報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサの日常」

2024-06-28 21:02:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月13日16時45分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 都営バス菊川駅前バス停→都営地下鉄菊川駅→ファミリーマート]

 リサはレイチェルを送りに、菊川駅前のバス停に向かった。

 レイチェル「それではリサ、また明日、学校で」
 リサ「うん。気を付けて」

 築地駅前行きのバスがやってくる。
 レイチェルは前扉からバスに乗ると、愛原からもらったバス代を運賃箱の中に入れた。
 そして、他の乗客も乗り込むと、バスは扉を閉めて発車して行った。

 リサ「……よし」

 リサはバスが発車して行ったのを見届けると、すぐ近くの地下鉄の駅に入って行った。
 そこで手持ちのPasmoにチャージをする為である。

 リサ「ふーん……」

 改札外コンコースに下りるが、ここにもホームからの風が吹いている。
 何故かこの駅は、トンネルからの風が強く吹く駅なのだ。
 その為、エスカレーターや階段付近には、『強風にご注意ください』という注意書きがしてあるほどだ。
 リサは券売機の前に立つと、それでPasmoをチャージした。
 これで帰りのコンビニで買い物ができる。

 リサ(オリジナル先輩も、エブリンも、本当はこういう生活したかっただろうに……)

 リサがそう思うと、少し血圧が上がる感じを受ける。
 Gウィルスが反応したのだ。
 Gウィルスは、オリジナルのリサ・トレヴァーが生み出したウィルス。
 それを日本の亜種が受け継いでいるわけだ。
 Gウィルスは本当の生みの親を知っているらしく、たまにリサがオリジナルのリサ・トレヴァーを思い出すと、懐かしがるように疼くことがある。

 リサ(帰ったら、またあの映画観ようかなぁ……)

 オリジナルのリサ・トレヴァーが登場する映画、リサは愛原に頼み込んでDVDを買ってもらっている。

 リサ(となると、お菓子買って行かなきゃね)

 リサはエスカレーターに乗ると、地上に戻った。
 菊川駅のエスカレーターは途中までしか無いので、地上に出るには、途中から階段になるのだが。
 リサは駅前のコンビニに入った。

 リサ「これと、これとこれと……」

 食べたいお菓子とジュースを買い込んで、レジに向かう。

 店員「お客様、この商品は……」
 リサ「ん?」

 店員は“鬼ころし”を手に取った。

 店員「未成年のお客様にはお売りできません」
 リサ「中身はアラフィフのオバハンだけど、ダメ?」
 店員「はあ?」

 リサ、『中身がオッサン』は認めなかったものの、オバハンは認める。

 リサ「……キャンセルします」
 店員「はい」

 家にストックがあれば、それを飲ませてもらうことにした。

 店員「ありがとうございました」

 “鬼ころし”はキャンセルして、それ以外の物ほ購入する。

 リサ「“鬼ころし”くらい、いいじゃんねー」

[同日17時10分 天候:曇 同地区内 愛原学探偵事務所2階]

 リサ「ただいまァ」
 愛原「お帰り。今週末、何か予定ある?」
 リサ「今のところは無いよ。どうして?」
 愛原「いや、仙台の両親が上京してくる」
 リサ「ほお!」
 愛原「但し、1泊だけな」
 リサ「えっ、何で?」
 愛原「旅の途中に立ち寄るからなんだよ。団塊世代は金も時間もあるからな。実に羨ましい」
 リサ「先生のお父さんとお母さん、どこに行くの?」
 愛原「沖縄だって」
 リサ「沖縄!わたし達、これから行くのに!」
 愛原「両親達の新婚旅行が沖縄だったんだが、死ぬ前にもう1度行きたいとか言ってたからな。満を持してそろそろ……ってことなんじゃないの?確かにゴールデンウィーク前だと、料金も安いだろうし」
 リサ「そうだろうね。で、わたし達の新婚旅行は?」
 愛原「まだ結婚してないだろ」
 リサ「作者の弟みたいに、わたし達も沖縄でやろうよ~」
 愛原「個人的には北海道カード使いたい」
 リサ「いいね!で、いつにする!?」

 リサは興奮して、鬼形態に戻った。

 愛原「もっと先!せめて、お前の職業が『学生』であるうちはムリ!」
 リサ「あ、やっぱり大学行くのやめようかな……」
 愛原「そもそも今、宙に浮いてる状態だろうが。遅くとも、夏休み前までにはもう進路決定しないといけないんだぞ?」
 リサ「分かってるよ。とにかく今週末、1泊だけ先生のお父さんとお母さんに付き合えばいいんだね!?」
 愛原「沖縄には温泉が無いから、せめて温泉にゆっくり浸かりたいとかは言ってたな」
 リサ「じゃあ、泊まりの準備しておくね」
 愛原「今日明日の話じゃないからな?」

 リサはお菓子類をしまっておく為に、3階に向かった。

 リサ「ただいまァ」
 高橋「おっ、もう帰って来たのか」
 リサ「レイチェルを送って、買い物してきただけだから。わたしのお菓子、食べないでよ?」
 高橋「ビールのつまみにもなんねぇ、甘いのは食わねーよ」

 高橋はキッチンにいて、夕食の支度をしていた。
 今日は高橋が夕食当番なのだ。

 高橋「それより、オメーも手伝え。先生の為だぞ?」
 リサ「分かった。ちょっと着替えて来るよ」

 リサはそう言って、今度は4階の自分の部屋に向かった。
 そして、着ている制服を脱ぎ始める。

 

 リサ「宿題は夜に片付けよう」

 そして、クロゼットの中から体操服とブルマに穿き替える。
 体育で穿いた緑のブルマは校庭での授業だったこともあり、汚れてる感があったので、紺色のブルマに穿き替えた。

 

 リサ「これでよし」

 スマホだけ持って、リサは3階に下りた。

 リサ「お待たせー」
 高橋「そっちで野菜切ってくれ」
 リサ「はーい。肉は?」
 高橋「お前にやらせると、つまみ食いするからダメだ」
 リサ「ちっ……」

 リサは手を洗ってから包丁を握ると、野菜を切り始めた。

 リサ「今週末は先生のお父さんとお母さんが来るんだって」
 高橋「俺とパールも挨拶するから、オメーも失礼の無いようにしろよ?」
 リサ「分かってるよ」
 高橋「少なくとも、そんな恰好じゃダメだぞ?」
 リサ「分かってるって」

 リサが体操服にブルマ姿になるのは、愛原の気を引く為である。

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