしたと・・・。
「だれのおかげで仕事ができていると思うんだ」
これに従業員は反発、絶望し、多くの人が同社を去っていきました。
当時は多忙を極め、人手も思うように集まらないなど、
人を思いやる余裕など持ち合わせていませんでした。
ただ、息を切らせて走り回っている。これでいいのだろうか?
自分自身に問い続けます。
あるとき帰宅すると、食卓の花に目が留まりました。
花を商いしながら、その美しさに気づかないまま行き過ぎる
ことのある自分を恥じる思いにとらえられます。
「この自分はなんのために花を売っているのか。
人々に安らぎと幸せをもたらすためではなかったのか」
松村氏は、従業員がやめていく事態に直面し、
経営者としての自分を見つめ直しはじめたのでした。
☆ 『経営が理念を軸に展開しはじめている』
松村氏は経営者としての自分を見つめ直します。
本を読み、セミナーに積極的に参加し、注目を集めている店を訪ね、
いろいろな成功のポイントなどを聞き回りました。
身を削るような勉強のなかから、事業を続けていくには
「理念」が必要なこと、使命感をもつべきことを学びました。
松村氏は何をしたいのかを自分に問い、
その結果「花生活創造企業」を標榜することを決意。
次の5項目の企業理念を明文化しました。
1.私達は花を通じて幸せを創造します。
2.私達は仕事を通じて生きがいのある職場を創造します。
3.私達はお客様の満足を追求し、お役に立ちます。
4.私達は無限の成長、繁栄の永続を目指し、挑戦します。
5.私達は日本一花いっぱいの地域社会を目指します。
こうして理念と使命を定義付けすると、考えに共鳴、
共感する人たちが集まるようになりました。
大きな志、情熱、そして夢にモチベートされる集団へと再生。
「拡大路線よりも、いまの基盤の上での花消費の創造的なかたちを
つくっていきたい。目指すは深堀り」(松村氏)
松村氏は、「深堀り」のアイデアが次々と生まれてくるといいます。
経営が理念を軸に展開している、なによりの証明ではないでしょうか。
★関連記事は、月刊「理念と経営」9月号に掲載されています。
(40~47ページ「企業事例研究2」
我が社には「この会社が好きだ」という連中が非常に多いんです。
私は「誰よりも吉野家を愛している」と自負していますが、
他の社員も負けていない。
飛躍の土壌にはそうした気持ちの存在が大きかったのでしょう。
「会社が好きだ」というシェア大会をやったとしたら、
我が社は上位に行くと思っています。
それが誇りですね。
株式会社吉野家ディー・アンド・シー
代表取締役社長 安部修仁
★関連記事は、月刊「理念と経営」9月号に記載されています。
(16~23ページ 「企業事例研究1」)
◆◆企業事例研究
今回は、株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションをご紹介します。
「拡大路線よりも、目指すは深堀り」
社長兼CEOの松村吉彰氏の言葉です。多くの困難を乗り越え、
この言葉に辿り着きます。
大きな志、情熱、夢にモチベートされる人間集団をつくりあげた
松村氏のお話を伺いました。
☆ 『始末と勤勉』
松村氏は高校卒業後すぐに、叔父の家がある大阪へ向かい、
住み込みで働き始めました。
叔父は果物店を営んでおり、松村氏は叔父のもとで商店経営の
根幹を学びます。
朝から晩まで立ちっぱなしの仕事。昼休みは食事をする間だけ。
トイレも走って行き、走って戻る。休日には軽トラに乗り、
果物を運んで引き売りに出かける。
多忙な毎日を叔父の家で過ごし、そして多くのことを学びました。
叔父の人生哲学は「始末と勤勉」
勤勉によく働いて、始末すること、つまり無駄遣いしないこと
という戒めでした。
働きつづけていれば、暇がないから、無駄遣いをしなくて済む。
客の役に立って喜ばれもする。無駄なことに投資しなければ、
商いは円滑。
商売の基本を簡潔に示していました。
また、昔からの松村家の家訓に、次のものがありました。
一、利益のあるなかから次の事業をせよ
一、手持ちの資金から次の手を考えよ
一、銀行から借りない
一、他人様に絶対迷惑をかけない
一、他人様のハンコは押さない
叔父が実践してきた先祖のやりかたは、
現在の松村氏の経営におけるベースとなっています。
☆ 『なんのために花を売っているのか』
叔父の元での修行時代を終え、ショッピングセンターの一角に
店を構えてから3年が経ち、商いが順調に行き始めた頃。
社員やパートの人たちが次々に辞めていくという事態が起きました。
松村氏には思い当たる節がありません。理由がわかりません。
尋ねると、経営者としては禁句であるはずの言葉を口にしたと・・・。
「だれのおかげで仕事ができていると思うんだ」
これに従業員は反発、絶望し、多くの人が同社を去っていきました。
当時は多忙を極め、人手も思うように集まらないなど、
人を思いやる余裕など持ち合わせていませんでした。
ただ、息を切らせて走り回っている。これでいいのだろうか?
自分自身に問い続けます。
あるとき帰宅すると、食卓の花に目が留まりました。
花を商いしながら、その美しさに気づかないまま行き過ぎる
ことのある自分を恥じる思いにとらえられます。
「この自分はなんのために花を売っているのか。
人々に安らぎと幸せをもたらすためではなかったのか」
松村氏は、従業員がやめていく事態に直面し、
経営者としての自分を見つめ直しはじめたのでした。
☆ 『経営が理念を軸に展開しはじめている』
松村氏は経営者としての自分を見つめ直します。
本を読み、セミナーに積極的に参加し、注目を集めている店を訪ね、
いろいろな成功のポイントなどを聞き回りました。
身を削るような勉強のなかから、事業を続けていくには
「理念」が必要なこと、使命感をもつべきことを学びました。
松村氏は何をしたいのかを自分に問い、
その結果「花生活創造企業」を標榜することを決意。
次の5項目の企業理念を明文化しました。
1.私達は花を通じて幸せを創造します。
2.私達は仕事を通じて生きがいのある職場を創造します。
3.私達はお客様の満足を追求し、お役に立ちます。
4.私達は無限の成長、繁栄の永続を目指し、挑戦します。
5.私達は日本一花いっぱいの地域社会を目指します。
こうして理念と使命を定義付けすると、考えに共鳴、
共感する人たちが集まるようになりました。
大きな志、情熱、そして夢にモチベートされる集団へと再生。
「拡大路線よりも、いまの基盤の上での花消費の創造的なかたちを
つくっていきたい。目指すは深堀り」(松村氏)
松村氏は、「深堀り」のアイデアが次々と生まれてくるといいます。
経営が理念を軸に展開している、なによりの証明ではないでしょうか。
★関連記事は、月刊「理念と経営」9月号に掲載されています。
(40~47ページ「企業事例研究2」