ドイツの哲学者ヘーゲルはこう言っている。
「哲学とは、人間の無数の有限な目的や意図から解放して、人間をそれらに対して無関心にする」。
難しい言葉だが、哲学は何に関心をもつかといえば、真理にのみ関心をもつ、ということ。だから、お金があるとかないとか、そんなことはどうでもよいことであり、いわば真理に接近する喜びを味わうのが哲学である、つまり哲学する以上の喜びはない、とヘーゲルは言いたいのだと思う。
ヘーゲルが活動していた1820年代までは、自然科学、社会科学、人文科学を全部総合して「哲学」と呼んでいた。その後、1830年代に、自然科学と社会科学などの実証科学は独立し、哲学は真理探究の方法論としてのみ、存在することになった。だから、ここでヘーゲルが「真理探究に接近する喜びを味わうのが哲学」といっているのは、「哲学」を「学問」と言い換えてもいいだろうと思う。
それはともあれ、あまりいろいろな日々の雑念に囚われすぎずに、また選挙結果や政局に一喜一憂せずに、常に真理を探究し、それを社会変革の実践に活かしていきたいと思う。まずは決意だけ。