[4月14日18時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/bb/c495374f145a672c232351facb958a0d.jpg)
(画像拝借「@もつ」様 https://x.com/kikomotu)
夕食の時間になり、私達は3階のダイニングで食卓を囲んだ。
今日のおかずは、豚肉の生姜焼きだ。
私はばら肉と玉ねぎではなく、ロース肉数枚派である。
リサもこの方が肉が多くなると思ったのか、こちらに一票入れてくれている。
ただ、学食に出て来る生姜焼きは、ばら肉と玉ねぎなのだそうだ。
まあ、栄養のバランスとしては、そちらの方がいいのかもしれない。
愛原「リサ、食事中のオッサンじゃあるまいし、スマホを見ながら飯は食わないように」
リサ「なーに、それ?」
高橋「先生だけの特権だってこった!分かれや!」
パール「まあまあ」
リサ「あ、そういうこと!そういうことなら……」
愛原「テレビなら観ていいから」
私ら氷河期世代の中には、団塊世代の親達から、食事中のテレビ視聴を禁止された所もあったらしいな。
だが幸い私の家では、両親もテレビ好きだったこともあり、禁止された記憶は無い。
さすがに帰省中、スマホは注意されたがな。
まさかアラフォーになって、未だに親に注意されるとは思わなかったよ。
リサがスマホをテーブルの片隅に置いた時、そこからLINEの着信音が流れた。
リサ「あ、エレンからLINE」
愛原「絵恋とLINEしてたのか。何か新しい情報あった?」
リサ「何かね、斉藤早苗のことなんだけど、学校には来てるみたいなんだよ」
愛原「それで?」
リサ「でも、デイライトの関係者とか、それっぽい人が来ると、いつの間にかいなくなってるんだって」
愛原「ふーん……。でも、その斉藤早苗は、エレンと一緒に行動してることが多いんだろ?そこを狙って行けばいいんじゃないかな?」
リサ「それが、そういう時は来ないみたいなの」
愛原「何だか、ルイジアナ州ベイカー事件の特異菌みたいだな」
リサ「ねー」
もしかして沖縄中央学園って、実は特異菌まみれになってるのでは?
いや、しかし、だとしたら、とっくにデイライトの関係者に発見されているはずだ。
愛原「他には?」
リサ「『ブルマ復活計画は進んでるか?』と聞いたら、色んなブルマ画像送りつけてきやがった。多分、エレンなりの成果報告」
そう言ってリサは、画像を見せた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/f1/21e0579990bc72b751c118d3939357d8.jpg)
(画像拝借「ぶる万次郎 ~AIブルネッサンス~」様 https://x.com/bm89632067)
愛原「緑ブルマが浸食している……」
リサ「東京中央学園に合わせてるらしいよ。沖縄中央学園は青なのにね」
この中にエレンは映っていなかったので、自分が撮影したのだろう。
リサ「あとは仙台、静岡、北海道か。さすがに『魔王軍』の侵攻は難しいねぇ……」
愛原「別にいいよ。……ってか、侵攻って何だ、侵攻って!」
高橋「先生。明日は先生の御両親が上京されるんでしたね」
愛原「そうなんだ。迎えに行かないと」
高橋「東京駅まででしたら、車出しますよ?」
愛原「いや、残念ながら東京駅じゃない」
高橋「ん?と、言いますと……?」
愛原「バスタ新宿だよ」
高橋「は?」
愛原「うちの両親も変わっていてねぇ……。交通費はケチッて、その分、現地で金使おうってハラなんだ」
高橋「そういうことでしたか。え、でも、沖縄だから、飛行機っスよね?」
愛原「当然だよ。でも、LCCだ」
高橋「ああ!それなら安く行けますね。で、ついでに先生、空港の下見ですね?」
愛原「それが、そうもいかないんだ」
高橋「え?」
愛原「両親、ジェットスター予約したらしくて、あれ、成田から出るんだよ」
高橋「ええっ、マジっすか!?」
愛原「そこで、俺が考えているのはな……」
[4月15日05時21分 天候:晴 同地区内 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線501T電車・最後尾車内]
リサ「ねむ……」
愛原「だから言っただろ。両親連れて来るまで、寝てていいって」
リサ「嫌だ……。先生と一緒に行く……」
翌日早朝、私とリサは菊川駅にいた。
両親は夜行バスで来るという。
本当に、団塊世代はバイタリティが凄い。
バブル世代はそれ以上だが。
〔まもなく、1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で、到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
乗る電車も、始発電車の次の電車。
強風を巻き起こしながらやってきた電車は、東京都交通局の車両。
週末の早朝ということもあり、車内の乗客はそんなに多くない。
リサは学校の制服を着ていた。
これがリサなりの、『正装』らしい。
もしも大学に行ったら、スーツでも着るつもりだろうか?
