やっとやっと観てきました
「愛を読むひと」・・・原題は「THE READER」です。
原作の「朗読者」は以前に何度か読んでいましたが
このハンナの役をいつかやりたい!と思っていたそうですね。
1958年のドイツで15歳のマイケルが何と21歳も年上のハンナと知り合い
いつしか関係を深めていきます。
ハンナ役のケイト・ウィンスレットの身体をはった演技、彼女らしい脱ぎっぷり。
マイケル役のデヴィット・クロスもとても上手く、心も体もハンナにはまっていきます。
ハンナが要求した本の朗読が二人の儀式のようになり、このあたりでもハンナの表情に苦しみがよく感じられました。
(私は観る前からハンナの事情を知っているので・・・)
マイケルの前から姿を消したハンナ。
そして二人の衝撃な再会がホロコーストの裁判でした。
法学生になったマイケルには背負いきれないほどの衝撃の真実。
それは「ハンナが文盲だった」をいう事。
そして、その事がハンナ自身が一番隠しておきたい大きな問題だったのです。
自分の罪状よりも真実を隠すことを選んだハンナに対して
マイケルは何もできません。
そして彼が考えたのは、本を朗読してテープをハンナに送ることです。
ハンナにとってはいつしかそれが生きる力になったのでしょう。
彼女が言葉を指で数えながら文字を覚えていくシーン。
「the」 「the」・・・と丸をつけて学ぶシーンはとても良かった。
文字が読めない、書けないというハンデがあったハンナですが、日々生きていくことに精一杯だったはず。
それでも背をシャンと伸ばして自分なりのプライドを持ち続けて生きていく人生だったのでしょう。
大人になったマイケルをレイフ・ファインズが演じていますが、彼の憂いを秘めた苦しむ表情もすごく良かったです。
刑務所を出所できる一週間前にマイケルはハンナに面会に行きます。
そこで、彼女の手を優しくとっていたら・・・
何も迷いもない表情をハンナに向けていたら・・・
きっとあの後の展開にはならなかったかな・・・?
マイケルには引き受けるには重いハンナの人生。
そして彼女の選んだ道はとても悲しかった。
ケイト・ウィンスレットの老けたメイクも驚きません。
まさに役になりきって、ハンナの生涯を演じきりました。
最初から最後まで深く重い内容でした。
アカデミー賞主演女優賞をとった時はまだこの作品を観ていないので
特に思わなかったのですが、彼女がやっぱり一番素晴らしかったと思います。
今でも心に深く残る作品となりました。
今回の評価は・・・ 星4つ半 ☆☆☆☆★
(おまけのひとり言)・・・
この映画、封切り日にネット予約をして観に行く予定でした。
そこで急遽、塾の緊急面接が入り、行けなかったのです。
だから、チケット2枚分の値段となりましたが・・・
それでも劇場で観て良かったです。
いつもは食べないキャラメル・ポップコーンまで食べちゃった