気になっていた映画「ツォツィ」を観ました。
アカデミー賞の外国語映画賞をとっている作品です。
南アフリカのヨハネスブルクのスラム街を舞台に社会の底辺でもがき苦しむ若者の話です。
これはRー15指定になっているんですよね。
確かに地下鉄のシーンなどは中学生以下には見せたくないのはわかりますが。
それとも赤ちゃんを紙袋に入れて連れまわすシーンが影響するのか。
アパルトヘイト後、まだまだ貧困層は生きていくのが大変で、さらに国中にエイズ問題もあるなか、主人公は土管の中で生活して大きくなって強盗や車を狙って生きている現実があります。
「ツォツィ」とは不良の意味です。
名前も言わない彼が周りにそう呼ばれて、すさんで生きていく中、奪った車に乗っていた赤ちゃんを連れ帰るシーン。
そして、紙袋に入れて自分の育ったスラム地域、土管の生活を見せるシーン。
結局、愛情をもらえなかった彼が赤ちゃんを通して人間の持って生まれた感情を少しだけ取り戻すというテーマなのでしょう。
世話をするだけでも大変な赤ん坊を、結局、元気な状態で彼は親の元に返したので、そう思いたいです。
とても短い映画でした。
紙袋に入れて持ち歩くシーンは「そんなことできるの?」なんて思ってしまいましたが・・・。
それから、今ひとつ彼の心理描写が弱かったような気もします。
生きていくのは時代もそうですが、暮らす国、地域でこんなに違うものなんですね。
今の日本が幸せとは決して言えないけれど、それでも世界ではまだまだ生きていくのが精一杯という地域があります。
そういう意味でのメッセージならR-15指定はいらなかったと思います。
(多分、レンタルでは自由に観られるのでしょうが)
日常に戻ると、私は子どもを生んだ責任として、精一杯愛情をかけて育てたい。
当たり前の事をまた真剣に考えてみた映画でした。