報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日は2本立て。

2013-09-01 18:40:51 | 日記
 “新人魔王の奮闘記”より。

「日本では暑い暑い夏になっております。幸いにもこのアルカディアは常春の地方ですので、魔界とは思えぬほど穏やかな気候が1年中続いています。……何だか、むしろ人間界の方が魔界に思えてきた」
「総理!」
「……あ、いや、失礼」
 春明は朝礼の挨拶をしていた。
「……では今日も1日、国民の為に頑張りましょう」
 そう締める。
「いや、しかし本当にそう思うよな」
 党本部を出て、馬車に乗り込む。
「何がです?」
「人間界じゃ、最高気温40度だぜ?あり得ないよな」
 因みに、このアルカディア地方の年間平均気温は20度である。1月の最高気温が20度で、8月の最高気温も20度という意味。四季が無い。春だけの国だ。
「毎日が春なんて素晴らしいじゃないか」
「そうですね」
 ベン大参事が大きく頷いた。
「桜の木なんか植えたら、1年中咲いてるだろ」
「はははっ、逆に風情が無いですね」
「それもそうだな」

 王宮に帰る。
「お帰りなさいませ」
「おーう。ただいま」
 セバスチャン参事が出迎える。
「何か変わったことあった?」
「はあ、それが……」
「ん?」
 セバスチャンは両手に抱えるほどの段ボール箱を持って来て、床に置いた。
「何だこれは?」
「サイラス宛ての手紙です。封筒の外見からして、ラブレターかと」
「こ、こんなに?さすが優男だなぁ……」
 春明は驚愕を通り越して、呆気に取られた。
「エルフ族は男女共に容姿端麗ゆえ……」
「だけどこれ、人間からだけじゃないだろ?確かにサイラスのファンは前からいたけど、何でまた急にこんなに?」
 当のサイラスは今、妹と面会に行っている。サイラスは春明専属のSP。妹のリーフは女王ルーシーの専属メイドであるため、同じ王宮の仕事であっても、なかなか顔を合わせることはない。
「どうやらエルフ族の“恋の季節”らしいのです」
「あー、前に聞いたことあったなぁ……」
 エルフ族は年に1度しか子作りができないという。完全に亜人を蔑んでいた民主党関係者はエルフ族を、
『人の姿によく似た動物』
 とし、
『年に1回繁殖期が来るので、繁殖させないよう、雌エルフは定期的に隔離するように』
 との通達を出していた。で、隔離してあとは【お察しください】。
「だからって、いきなりこの手紙の山は何だろう?」
「す、すまん!アベさん!」
 そこへサイラスが戻って来た。別に見た目は、いつもと変わっていないが……。
「すぐに片付けるので」
「お前、何かしたわけじゃないよな?」
「してない。故意には」
「……故意には?」
「失礼します。先般の湘南海岸における水着ギャル観察の大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「横田!お前、休暇取ってそんなとこ行ってたのか」
「私の分析によりますれば、サイラスには女を魅了するフェロモンが放たれているものと思われます」
「そうなのか」
「それは無味無臭であるため、同性たる我々には全く分からぬものであります」
「うん。その通りだな」
「年に1回の発情期……もとい、“恋の季節”の際に起こるエルフ族の風物詩であります」
「風物詩ねぇ……。でも横田、お前よくそんなこと知ってるな」
「総理。今だから白状しますが、私も元・民主党員でした。もっとも、軍にいたわけではありませんので、さらったエルフ女性を犯したりはしませんでしたが。実に惜しい」
「当たり前だ。てか、惜しいって何だ、惜しいって!」
「しかし、サイラスは前・村長の長男であります。その分、村の中でも1、2を争うモテ男でありましょう。今、村に帰れば引く手数多と思われます。実に羨ましい」
「おー、そうだなー。サイラス、良かったら帰省していいよ」
「いえ。俺はアベさんから、御役御免になるまで護衛を務めることに決めてる。アベさんの一生を見送ってから村に帰ってもいいんだ」
「さすがエルフ族は長命ですねぇ……」
「寿命が1桁も2桁も違うからな」
「あっ、そうか。もしかしてお前、さっきリーフに会いに行ったのは……」
「リーフはまだ体付きは成熟していないが、もう既に子を産む生殖能力はついてる。だから、注意を与えてきた」
 その時、春明は一瞬横田の耳が大きくなり、眼鏡がキラーンと光ったのを見逃さなかった。
「リーフはどうする?村に帰して、誰かと結婚させるのか?」
「それはリーフの意思に任せたいし、陛下の意向次第でもあると思う」
「そうか。例え結婚したとしても、その後で産休やら育休やら必要だもんな」
「あ、あの……」
 そこへセバスチャンが話し掛けた。
「なに?コーヒーならいいよ。これから謁見の間に行かなきゃいけないし」
「いえ……」
 セバスチャンが答える前に、春明は気づいた。いつの間にか横田がいない!
「やっぱり、横田の奴!また何か企んでるな!」
「ええ。鼻息荒く、顔は気持ち悪いくらいにニヤついて出て行きました」
 セバスチャンも呆れ顔だった。
「エルフのオレが気づかないとは……」
「それだけの奴なんだよ、あいつは!」
 春明もまた急いで首相執務室を飛び出した。
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暑さ寒さも彼岸まで~?

