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先々代慈朗師所持であった掛け軸の中に明治時代に新仏教運動を同士とともに活動された方、大内青巒
居士の一軸があります。軽妙な筆致で書かれています。
道心中有衣ゝ食ゝ中無道心 蕩々青巒書
読み方は「道心の中に衣食有り 衣食の中に道心無し」衣食を2回読むように書かれています。
この法語の出典は実は伝教大師の遺誡(いかい)の言葉なのです。弘仁13年(822)6月4日、伝教大師が比叡山中道院に
入滅の折、その枕辺には弟子光定、義真、円澄、円仁などが侍り大師の遺誡を謹聴したと伝えられています。その一部を紹介致し
ておきます。
怨みをもって怨みに報わば怨み止まず、徳をもって怨みに報ぜば怨みすなはち尽く・・・・。
我が為に仏をつくるなかれ、我が為に写経することなかれ、我が志をのべよ。道心の中に衣食あり、衣食の中に道心なし」
この伝教大師の遺誡に比叡山仏教の後世への展開を思わずにはおれません。伝教大師は日本の歴史を超えたグレーテストテイチ
ャーであられたと思っております。
画像のお花は蝋梅を真にして水仙、八重侘助椿をあしらいました。花器は四方杵形の金物。
先日のご尊父さまの満中陰の法要にはようこそのお帰りでした。やさしかったお父様ご逝去されてご心中如何ばかりかとお察しいたします。
野山にはこんなに寒くとも草木はちゃんと生きて輝いていることに驚き、敬服いたします。
床の花は習ったことはありませんが、自分流で生けております。
厳しい寒さ十分ご自愛ください。