今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

また雪が降り始める。

2011-12-16 14:03:10 | 自然・植物

北の海の向こうから

黒い雲が足早にやってくる。

先を急ぐ旅人のように…。

エメラルド色に輝いていた海が

灰色に染まる。

黒い旅人たちは

追いつき、追い越されしながら

一つの塊になって

大地までも灰色に染め変える。

また雪が降り始める。

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アメジストセージ〈シソ科〉

copyright Maoko Nakamura


あるがためにあれ

2011-12-15 10:33:05 | 自然・植物

散った葉を

逝った虫たちを

あらゆるものを

受けれ入れる冬の大地よ。

あるがためにあれ。

雨の悲しみを

風の苦しみを

あらゆるものを

受け入れる冬の大地よ。

あるがためにあれ。

冬の大地のごとく

あるがためにあれ。

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源平小菊〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


ある日の母

2011-12-14 17:43:15 | 

昼過ぎに実家に行くと

母はこたつの中で眠りこけていた。

いつも8時過ぎには寝るのに

昨晩は1時まで起きていたという。

母の妹と温泉旅館に泊まったのだ。

80年にわたる思い出を

二人で語り合っていたのだという。

夜更かしをした子どものように

母はこたつの中で眠りこけていた。

話し忘れたことを

夢の中でしているのだろう。

一晩ではとうてい語り尽くせない

思い出だから…。

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万両〈ヤブコウジ科〉

copyright Maoko Nakamura


名残りのススキ

2011-12-13 09:43:20 | 自然・植物

名残りのススキを

風が揺らす。

しなやかだった穂は抜け落ち

緑色だった葉は色を失い

わずかな風にゆらゆら揺れる。

名残りのススキが

風に揺れる。

太陽や大地に

もらったものを少しずつ返し

「ありがとう」とおじぎするように。

名残りのススキに

心が揺れる。

その見事な枯れゆく姿に…。

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夕景

copyright Maoko Nakamura


おいしい風邪の予防薬

2011-12-12 20:14:00 | 食べ物

ビタミンCは2~3時間で

排泄されるゆえ

食後やおやつに蜜柑を袋ごと食べる。

予防接種や薬より

よく効くと思っている

おいしい風邪の予防薬。

甘酸っぱい果肉が

体の中で眩い光を放ち

ウイルスたちをノックアウト。

農薬や肥料を使わず

自然の力で育った蜜柑なら

より効果的に違いない。

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蜜柑〈ミカン科〉

copyright Maoko Nakamura


光の小径

2011-12-11 15:13:30 | 自然・植物

雲の切れ間から放たれた

金色の光が

色づいた木々を

黄金色に輝かせる。

光の小径がどこまでも続く。

冬の夕暮れの

思いがけない贈り物。

「光あるうちに、光の中を進め」。

光は輝く

心の小径を照らすために…。

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皇帝ダリア〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


雪化粧の朝

2011-12-10 09:03:06 | 自然・植物

カーテンを開けると

空き地の黒い車の

畳のように平たい屋根に

薄ら白い雪のカーペット。

遠くに目をやれば

山々はこの冬初めての雪化粧。

念入りに行っているのか

大山だけはまだ雲の中。

わずかな雲の隙間から

顔を出した太陽が

濡れたアスファルトの道に

竹ぼうきのような絵を描く。

けれど雲の消しゴムが

すぐにそれを消していく。

昨日、50cmも厚塗りをした大山は

今なお、雪の化粧に余念がない。

やがて我が家も雪化粧。

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ガーデンシクラメン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


冬の誘い

2011-12-09 10:33:25 | 自然・植物

霙まじりの雨が

激しく窓をたたく。

冬が誘いにやって来た。

うつむき加減に

ストーブの前で手をこする。

北からの風が

力任せに窓を押す。

冬が誘いにやって来た。

ますますもって

ストーブに近寄れば

それならばと冬は

窓の外に居座った。

しばらくはてこでも動かない覚悟だ。

そして隙をみては

窓を揺らして誘うのだ。

独り部屋に居るものを気にかけて…。

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山茶花〈ツバキ科〉

copyright Maoko Nakamura


クリスマスコンサート

2011-12-08 10:03:44 | 遊び・歳時

雨の昼下がり。

カフェに流れてきたクリスマスの曲。

「赤鼻のトナカイ」

「ジングルベル」

「きよしこの夜」…。

リコーダーやアコーディオン、

トライアングル、鈴などの音色が

穏やかに空気を震わせ

聴く者の心に心地よく響き渡る。

奏でているのは

6人のお母さんたち。

いつも鍋や包丁を持っている手に

それぞれの楽器を持って

手作りされた

おいしくて、いい匂いのする

クリスマスコンサート。

「ARA」さんのコンサートより

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ガーデンシクラメン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