2013-09-01 13:49:35 | 日記
 今日は防災の日であるが、日曜日では、なかなか防災訓練を行う事業所は少ないだろう。8月中か明日以降に行うのだろう。大手町界隈では前者の例もあったが、後者の例が多い。中には、私共の制服が冬服になった頃に防災訓練を行う事業所(ビル)もある。
 それにしても、9月に入ったというのにこの暑さは勘弁してほしい。また、どこかで40度でも記録するのだろうか。

 本当に山登りとしての富士山登山のシーズンも終わったことだし、今日は末寺へ行って添書登山の手続きをしてきた。因みに広布唱題会があることはすっかり忘却の彼方知っていたのだが、勤務明けが午前9時では最初から参加はできない。しかも、高田馬場の現場に臨時警備関係の書類を届けてから行くようにとの上司命令を受けてしまった。んもー、しょうがないなー。久しぶりに東西線に乗ることになるな(←乗り鉄モードにスイッチが入ったー!)。
 久しぶりに乗った東西線05系。ワイドドアタイプの、私はハズレ車両だと思っている。いや、人それぞれだとは思うが。私が気になるのは1人当たりの座席の窪み、JR車より狭くねー?……器が小さい人間なんだろうな、きっと。
 高田馬場の現場が駅から近くて良かった。この後、タクシーに飛び乗って向かう先は【一身上の都合により、所属寺院は非公表致します】。

 何だかなぁ……。私は法華講員は顕正会員よりも、平均年齢が高いと思っている。恐らくそれは正しく、別にそれが悪いと言うつもりは無い。そういえば、そもそもどうして顕正会は平均年齢が若いことを自慢してるんだ?よく考えたらおかしいな。
 因みに当寺院は、折伏誓願は僅かに達成することはできなかったとのこと。どこかの異流儀団体よりずっと潔くて実に素晴らしい。挨拶していた講中の偉い人、御僧侶に謝ってたなぁ……。
「次、頑張りましょう!」
 と、実に前向きだ。前向きのようで後ろ向きの、某異流儀団体よりずっといい。
「ああっ!?オマエはよー!センセーのお心がわかんねーのかよ、ああっ!?」
 というエセ体育会系なんかとは比べ物にならない慈悲深いものだ。

 その後で私の所属している班で集まったのだが、その班長氏がまた私が現役だった頃の上長と似ている人だ。一瞬本人かと思ったくらいだ。やはり私は顕正会とは切っても切れない縁なのね。
 今年の秋から冬にかけて、御影堂の落慶法要が行われるらしい。私が以前に受戒した時には既に工事していた御影堂だが、どうやらようやく完成するようだ。
 ある講員の話として、学会員の婦人部員を折伏した人がいた。高速太郎さんや沖浦さんは騙されていないと思うが、未だに(学会員から見て)日顕上人の陰謀により、やれ五重塔が破壊されただとか、三門が破壊されただとか、そう思っていたらしい。そして何より、正本堂が破壊された恨みつらみを語っていたとのことだ。はっきり言って私は在りし頃の正本堂のことは知らないので、私個人にそのような恨みつらみを言われても困るのでよろしく。それに、確かに正本堂の取り壊しを決定したのは日顕上人かもしれないが、それで、
「諸天の鉄槌だぜ!学会ざまぁwww」
 と言っているのはむしろ顕正会の方なので、恨みつらみは宗門より顕正会の方が受け付けてくれるかもしれない(ざまぁと言っておきながら、それで自分達の立場が宙に浮いたことは【禁則事項です】)。

