BSで「マルタのやさしい刺繍」を観ました。
2回目なのでストーリーもわかっていましたが、ジンワリと温かくなる良い作品です。
2006年製作のスイス映画。
スイス気鋭の女性監督ベティナ・オベルリとスイスを代表する大御所女優たちが共演。
歳を重ねても夢を追う事の大切さを教えてくれる内容です。
おもなあらすじは・・・
スイスの小さな村、トループ村で暮らす80歳のマルタは最愛の夫を亡くし、すっかり気力を失った暮らしを送っていました。
そんなある日、クロゼットの奥から見つけたものは・・・かつて自分でデザインして刺繍したランジェリーでした。
そして彼女は若かりし時に夢をみたランジェリー・ショップを開くことにしますが・・・。
閉鎖的で変化を恐れる小さな村の人々には理解はされず、様々な障害に立ちふさがります。
それでもマルタは仲間と共に「夢を持って何がいけないの?生きがいを見つけたのよ!」と訴え続けるのです。
マルタを演じたスイスの大女優シュテファニー・グラーザーはこの時なんと88歳!!
とてもチャーミングな女性を演じていました。
マルタが丁寧に作る一つ一つのランジェリーがまたきれい。
そして応援する仲間の女性もすごく良いです。
家庭の鬱屈する問題があっても前を向くハンニは夫のために免許を取ったり、自分にも自信が出てきました。
表情もどんどん明るくなっていました。
アメリカかぶれと言われるリージも素敵。
マルタの新しい人生の後押しをしてくれますが、途中悲しいでき事も・・・。
裕福なフリーダはもうすでに施設に入って安心に暮しているのですがマルタの行動が気になってしかたない。
そしてマルタのランジェリーを売るためにインターネットを勉強するのです。
新しい事に挑戦するのは素晴らしい。
それにくらべて息子達の不甲斐ない事!
大人のくせにへりくつを並べて邪魔ばかりするのです。
でもそれは自分自身に対しての鬱憤ばらしのように見えました。
つまり70~80の女親に対して、眩しくてうらやましくて仕方がなかったのか。
スイスの小さな村の実直な暮らしぶりも感じました。
風土や歴史を大切にしようとする考えは素晴らしい。
でも時に小さなコミュニティならではの息苦しさにマルタ達女性が新鮮な風を入れたのでしょう。
夢を見る事の大切さ、夢に向かって進む前向きさを感じた良い作品でした。
今の私はこんな映画が好きだな・・・
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆ 地味だけど温かい作品です。