日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「BULLY」

2012-07-26 14:05:40 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


その後ブラッド・レンフロの映画を続けて観ています。
今回は「BULLY」をディスカスでレンタルしました。

原題の「BULLY」とはいじめっ子の意味。
1993年7月、南フロリダであったボビー・ケント殺害事件を元に作られた作品です。
監督はラリー・クラーク。
この作品ではキャスティングにかなりこだわっていたとか。

おもな内容は・・・

マーティー(ブラッド・レンフロ)は幼馴染のボビー(ニック・スタール)に服従する毎日。
ボビーは父親に期待され、友達付き合いもうるさく干渉されている裏で、マーティーを奴隷のように扱い、暴言、暴力の日々だった。
ある日、女の子二人組と知り合いつるんで遊びに行くマーティー達。
マーティーの彼女になったリサはボビーのマーティーに対する扱いの酷さにだんだん我慢が出来なくなってくる。
そして7人のティーンエージャーがボビーを殺害する計画を立てるのだった・・・

この事件は全米で大きく取り上げられたというのは聞いていました。
ストーリーはものすごく単純。
いじめっ子を仲間と共に殺害すると言うストレートな展開がとてもリアルな描写になっています。

最初に観ていた時はあまりにもアダルトシーンが多く、ちょっとびっくり。
ブラッド・レンフロもこんな映画に出るようになったのか・・・と。
それにしてもアメリカのティーンエージャーはこんなに簡単にドラッグとSEXに明け暮れるのか、と呆れるほどでした。

いじめっ子のボビーはかなり酷い性格です。
家庭で抑圧されているからと言うよりも性格破綻しているレベル。
10年以上の腐れ縁でいじめられているマーティーが家族と食事しているシーンで
「引っ越ししたい・・・」と訴える姿は痛々しかったな。
マーティー家としても何度もその件は話し合ってきただろう?(そんな簡単に引っ越しできない)
と言うのですが、マーティーは限界に近かったのかも。
もちろん、マーティーがボビーから離れられなかったのも気の弱さだけでなく「共依存」という状態だったのでしょう。

そんな二人の支配的な関係を動かしたのがマーティーの彼女になったリサでした。
リサは服装も地味で一見おとなしそうな印象だけど、凄かった!
ボビーを殺そうと一番強く考えていたのは彼女だったはず。
そしてリサは妊娠した時も、ボビーを仲間が殺した時も周囲の人間に簡単に
「妊娠したの」「ボビーを殺したの」とペラペラ喋っちゃうのが信じられなかったです。
リサを演じたのは「レイチェル・マイナー」、マコーレ・カルキンの元妻です。
彼女は恐るべし演技でした。

結局仲間のタレこみで7人が逮捕され、裁判シーンでもお互いに罪をなすりつけるような展開。
実際もそうだったようですね。
実行犯のマーティーは電気椅子での死刑宣告。
リサと殺し屋のカーフマンは終身刑。
その他の仲間は懲役7年から40年だったかな。
(この重い刑罰はその後それぞれ減刑されて、マーティーの死刑は終身刑になったらしいですが。)

この作品を観て、そのリアルさに驚くとともに、マーティーの辛さをずっと考えていました。
もちろん殺人はいけない事。
だけどボビーのような人間にボロクソにされてきたのは事実。
もしマーティーが辛くて自死を選んだら・・・
もしマーティー達が殺人までしないでボビーをめちゃめちゃにやっつけたらどうなっていたかな・・・

どんな国でもあり得る若者の無謀な関係が一歩間違うとこんな悲劇になってしまうと言う事。
私は個人的にはボビーには同情する気持ちはありませんが、人生が狂うというのは加害者も被害者も同じです。
やっぱり最終的には殺人を犯した彼ら7人が悪いのですが、何とも言えぬ気持ちが残った事件でした。

ブラッド・レンフロはいじめられっ子にしては体型がマッチョ・・・(ぷよぷよにも見える)
甘えん坊な口元が印象的でした。


今回の評価は・・・    う~ん、難しいな。
最初は目にあまるシーンが多くてまいりましたが、製作したテーマは評価したいです。

と言う事で、星3つ     ☆☆☆

リサ役の表情一つ一つが恐ろしい・・・


   

   

   

   

   

   

  
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連日報道されている大津のいじめ事件、信頼できる情報だけを読んでも本当に辛いできごとです。
自ら命を絶ったお子さんの日常の地獄を想像するだけで胸がしめつけられます。
亡くなったのが昨年の10月というのに、やっとこうして周りが動き出したのですね。

現場では「ふざけ合っていると思った」とか「いつも一緒だから友達関係だと思っていた」と言います。
いじめがイヤで離れられたらこんな結果にはならないのに、学校はそんな事がいつもわからない。
担任や他の教師が何度も目撃しても真摯に対応しなかった。
被害者の彼が泣きながら相談しても取り合ってもらえず、こうして彼は生きている時に何度も地獄を見ていたはず・・・

「葬式ごっこ」なんて26年前の中野富士見中の事件から何も学んでいない。
(鹿川君の辛い最期を今思い出しても涙が出ますよ・・・)
もちろんそれ以外にも多くの若い命が失われていますよね。
教育現場は何も変わっていません。

もちろん加害者3人と、育てている親達も最悪。
もう「いじめ」という表現よりも「暴行、脅迫、自死強要、あるいは殺人」です。
どうしてこんな子どもが育って来たのか、細かい状況を開示してほしいです。

昨日の読売新聞で多くの反響が特集されていました。
「(自殺したから)こうやって取り上げてくれるのか・・・」と実際にいじめられていた子どもがつぶやいた、とか。
教育現場の教師は「保護者の相談で初めていじめを知ったが、成績優秀な子が加害者とは思わなかった。」とか。
特にこの教師の言葉はまさに「現場知らず!」です。
勉強ができて教師の前では悪魔の顔を隠す子どもは実際にいますから。
親の前でも教師の前でもうまく立ちふるまう悪魔たち・・・
子育てした長い年月で何度も見て来た現実です。

今いじめで苦しんでいる子ども達、命よりも大事なものは学校にはないです。
自分の中だけで耐えないで、安らぐ場所にいてほしい。 
家庭こそそんな場所であってほしい。
学校に行けなくなった子ども達が安心して集う公的機関の確保を国は真剣に考えてほしいと強く思います。









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