報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「不調のリサ」

2024-06-23 20:20:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月13日12時12分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・リサの部屋]

 リサ「むー……」

 リサは変な夢を見て目が覚めた。
 色んな鬼の男達から、求婚される夢だったが……。

 リサ「わたしゃ元人間だっつの」

 起き上がると、まだ少し頭が痛かった。
 二日酔いの状態というのは、体内の水分が失われている状態でもある。
 机の上には誰が置いたか、未開封の水のペットボトルがあり、リサはそれを開けるとがぶ飲みした。

 リサ「ふう……」

 水を飲んだ後はトイレに行きたくなり、部屋の外に出る。

 リサ「ん?」

 廊下の窓から雨音がした。
 どうやら、外は雨が降っているようだ。
 しかも、意外と強い。
 通り雨がサーッと降っているだけだろうか?

 リサ「う……来た……」

 Gウィルスを酒で眠らせている間に生理が来ると重くなるというのを思い出した。
 頭痛というのも、二日酔いによるものだけではないのかもしれない。
 トイレを済ませた後、リサはまた水を飲み、もう少し寝てることにした。

[同日17時02分 天候:晴 同地区内 愛原家4階リサの部屋]

 上野利恵「私はもう中年ですから何を今さらですし、うちの娘達は半分人間の血が入った『半鬼』です。また、うちの従業員のみならず、天長会の職員も、私の血が入って鬼化した『半鬼』です。生粋の鬼で、年頃なのはリサお姉さまだけなのです。だから、他の鬼の男達が求婚に来るのですよ」

 リサ「……何であいつが、わたしの夢の中に出てきて説教してんだよ……」

 とは言いつつも、さすがに起きることにした。
 二日酔いによる頭痛はさすがに治まっていたものの、今度は生理だか、あるいは寝過ぎたことによる小さな頭痛が起きていた。
 効くかどうか分からないが、市販の頭痛薬でも飲んでおいた方がいいのかもしれない。
 リサはまた水を飲んでからトイレに行き、それから洗面所で顔を洗った。
 その後で、3階に下りて行く。

 

 リサ「おはよう」
 高橋「おっ?やっと起きたか、寝ボスケが」
 リサ「むー……具合が悪くて寝てんたんだよ!おまけに生理まて来ちゃってさ!あとお腹空いた!」
 高橋「2食も食ってねーからな」
 リサ「今日の御飯は!?」
 高橋「鍋だよ。先生がそうしろってさ」
 リサ「おーっ!」
 高橋「単純だな。……そうだ」

 高橋はコンロの火を止めると、内線電話を取った。
 そして、2階の事務所に掛ける。

 高橋「あっ、先生。リサが起きて来ましたよ。……まあ、大丈夫そうっス。角とかは出してる状態っスけど。……分かりました」

 電話を切ると、高橋はリサの方を見た。

 高橋「先生がお呼びだ。事務所に行け」
 リサ「分かった」

 リサは頷くと、エレベーターに乗って2階の事務所に向かった。
 そして、2階に到着する。

 リサ「先生!」
 愛原「よお、リサ。元気になったか?」
 リサ「二日酔いは治まった。生理になったくらい」

 リサは自分のブルマの股間を指さして言った。

 愛原「ん?そうなのか。鬼の姿でいるのは、その為か。まあいいや。善場係長からも聞いてると思うが、俺が上野利恵の所に行ったのは、係長からの依頼で、あの仮面を手に入れる為だよ」
 リサ「知ってる。善場さんから聞いた」
 愛原「確かに利恵とは色々話したが、別にそれだけだぞ?」
 リサ「分かったよ。『所有の証』は付けられていないみたいだからね」
 愛原「『所有の証』?何だそれ?」
 リサ「それは……こういうこと!」

 ガブッ!(リサ、愛原の左手に噛み付く)

 愛原「いっでーっ!?」
 リサ「爪で引っ掻いたり、歯型を付けたりするの。あとは、おしっこ掛けてマーキングとかね」
 愛原「動物か!」
 リサ「先生だって、『1番』にされたじゃん。今度はわたしがするんだからね!今なら、生理の血がついたオシッコだよ!」
 愛原「カンベンしてくれ……。でもまあ、これくらい元気なら学校には行けそうだな」
 リサ「少し頭痛がするくらい。頭痛薬ちょうだい」
 愛原「なに?そうなのか?やっぱりまだ二日酔いが……」
 リサ「いや、たっぷり寝たから、それはもう無いよ。多分、寝過ぎたせいと、あと、生理のせいもあると思う」
 愛原「そうか。それなら、救急箱に……。ほれ、ロキソニン。これでも飲んでろ」
 リサ「ありがとう」
 愛原「BOWのオマエに効くのか?」
 リサ「わかんないねー。ソルマックは効いた感あるよ」
 愛原「あれも、第2類医薬品のヤツを買ってたからな。また、ドラッグストアに行って買って来なきゃな……」
 リサ「なるほど」

