万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

阿修羅の琴 Ⅱ

2008年11月18日 | Weblog
  本堂の音響機器を使って桜井真樹子さんの声明のCDを聞いてみました。
 桜井さんとは数年前に『梁塵秘抄』(後白河法皇撰)の白拍子乙前を介して交誼をいただくようになったのです。
 桜井さんは音大を出られて京都大原の中山玄晋師に天台声明を学び、雅楽の芝祐靖氏に師事して龍笛の奏者にもなられ、世界の各地で宗教音楽の研鑚を積まれた方です。以来声明音楽と白拍子舞を中心としたライブ、公演活動を首都圏で精力的に行っておられます。
 数年前にEメールで「日本浄土教小史」と題して5回ぐらいに分けて拙い原稿を送ったことがあります。その中で天慶の頃の「空也聖」について言葉を費やしました。
 「甦る女たちの声『巫女・尼僧・白拍子・遊女』」シリーズを構成、発表する上で何らか参考にして下さったようです。
 今、本堂で桜井さんの天台声明を聞きながら人間の声のすごさに今更ながら驚くことです。
 桜井さんの声明で親鸞聖人の「ご和讃」を鎌倉時代の音律で聞かせて貰いたいと思っておりますが、実現できますかどうか、
                  写真は今年の沙羅の黄葉です。
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阿修羅の琴 Ⅰ

2008年11月18日 | Weblog
 過日ヤッと拝読する機会に恵まれた藤田省三先生の「『歎異抄』を読む」に
次のような胸が震えるような記述に出会ってからそのことについてしばしば考
えさせられております。その記述は、

 「最近になって発見したが、端的に言って、親鸞とは即興性という点ではジ
ャズなのだ。反伝統的であるという点で無調音楽でもある。(中略)権力によ
るブルースの否定。音楽の否定。親鸞からその音楽性を抜いてはいけない。」

 心底がジンジンとして来ます。事実、撫でるようなタッチのピアノソロにコ
ントラバスの低音重奏がからんで行くジャズの即興的サウンドが耳底に響き始
めるのです。
 藤田先生のこの文章は殊に痛快で歯切れのいいフレーズだと感じ入っており
ます。

 画像の落ち葉の吹き寄せは寺庭の「面河紅葉」(おもごもみじ)の葉っぱです。
コメント (1)
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