万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

萩の道

2006年09月09日 | Weblog
昨日まで急速に秋の足音を感じておりましたのに、今日は一日不快指数が高く蒸し蒸しする日でした。
 昨日のこと秋を感じて長瀬海岸へ抜ける堀切道へ萩を見に行きました。予想通り道の両面に萩が咲きこぼれていました。眺めながら静謐の時にひたったことです。
 萩の咲く風景を見ますと何時も「奥の細道」に収録されている芭蕉に随行した曽良(そら)の俳句を思い起こします。

 「曽良は腹を病みて、伊勢の国長嶋と云う所にゆかりあれば、先立ちて行くに、
    行き行きてたおれ伏すとも萩の原   曽良
  と書置きたり。行くものゝ悲しみ、残るものゝうらみ、隻鳬(せきふ)のわかれて雲にまようがごとし。予もまた、
    今日よりや書き付け消さん笠の露       」

 ご師匠さまに最後までお世話ができず面目なく申し訳ありません。お許し下さい。私のことならご心配くださいますな、どこで倒れ、息絶えようとも萩の花の中です。どこで倒れようともお浄土のまっただ中です。阿弥陀さまのおいのちのまっただ中ですから、切にご放念下さいますように。
 と、曽良は五七五に託して言っているように思える。また、添えられている師匠芭蕉の句もよき伴侶と別れる寂寞感がにじみ出ていて胸打たれることである。
コメント (2)
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