報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「横須賀線の旅」

2024-06-01 23:15:24 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月9日16時32分 天候:晴 神奈川県横須賀市久里浜 JR久里浜駅]

 京急久里浜駅でレイチェルと別れた私達は、そこから徒歩でJR久里浜駅に向かった。
 京急久里浜駅はショッピングセンターと併設している駅ビルであるが、JR久里浜駅の方は……。

 

 愛原「着いた」
 高橋「こ、これは……」

 

 リサ「田舎の駅みたいだね……」
 愛原「国鉄時代の駅舎のままなのかな。だから、統一的な外観をしてるよな。東北地方のどこかで撮影しましたと言っても信じてもらえそうだろ?」
 高橋「俺んとこの田舎、新潟にもありそうですよ」
 愛原「だべ?」

 言っておくが、

 

 上記写真の京急久里浜駅から、徒歩5分の所にある近所の駅である。

 愛原「まあ、藤野駅や浜金谷駅よりはデカいだろ」
 リサ「それはそうだけど……」

 駅の中に入る。

 愛原「グリーン券は俺が面倒看てやるよ」
 パール「ありがとうございます!」

 

〔お求めになる、行先の線名ボタンに触れてください〕

 私は自動券売機で、グリーン券を4枚買い求めた。
 平日ダイヤより、休日ダイヤの方が料金は安めに設定されている。

 愛原「車内改札があるから、グリーン券は1枚ずつ持とう」
 高橋「あざーっス!」
 リサ「わたし、先生の隣ィ~!」
 愛原「指定席じゃねーよw」

 駅舎は田舎の駅の外観をしていても、改札口は自動改札機である。
 そこは手持ちのSuicaやPasmoで通過する。

 愛原「無人駅じゃないところは藤野駅や浜金谷駅も同じだが、NewDaysがある辺り、かなりマシな方だろ?」
 リサ「そうだね」

 リサはNewDaysに立ち寄り、そこでジュースやお菓子を買い求めた。

 愛原「俺はビール……」
 リサ「先生は酔い潰れたからダメ!」
 愛原「そんなぁ……」
 高橋「先生、引率者が酔い潰れちゃダメっスよ」
 パール「さすがに、あのような失態は2度と繰り返してはいけないかと」
 愛原「わ、分かったよ。水にしておく」
 高橋「そうしてください」
 愛原「でも、さすがに焼肉食べ放題の時は飲ませてくれよ?」
 リサ「1杯か2杯くらいにしておくんだよ?また酔い潰れたら、今度は電撃じゃ済まないかもね?……済まないっちゃー!ってねw」
 愛原「ハハ……気を付けよう」

 島式ホーム1面2線の駅であるが、コンコースからは跨線橋渡ってホームに向かうという導線は浜金谷駅と同じ。
 しかし違うのは、エレベーターもエスカレーターも設置されているということだった。
 そこは東京方面直通電車が定期運転されている路線の駅ということだ。

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の2番線の電車は、16時42分発、総武快速線直通、千葉行きです。この列車は、11両です。グリーン車が付いております。……〕

 ホームに到着すると、まだ電車は来ていなかった。

 

 愛原「えーと……5号車にしよう。2階席と平屋席はどっちがいいかな?」
 高橋「1階席は選択肢に無いんスねw」
 愛原「寝る分にはいいんだがな」
 高橋「確か、1階席と2階席には棚が無いんスよね?」
 愛原「天井が低いからな。……土産の分があるか?」
 高橋「そうっス」
 リサ「私もリュックに入らなかった。もっと大きいのにしてくれば良かったなぁ……」
 愛原「分かった。平屋席に行くか。ちょっとした個室感覚だ」
 高橋「そうっスね」

〔まもなく2番線に、当駅止まりの電車が到着致します。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。この列車は、11両です。折り返し、16時42分発、総武快速線直通、千葉行きとなります。……〕

 列車の接近放送がホームに響く。
 ホームの向こう側には広大な留置線があるが、そこに止まっている車両は無い。
 また、本線は久里浜駅を出て左にカーブするが、ちょうどそのような留置線に回り込むような形になっている為、本線が留置線に隠れてしまって先が見えない錯覚を生んでいる。

 

 やってきたのは、新型車両の方だった。

〔くりはま~、久里浜~。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕

 でも、これ幸い。
 新型車両の方がグリーン車にはWiFiルータが搭載されている。
 到着すると、ロングシートしか無い普通車の方は、ここまでの乗客が降りたらすぐに乗り込めるが、グリーン車は違う。
 清掃員が乗り込み、ゴミ箱のゴミを回収したり、リクライニングシートを反転させたりと、特急列車の折り返し作業のようなことをしている。
 それが終わってから、ようやく乗り込める。

 愛原「いよいよ今日の旅行、最後の電車だ。ゆっくり寛ぎたいね」
 リサ「うんうん」
 愛原「そうだ、リサ。写真撮ってやろう」

 

 私はリサを乗車口の横に立たせると、スマホで写真を撮った。
 もちろんこれも、報告書の写真に添付しておく。
 それから私達は、ガラガラのグリーン車に乗り込んだのだった。
 京急の方は黙ってても賑わっているのだが、ここは本当に静かである。
コメント
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