「近隣セルフの価格看板より高い仕入れ価格」
これを聞いただけで“経営困難”と察してくれる人もいれば、ピンとこない人もいる。
その理由が分かった。
直ぐに察してくれるのは、その人が安値を選ぶ人だからだ。
ピンとこないのは、その人が高値安値に拘らない人だからだ。
だから高値を理由に客離れが起きている事が想像できない。
でも実際は高値でも利用してくれる人は少数派。
近隣店より13円高く売っても5円の粗利しかなかった時期、
ある人から「気持ちだけで良いから、そうしたらこれからもここに来るから」と値引きを要求されたとき、こうちゃんは「無理」と即答した。
多分その人は思ったんじゃないかな?
(13円も高く売っているのに、長年の付き合いもあるのに、たった数円の値引きが何故できない?)、と。
こうちゃんの「無理」という言葉に、不機嫌に首を横に振りながら帰られたその方が次に給油に来られることはなくなりました。
でもこんなふうに値引きを要求される人の方が実は情があるのかも知れません。
大多数の方が値引きを要求することもなく、黙って来店されなくなりました。
(※これが普通だと思いますし、私もそうです)
それと、
「人を雇わないのか(雇いなさい)」という“声”。
今でこそ“自己満足表”のような事はなくなりましたが、オイル交換でこうちゃんが配達から帰ってくるまで待ってもらっている間の店頭の様子をみて、
「お客さん、よぉけ来てくれてはるのに、」「忙しそうやな、」(人を雇わないのか)(子供は店を手伝わないのか)と言った声を頂戴することがあります。
市況によって粗利が5円しかないことがある現況で他人さんを雇用すると確実に赤字になってしまいます。
※「業転は命綱」と形容される所以です。
だから、全量系列仕入れの店にとって「現卸格差は生存不能」。
このブログを読まれた方の多くがガソリンスタンドカテゴリーの記事にネガティブな印象を持つと思います。
でもね、
>ガソリンが9円台、軽油は16円台、灯油が15円台(9月8日燃料油脂新聞より)
これだけの格差があっても、全国各地で(の)地場店は今もこうして生存しています。
実情を知らない外の人間が「もっと前向きに、明るくポジティブに、」と言うのは簡単です。
でもね、
ありし日の 柿本石油 2008
こんなにポジティブにみえる店でも突然閉店してしまう。
プリペイドカードの問題を提示して...
反対に、傍から見れば「何で潰れないんだろう?」と思われるような地味な店でも、地道な努力を続けて長く営業を続けていたりするのです。
ガソリンスタンドカテゴリーの記事がネガティブな印象を与えるのは、
「だけど“限り”がある」「だから悔しい」、という私の気持ちが込められているせいです。
地場店の経営が好転する要因が見つからない絶望的なこの業界で、
「我々には業転以外生き残る術はないのか」というようなこの業界で 系列仕入れで「やれるところまでやる」というのは、
これは実は物凄くポジティブなことだと思っているのです。
全国の小規模地場店は、地道に、今日も営業しています。
<OPEC>減産で合意 8年ぶり 価格急上昇 http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/wbusiness/mainichi-20160929k0000e020114000c.html
石油輸出国機構(OPEC)は28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式会合を開き、原油価格を押し上げるため協調減産することで合意した。欧米メディアが一斉に報じた。減産で合意するのは、金融危機直後の2008年12月以来、約8年ぶり。
ロイター通信は、関係筋の話としてOPECは加盟国の原油生産量を8月の日量3324万バレルから、3250万バレルに削減すると報じた。今回の会合では減産合意が見送られるとの見方が多かったため、市場には驚きが広がり、28日のニューヨーク原油先物市場で米国産標準油種(WTI)は1バレル=47ドル台に急上昇した。
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