映画「ボンボン」を観ました。
2004年製作のアルゼンチン映画です。
撮影はすべてアルゼンチン南部のパタゴニアで行われ、壮大な大地や青い空と白い雲がとても印象に残りました。
そう言えば以前にBSで南米を周るバスツアーの番組を観た時も感じたパタゴニアの風土をこの作品でもたくさん見られた感じ。
さて、おもなあらすじは・・・
ガソリンスタンドで20年間真面目に働いてきたファン・ビジェガスはオーナーが替わる事から首になってしまう。
手先が起用なファンは手作りのナイフを売って暮らそうとするがうまくいかない。
ちょっと頼りないファン、押しの強さはまったくなくてナイフを作れても売るのは今一つ。
でも彼は人の良い優しい性格で頼み事や困っている人を放っておけない人間だった。
ある日、車が故障した女性を助けた事から「トーゴ」と言う種類の狩猟犬をもらい、それからファンの人生が大きく動いていくのですが・・・という話。
ファンは見るからに優しそうな、ちょっと頼りない風貌でした。
言葉も少なく、何事にも自分で納得してしまう性格?
そんなファンが「ボンボン」と名付けた犬を連れているといろんな人に出会っていきます。
銀行の重役から紹介されたドッグ・トレーナーのワルテルに誘われドッグショー出場を計画し、さらに繁殖犬としてお金を得ようとします。
見た目がちょっと味のあるトーゴ犬のボンボンと頼りないファンのふれあいが何とも言えない優しさを感じました。
繁殖の仕事の寸前、役立たずなボンボン・・・
ワルテルはがっかりするが、ファンは「仕方ないな・・・」と思うだけのようだった。
そしてボンボンが逃げてしまい必死に探すファン。
煉瓦の向こうでちゃんと交尾をするボンボンを見つめる目が優しかった~
ボンボンは不能じゃなかったのですね。
人生の相棒となるボンボンと旅をするファンの表情がすごく満ち足りているように感じました。
特別大きな展開がある訳じゃないけど、パタゴニアの雄大さと優しいファンの表情に心が温まる作品だと思いました。
アルゼンチンは失業も多くて貧富の差も大きいらしい。
そんな生きていくには厳しい国で、ファンが大切な存在と出会った事でこれからの人生に幸あれ!と思わせる内容でした。
ちなみにファンもワルテルも実在人物として出演しています。
見事なスクリーンデビュー。
真面目な頼りない男をそのまま演じきったわけですね。
今回の評価は・・・ 星3つ半 ☆☆☆★