確かな想い

2011-12-07 11:14:10 | 気持ち

話しながら

こみ上げてきたものは

重ねてきた想い。

自分でも気づかなった

さまざまな想い。

走馬灯のように

体の中を巡りながら

一つの確かな想いとなって

ほとばしる。

言葉という響きとなって

時に涙という滴となって・・・。

話しながら

こみ上げてきたものは

話すことで

一つになった確かな想い。

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バジル〈シソ科〉

copyright Maoko Nakamura


蠢く想い

2011-12-06 12:15:30 | 気持ち

電車に乗って西へ向かう。

海に沿って走ること300km。

何度、ここを往復したことだろう。

夏は真っ青な、冬は荒れ狂う

海を見ながら・・・。

春は水仙や桜を、

秋は色づいた山々を見ながら・・・。

電車に乗って西へ向かう。

海に沿って走ること300km。

何度目かに気がついた。

ここが曾祖父や祖父母が

生まれた地であったことに・・・。

さらに走って気がついた。

彼らがご縁を

結んでくれたのだろうと・・・。

電車に乗って西へ向かう。

海に沿って走ること300km。

車窓に映るのは

海の底に、土の下に蠢く想い。

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バラ/スキャボロフェアー〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura


ストレッチ

2011-12-05 22:43:45 | 気持ち

ストレッチをする。

なかなか曲がらない体に

心も固くなっていることを知る。

なかなか伸びない体に

心も縮こまっていることを知る。

少しずつ曲げて

少しずつ伸ばして

固く縮こまった体と心を柔らかくしていく。

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ポインセチア〈トウダイグサ科〉

copyright Maoko Nakamura


言葉の力

2011-12-04 14:03:51 | 気持ち

汗をかきながら

ターミナルに着くと

バスはまさに発車したところ。

スピードを出せないエリアを

のろのろやってくるところに手を挙げた。

どんずまりの道ゆえ

後ろからも車は来ない。

止まってくれるものだと思っていた。

ところがバスは止まらなかった。

「あーあ」と思って見送っていたら

「冷たいね、行っちゃったね」と声がして

我に返る。

たまたま近くで見ていたおじさんだった。

ふ~と息が抜けた気がした。

息が抜けて

随分息が溜まっていたことに気がついた。

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パンジー〈スミレ科〉

copyright Maoko Nakamura


ふたり忘年会

2011-12-04 12:03:59 | 食べ物

ふらりと入った食堂で

「限定20食」というランチを頼むと

思いがけないほどの品数の料理が並ぶ。

にわかに

「ひとり忘年会」気分になってくる。

カウンターの席は

年配の女性や若い男性や

みんなひとりのお客さん。

隣の女性とご馳走を前に話が弾み

見知らぬ人と

「ふたり忘年会」気分になってくる。

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アリッサム〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


原発のお話

2011-12-03 18:54:02 | インポート

地震が多い島国の

津波の危険がある海の側に

「核兵器製造の経済的・

技術的ポテンシャルを保持する」ために

あれよ、あれよという間に建てられた

原子力発電所。

けれどプルトニウムを造りすぎ

困ったげくにプルサーマル。

灯油にガソリンを加えてストーブで燃やすごとく

ウランにプルトニウムを加えて

原子炉で燃やすことを考える。

電力会社いわく

「3分の1までのプルトニウムなら安全です」。

国際的な取り決めで持っていることも許されず

かといって捨てるところも見つからず・・・

半分に減るのに2万4,000年もかかるプルトニウム。

「安全でクリーンなエネルギー」のはずなのに

過疎地の

さらに人の少ない場所を選んで

あれよ、あれよという間に建てられた

原子力発電所。

それぞれの地域で、今、訣別の時。

*小出裕章氏講演会より

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ブラックベリーの葉〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura