毎日のように小説よりも奇なりという印象の出来事が頻繁に起こるのに、どれも「想定内」と聞いて「そんな馬鹿な」という気持ちになることが多いが、これは「想定外」の作品。
映画は、そのジャンルが好きな人に足を運んでもらうために、予告という手段を使って一応それがどんな種類の映画かということを知らせてしまうというルールがある。それを逆手にとった作品をルール違反と怒るか、意外なドンデン返しとして楽しむかで作品の評価は変わってしまう。
あるバレースクールを舞台に次々と起こる連続殺人事件をミステリーとして鑑賞していたら、古くからこの学校にたたっている怨霊のせいだった、といきなりオカルト・ホラー映画に落されて釈然としない気分になってしまった「イタリアの鬼才」の作品があった。
「24」を見ていたらこれは実は「X-ファイル」でした、というようなものだ。幽霊や宇宙人を登場させたら「何でもあり」になってしまう。