[同日19時00分 天候:晴 同地区内 愛原家3階ダイニング]

 リサ「ごちそうさま。今日はキノコの多い鍋だったね」
 パール「今日はキノコ類が特売だったんです。先生、食後のコーヒーお入れしますね」
 愛原「ああ、すまない。リサも飲むか?」
 リサ「飲むー」
 愛原「というわけだ」
 パール「かしこまりました」

 リサは片付けを手伝った後、リビングに移動してスマホをチェックした。
 『魔王軍』メンバーから今日休んだことを心配されおり、さすがに二日酔いだとは言えず、久しぶりに重い生理が来たので、休んでいたと答えた。
 実際、生理は来ているので、ウソではない(生理は後から来たものである為、厳密にはウソになる)。
 リサがやり取りするのは『魔王軍』だけでなく、『魔王軍沖縄支部』もある。
 一応、グループは分けていた。

 リサ「今日は久しぶりに重いのが来たんで、さすがに学校は休んだ」
 我那覇絵恋「リサさん、大丈夫?」
 リサ「Gウィルスが動いてくれれば、割かし軽くなる。明日は学校行けそう」
 絵恋「それなら良かった。生理の時のブルマって、何か使い勝手悪くない?」
 リサ「そうか?」
 絵恋「陸上部で、どうしてブルマとスパッツの両方あるのかの理由が分かったよ」
 リサ「なるほど。そっちは変わったことは無い?」
 絵恋「異常無しですよ。ただ、放課後、黒服の人達が学校に来たくらいですけど」
 リサ「ん?」
 絵恋「デイライトって名乗ってたわ」
 リサ「おー!もうそっちに行ったんだ!」
 絵恋「やっぱり、リサさんは知ってるのね」
 リサ「多分、斉藤早苗の所に行ったんじゃないか?」
 絵恋「そうなの。でも、何かおかしいのよ」
 リサ「……オマエ、さっき『異常無し』とか言ってなかったか?」
 絵恋「『魔王軍沖縄支部』は異常無しです!早苗さんは『魔王軍』の正式メンバーではないので!」
 リサ「それで、何がおかしかったの?」
 絵恋「何度も校内放送が流れたの。ほら、『斉藤早苗さん、斉藤早苗さん、至急職員室まで』とかっていう放送」
 リサ「ああ!何度も流れたということは……」
 絵恋「なかなか職員室に行かなかったってことだね」
 リサ「エレンは知らないの?」
 絵恋「早苗さん、他のクラスだからね。だから結局、早苗さんがデイライトの人達と会ったかどうか分からないのよ」
 リサ「ふーん……」

 確かにクラスが違えば、なかなか事情も分かるまい。
 この時は、ちょっとした行き違いでもあったのだろう程度にしか思わなかったリサだが……。
コメント (4)
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“私立探偵 愛原学” 「リサの二日酔い」

2024-06-23 14:41:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月13日06時30分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・リサの部屋]

 愛原「リサ、朝飯の時間だぞ!学校はどうするんだ!?」
 リサ「頭が痛い……気持ち悪い……食べたくない……休む……」

 リサはベッドに横になって、頭から布団を被っていた。
 リサの部屋は、酒の臭いが充満している。
 昨夜帰ってから部屋を除いたら、リサの部屋は“鬼ころし”のパックが部屋中に散乱していた。
 そして、ベッドの上に大の字になって鼾をかいて眠っていた。
 で、朝になったらこのザマだ。

 愛原「未成年のくせに二日酔い起こしやがって!“鬼ころし”はお前が暴走しない為に、特別に少量だけ薬として飲むことが許されているだけなんだぞ!」
 リサ「大きな声出さないで……!頭に響く……!」

 リサは更に頭から布団を被った。

 リサ「体が消えちゃいそう……」
 愛原「えっ?」
 リサ「…………」

 すると、布団の膨らみが無くなって行く。

 愛原「おい、リサ!」

 私は上から布団を押してみた。
 すると、感触が無い!

 愛原「!?」

 慌てて掛布団を剥がしてみると、そこいたはずのリサがいなくなっていた。
 リサが消えた!?

 愛原「わああああ!!」

 私は慌てて部屋を飛び出した。
 そして、階段を駆け下りて3階のダイニングに飛び込む。

 愛原「たっ、たっ、大変だーっ!リサが消えたーっ!!」
 リサ「だから大きな声出さないでよ……」
 愛原「えっ!?」

 リサはダイニングにいて、冷蔵庫を開けていた。

 リサ「確かここに……ソルマックがあったよね……」
 パール「先生、差し上げて宜しいのでしょうか?」
 愛原「てか、何でオマエここにいるの!?」
 リサ「えっ……何が……?」
 愛原「さっきまで布団にいただろうが!?ワープでもできんのか、お前はーっ!?」
 リサ「ちょっと……何言ってるか分かんない……」
 愛原「何で分かんねーんだよ!パール、リサのヤツ、いきなり現れたのか!?」
 パール「どうでしょうねぇ……。ただ、いつの間にかいらっしゃったって感じです」

