「月に囚われた男」を観ました。
原題はそのものズバリ「MOON」!
邦題も今回は私が思うには合格点かも
本当に囚われてしまっていますからね~
2009年製作のイギリス映画。
監督はデヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズ。
低予算で作られたそうですが、これが初作品とは思えない良い作品でした。
おもなあらすじは・・・
近未来の地球では必要なエネルギーがなくなってしまい、月で「ヘリウム3」というエネルギーを採掘する事になった。
その巨大産業「ルナ」の元、たった一人で月の基地に滞在し採掘の仕事をするサム・ベル。
契約期間3年の終了まであと2週間と言う時に起きた事故でサムはこの採掘プロジェクトの真相を知ってしまう・・・というお話。
サム・ベルを演じるのはサム・ロックウェル。
ちょっと頼りない風貌の彼ですが、この作品ではほとんど一人で何役もこなし、地味ながら存在感は凄かったです。
最近では「みんな元気」でも気弱そうな息子役で登場していました。
サム・ロックウェル、良い役者ですね~
ストーリーとしては最初は淡々と進んでいました。
でもある事故がきっかけでサムしか居ないはずの基地にもう一人現れ、どういう事かと思ったけどなるほどね~
クローンの登場からは予想通りの展開です。
特にサムの演じるサム数人(なんじゃこれは)の存在が上手く描かれていて良いです。
これはきっとサム・ロックウェルだからこそ、そう感じました。
知能を持ったコンピューター、通称「ガーティー」の声はケヴィン・スペイシー。
声とニコちゃんマークだけでサムを支え、助ける頼もしい存在。
ところどころクスッと笑えるシーンもあって、観ている最中も「この映画、面白い!」と感じていました。
結局、三年の任期と言うのはクローンとしての三年の寿命と言う事。
ラストは切ないけど、地球のエネルギー不足の事や、クローンを使って経費削減し荒稼ぎをする宇宙産業に対する警鐘とも言えるテーマ。
韓国の企業という設定もなるほどね~と思いました。
なかなか見応えのある作品でした。
低予算でもこんなに味わいのある秀逸な映画ができるなんて素晴らしい。
もうデヴィッド・ボウイの息子・・・と言われなくても勝負できるのでは。
そしてサム・ロックウェルのパッチ(?)姿に乾杯!
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