報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「決闘開始」

2020-11-03 14:38:29 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月31日07:30.天候:晴 神奈川県相模原市緑区 (独)国家公務員特別研修センター]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 この研修センターに来たのは8ヶ月ぶりくらいだ。
 相変わらず厳しい入構手続きがあるのは、前の通り。
 そこでようやく入構手続きが終わって中に入ると、いくつかある建物のうちの本館に相当する建物に案内される。
 そこには食堂があり、そこで私達は朝食にありつくことができた。
 焼き魚定食が出たが、リサは魚を骨ごとバリバリ食う。
 第一形態で戦って良いとのことなので、既にその形態になっているからだ。

 善場:「皆さん、おはようございます」

 そこへ善場がやってくる。

 愛原:「おはようございます」
 善場:「遠路はるばる御苦労様です。朝食が終わりましたら、控室に移動してください」
 愛原:「分かりました」
 善場:「食べながらでいいので聞いてください。リサには第一形態で戦ってもらいます。但し、相手を殺してはいけません。また、私達が審判を務めますが、試合中は私達の指示に従ってください」
 愛原:「そういうことだぞ、リサ」
 リサ:「はい」
 善場:「会場は敷地内にあります体育館です」
 リサ:「殺さないで勝つにはどうすればいいの?」
 善場:「相手を気絶させるか、ギブアップさせればいいのです」
 リサ:「ギブアップ……」
 善場:「逆に、あなたも気絶したり、ギブアップしたら負けということです」
 リサ:「なるほど。分かった」

[同日09:00.天候:晴 同センター 体育館]

 私達が会場の体育館に行くと、既に栗原蓮華さんは会場入りしていた。
 どうやら妹の栗原愛里さんと一緒らしい。
 蓮華さんは剣道の防具を着けていた。

 高橋:「えっ、いいんスか、あれ?」
 愛原:「何が?」
 高橋:「向こうは防具付きで、リサはプロテクターすら無しですよ?」
 愛原:「栗原さんは生身の人間だし、リサは肉体そのものがプロテクターみたいなものだろうが」
 高橋:「そ、それもそうっスね」

 リサは黒いインナーの上から白いスポブラを着けていた。
 下は黒いミニのプリーツスカートだが、その下にはスパッツを穿いている。
 ラフな格好なのは動き易いのと、背中から触手を生やした時など、背中が空いている服がいいからだ。

 善場:「それでは付添人の方々は、2階へお願いします」
 愛原:「はい。それじゃリサ、頑張れよ」
 高橋:「殺すんじゃねーぞ」
 リサ:「うん、分かったっ」

 私達は体育館の2階にある窓の前の通路に移動した。
 ここからアリーナ部分を見下ろす形となる。

 リサ:「ふん……」

 リサと栗原蓮華がアリーナ中央で見合う形となる。
 その時、リサは愛原達とは反対側の2階にいた栗原愛里を見た。
 そして、蓮華に向き直る。

 リサ:「あなたの妹を『捕食』しようとして、結果、イジメになっちゃったことは謝るよ。だけど、愛原先生や善場さんにあれだけ言われても止めないなんて異常だよ」
 蓮華:「……化け物と話す気はない。化け物は殺す。ただそれだけだ」

 蓮華の左足は紺色の袴で隠れているので分からないが義足だろう。
 リサは一応、蓮華の剣道の試合の様子を撮影した動画を観ていた。
 霧生市の大会で優勝し、県大会でも上位に食い込んだ蓮華の様子はYouTubeにもアップされるほどであった。
 その動きたるや、本当に義足を着けているとは思えないほどである。
 あるパラリンピックの選手が、自身の目標として、普通のオリンピックに出場し、健常者の選手と戦いたいことを挙げていた。
 これを蓮華が言えば、物凄く納得できる。
 そう感じさせるほどだった。

 リサ:「今帰ってくれれば、妹を泣かせるようなことにはならないよ。あなたが負けたら、妹はまた泣くでしょ?」
 善場:「始め!」
 蓮華:「ナメるな!」

(BGM:https://www.youtube.com/watch?v=ycEQ9FiLuWU FF7リメイク タークス・レノ戦のテーマ)

 蓮華が木刀を振り上げて突っ込んで来る。
 リサはそれを避けた。

 リサ:(見た目は普通の木刀。それがどうやって斬れる?でも、斬れたところで私の傷はすぐに回復する)

 高橋:「先生、あの剣道女は本当にリサに勝てるつもりなんですかね?」
 愛原:「だが、今まで勝ってきた。西日本に潜伏していたという『3番』と『5番』を倒したのは彼女だって話だからな」

 『0番』のことは詳細不明。
 『1番』も詳細不明だが、リサと同じ力もしくはそれ以上の力を持ち、栗原さん達の仇でもある。
 霧生市もしくはその周辺に潜伏しているものと思われる。
 『2番』はうちのリサのこと。
 『4番』は仙台にうちのリサと一緒に潜伏していたが、その力を暴走させて大型の化け物に変化してしまい、BSAAに掃討されている。
 『6番』は吉田美亜のこと。
 宮城県で高橋&うちのリサ戦をしていたが、プリウスで公一伯父さんが特攻した際、壁に開いた穴から差し込んだ西日の直射を浴びて灰になって死んでいる。
 『7番』~『9番』も詳細不明。
 リサの前に現れたヤツというのが、そのいずれかと思われる。
 『10番』は現認できる範囲でただ一人の男子。
 これも現在、この世にいない。
 『11番』以降は存在が仄めかされているが、詳細不明。
 実際、何番まであるのかも不明。

 蓮華:「でやぁーっ!」

 蓮華が木刀を振るう。
 その刃はリサには直接当たっていないはずだが、何故かリサの腕から血が噴き出た。

 愛原:「なにぃっ!?」 
 高橋:「ガチで木刀で斬りましたよ!?」
 高野:「あの女……できる……!」

 よく見ると蓮華の木刀には筆で、『南無妙法蓮華経』と書かれていた。

 高橋:「あの木刀、御経書いてやがる!不気味だな、おい!」

 他には『謗法呵責』とか、『悪鬼滅散』とか書いてある。

 蓮華:「やっぱりアンタは悪鬼。だから斬れた。このまま首を刎ねてやる!」
 リサ:「……やれるもんならやってみな」

 リサは蓮華と間合いを取った。
 この時点で浅く斬られた傷は治っている。
 リサは背中から4本の触手を出した。

 リサ:「あんたの尿道と肛門にも触手を突っ込んで、老廃物を『捕食』してやろうか?」
 蓮華:「化け物め……!」

 この後、リサの反撃が開始される……!?

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