 リサは無言でソルマックを飲み干した。

 リサ「寝てる……」
 愛原「絶対、テレポートしたはずなんだよなぁ……」

 特異菌に感染してモールデッドなどのクリーチャーになったり、BOWになったりした者は、たまにそういうことができるらしい。
 リサも元は特異菌を持っていたわけだし、今も無毒化されているとはいえ、特異菌もどきを持っているわけだから……。
 リサは今度は階段を通って、4階へと上がって行った。

 高橋「先生、どうします?」
 愛原「さすがに、酒臭いまま登校させるわけにはいかんだろ。今日は休ませるよ」
 高橋「分かりました」
 愛原「学校へは明日、連絡しておく。お前は善場係長に連絡しておいてくれ」
 高橋「了解です。元々今日、ねーちゃんが来ることになってるんスよね?」
 愛原「ああ。9時には来られる。例の仮面を取りにな。事務所オープンと同時に御到着だ」
 高橋「で、その足で沖縄に行かれると?」
 愛原「係長御自身は行かれないだろうが、仮面は調査員に渡されるんだろう」
 高橋「なるほど」

 今朝の朝食は和食。
 サバの塩焼きと玉子焼きが出て来た。
 肉系は無いので、それもまたリサが食欲の無い理由か。
 Gウィルスを抱えているおかげで、リサは例え相手がエイズだろうがエボラだろうが、感染することはない。
 それらのウィルスが体内に入っても、Gウィルスが食べてしまうからだ。
 無毒化前の特異菌があった頃は、特異菌がインフルエンザやら新型コロナを取り込んでいた。
 人間を化け物に変えてしまう最強最悪のウィルスは、殺人ウィルスでさえもエサに過ぎないのである。
 幸いなのは、Gウィルスは空気感染や経口感染などはしないこと。
 Gウィルスが胚を形成し、それを他の生物に植え付けることで繁殖する。
 ところがその胚を特異菌が食べてしまうので、リサのGウィルスは外に漏れることは無かった。

[同日09:00.天候:曇 同地区内 愛原学探偵事務所2階]

 約束の時間通り、1階のガレージに黒塗りのミニバンが到着する。
 そこから善場係長が降りてきて、2階の事務所まで上がって来られた。

 愛原「おはようございます!善場係長!」

 エレベーターのドアが開くと同時に、私は係長を出迎えた。

 善場「おはようございます。愛原所長。昨日はお疲れさまでした」
 愛原「いいえ、恐れ入ります!どうぞ、こちらへ!」

 私は善場係長を応接コーナーへと案内した。

 愛原「こちらが、例の仮面です」
 善場「ありがとうございます。2つありますね?」
 愛原「一応、1つは予備です」
 善場「なるほど、そうでしたか。お気遣い、ありがとうございます。費用についての領収証なども、頂いて行きますよ?」
 愛原「はい、こちらです。よろしくお願いします」

 私は領収証と書類を係長に渡した。

 愛原「仮面の購入費用と、新幹線代やタクシー代などの交通費です」
 善場「かしこまりました。これだけで宜しいですか?飲食代や、上野利恵に情報料を払ったのでしたら、その情報料なども請求して頂いて構いませんよ?」
 愛原「いえ、さすがにそういうわけには……。それに、上野利恵からの情報は、あまり大したこと無い内容だったわけでしょう?」
 善場「BSAAにとっては、あまり有用とは言えないかもしれませんね。ただ、他の省庁では有益に思う所があるかもしれません」
 愛原「そういうものですかね……」
 善場「取りあえず、今お出しして頂いた費用につきましては、後ほど精算させて頂きます」
 愛原「ありがとうございます」
 善場「ところでリサは今日、学校を休んでいるそうですね?」
 愛原「さすがに、酒の臭いをさせたまま登校させるわけにはいきませんから」
 善場「体に変化などはしていないですか?」
 愛原「今のところは普通に部屋で寝ているだけです。私も時たま深酒してしまって、二日酔いになってしまうこともありますが、大体は昼ぐらいには治ります。リサもそうだといいのですが……」
 善場「そうですね。もしもリサに変化がありましたら、すぐに連絡して頂けると助かります」
 愛原「もちろんです。そうさせて頂きます」
 善場「よろしくお願い致します」

 係長が退所される時、私もガレージまで送らせて頂いた。
 運転席には係長の部下と思しき男性職員が待機していたが、係長はリアシートではなく、助手席に乗り込んだ。
 どうもリアシートにも誰か乗っていたようで、それがどうやら今回、沖縄まで行く調査員達のようである。
 これから羽田空港まで向かうようなことを言っていたので、それで間違いないだろう。
 デイライトの職員達の車はガレージから出て行ったが、シャッターを閉めるようなことはしない。
 今日は他にもクライアントが来訪する予定となっており、中にはデイライトのように車で来る人もいるからだ。
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