SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画「キンキーブーツ」

2007年01月15日 | 映画(カ行)
 工場労働者を主人公に地味な感じの俳優陣がキャスティングされている、いかにも、な感じのイギリス映画。が、これがなかなか面白い。「ブラス」、「フルモンティ」、「リトル・ダンサー」などに連なる。

 中小の工場は大企業の二番煎じでは立ち行かない。むしろ大企業はけして手がけないニッチ(隙間)な部分に活路を見出していくべきだ、という現代マーケティング理論を、事実を元に映画化した、極めて経営学的な示唆に富んだ作品なのだ。

 そのニッチ商品がドラッグクイーンご着用の「キンキーブーツ」というわけだ。ド派手でキワ物的な印象から敬遠してはもったいない映画だ。
 随分ヒットしたようなので、逆にキワ物趣味で見に行った人も多いかもしれないのだが・・・・。

 もっとも手ごわいと思われた相手が実は最も頼れるなどの人生教訓、あわやというところでの形勢逆転など、脚本はそつなく書き込まれ、俳優のアンサンブルも見事、映画的な見せ場もきちんと踏まえた良質の楽しい作品になっている。