「インビクタス・負けざる者たち」をDVDで鑑賞しました。
「インビクタス」の意味は直訳すれば「征服されない」です。
このダイレクトな意味が後からジワジワと伝わってくる、なかなか良い作品でした。
2009年のアメリカ映画。
監督はクリント・イーストウッドです。
「グラントリノ」では感動できなかった私ですが、この作品は彼らしい骨太の秀逸なものになっていました。
おもなあらすじは・・・
1994年の南アフリカ。
27年も獄中生活を強いられていたネルソン・マンデラが南アフリカ共和国で初の黒人大統領になります。
アパルトヘイト(人種隔離政策)時代の様々な問題が山積するなかで、マンデラは私怨を晴らす事ではなく、赦す事で国家を一つにしようと考えていました。
そんな時に自国で開催されるラグビーのワールド・カップ。
この大会を通して、マンデラと南アのチームが一つになって優勝を目指すお話です。
マンデラを描いた映画はいくつか観ています。
この作品ではマンデラ自身がモーガン・フリーマンに演じて欲しいと願ったそうですね。
そしてモーガン・フリーマンが見事に不屈で人間味の溢れる演技で好演。
まったく違和感なく受け入れられるほどの自然の演技でなりきっていました。
一方、南アのラグビーチーム、通称「ボカ」の主将ピナールをマット・デイモンが演じました。
彼が目立ちすぎる事なく、こちらも自然に要所を押さえる存在感。
ピナールがマンデラ大統領の人格に触れる度に自身も成長していくようで良かったです。
この作品は実話ならではの感動がありました。
そして実話なのに「ワールドカップ優勝」自体はあまり知られていなかったのですね。
私もラグビー自体あまり観ないので、初めて知りましたが。
ついこの前あった南ア開催の「サッカーW杯2010」を思い起こすほどでした。
スポーツの力は本当に凄い。
国と国の闘いが心まで一つに結束するのですから。
マンデラが語る言葉・・・
「私は我が運命の支配者、我が魂の指揮官なのだ」
これこそ長い間獄中で魂の征服をされず耐えた人間の言葉でした。
この詩を支えに生きて来たのですね。
南アはまだまだたくさんの問題を抱えています。
それでもマンデラがいたからここまで歩んで来られたのでしょう。
ラグビーW杯もサッカーW杯も主人公は南アの国民だった事が伝わってくる素晴らしい内容でした。
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆ 後からジワジワ感動しました。
「THIS IS IT!」今がその時だ。勝つぞ!