 さてさて。涼しくなった頃、そして東名高速も空く頃に何年かぶりの登山参詣に向かうとしよう。尚、レポについては“顕正会版人間革命”の主人公、ユタと威吹に登場してもらうかもしれない。
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ぶり返した猛暑

2013-09-01 00:46:24 | 日記
 “ボカロマスター”より。

 東京でのシンポジウムを終えた敷島達は、東京駅東北新幹線ホームにいた。しかし、そこにいるのは敷島とミクだけである。実はミクだけ東京での仕事が入ったため、後で帰ることになったのだ。突然の仕事で、充電もままならない。ミク達が売れるようになって、仕事もガンガン入るようになったのはいいが、新たな課題も浮き彫りになってきたということだ。
〔「お待たせ致しました。23番線、まもなくドアが開きます。乗車口までお進みください」〕
 幸いこれから乗る列車は、“はやぶさ”用のE5系を使用したものだ。普通車にも乗客が自由に使用できる電源コンセントが付いているので、それで充電できる。
〔「業務連絡。23番、準備できましたらドア操作願います」〕
 ドアが開いて、早速乗り込む。
〔「ご案内致します。この電車は19時28分発、東北新幹線“はやて”111号、盛岡行きです。停車駅は上野、大宮、仙台……」〕
「つか、れた」
 ミクは本当に疲れた様子で、指定された座席に座り込んだ。遠隔監視用の端末を見ると、ミクのバッテリー残量は30%を切ろうとしていた。
「……あっ、ごめんなさい!」
 ミクはまずいと思って、敷島に謝った。1番動き回って、最も疲れているのは敷島の方であると気づいたのだ。
「いや、いいんだよ。早いとこ、充電しよう」
 充電用のケーブルは持ってきていた。それでミクのボディ側と、コンセントを接続する。因みにミクの場合、ボディ側の接続部分は両脇腹にある。交流100V用が向かって右側、交流200V用が左側になる。なので、右側に差したことになる。
『充電を開始しました』
 端末のモニタに、そのように表示される。
「たかおさん、仙台に着く前に起こしますから、たかおさんも休んでてください」
「ああ、そうか?じゃあ、お願いしようかな?あれ?仙台着何時だ?」
「21時10分です。5分前でいいですか?」
「あ、ああ。よく到着時間分かったな?」
「キップに書いてありました」
「あっ、そうか」
「はい」
「悪いな。もう“寝て”ていいよ」
「はい」
 ミクは返事をすると、目を閉じてスリープ状態に入った。

 今回もまた大きなことがあった。南里が直接さらわれたのは衝撃的だったし、いくら愛しい“妹”だからって、それを阻止できなかったエミリーの問題も露呈した。
 幸い、南里は一時的に血圧が急上昇したことによる症状で病院に運ばれたが、すぐに症状も収まって、先に仙台に帰ってしまった。
 尚、MEIKOにあっては追加の仕事のオファーが無かったのと、エミリーの監視の為に南里に動向している。怒ったMEIKOはエミリーに対し、殴る蹴るの暴行を加えた。もちろん最初からそうしたわけではなく、互いに口論になったが故のことである。ただ、話を聞いていて、敷島はMEIKOの言い分が正しいと思ったが。エミリーもそう思ったのだろう、MEIKOの攻撃に対して反撃することは無かった。
 明日から、また財団が騒ぎ出すのだろう。まあ、ボーカロイド達が問題を起こしたわけでも、巻き込まれたわけでもないので、彼女らの仕事に支障が出ることは無いだろう。
 列車は既に東京駅を発車していた。
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