それとも……『なんちゃって制服』か?
リサなら、まだ制服が似合うんだよなぁ……。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/7a/71fe9edef1ebcb8f5151e9a9ad2e005b.jpg)
ホームドアと電車のドアが開いて、私達は電車に乗り込んだ。
空いている座席に並んで座る。
すぐに短い発車メロディが鳴る。
〔1番線、ドアが閉まります〕
電車のドアとホームドアが閉まる。
特に駆け込み乗車は無かったか、再開閉することなく、乗務員室から発車オーライのブザーの音が聞こえて来た。
エアーの抜ける音がして、電車が動き出す。
モーターを積んでいる車両に乗れば、インバータ制御のモーター音が聞こえて来るのだろうが、最後尾ではあまり聞こえない。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
リサは座席に座るとスマホを取り出すわけでもなく、私に寄り掛かって目を閉じた。
今は角を生やしているわけでもなく、普通の人間の姿である。
こうしている間は、本当に普通の人間と変わらない。
これが当たり前になるには、あとどのくらい先になるのだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/bb/c495374f145a672c232351facb958a0d.jpg)
(画像拝借「@もつ」様 https://x.com/kikomotu)
夕食の時間になり、私達は3階のダイニングで食卓を囲んだ。
今日のおかずは、豚肉の生姜焼きだ。
私はばら肉と玉ねぎではなく、ロース肉数枚派である。
リサもこの方が肉が多くなると思ったのか、こちらに一票入れてくれている。
ただ、学食に出て来る生姜焼きは、ばら肉と玉ねぎなのだそうだ。
まあ、栄養のバランスとしては、そちらの方がいいのかもしれない。
愛原「リサ、食事中のオッサンじゃあるまいし、スマホを見ながら飯は食わないように」
リサ「なーに、それ?」
高橋「先生だけの特権だってこった!分かれや!」
パール「まあまあ」
リサ「あ、そういうこと!そういうことなら……」
愛原「テレビなら観ていいから」
私ら氷河期世代の中には、団塊世代の親達から、食事中のテレビ視聴を禁止された所もあったらしいな。
だが幸い私の家では、両親もテレビ好きだったこともあり、禁止された記憶は無い。
さすがに帰省中、スマホは注意されたがな。
まさかアラフォーになって、未だに親に注意されるとは思わなかったよ。
リサがスマホをテーブルの片隅に置いた時、そこからLINEの着信音が流れた。
リサ「あ、エレンからLINE」
愛原「絵恋とLINEしてたのか。何か新しい情報あった?」
リサ「何かね、斉藤早苗のことなんだけど、学校には来てるみたいなんだよ」
愛原「それで?」
リサ「でも、デイライトの関係者とか、それっぽい人が来ると、いつの間にかいなくなってるんだって」
愛原「ふーん……。でも、その斉藤早苗は、エレンと一緒に行動してることが多いんだろ?そこを狙って行けばいいんじゃないかな?」
リサ「それが、そういう時は来ないみたいなの」
愛原「何だか、ルイジアナ州ベイカー事件の特異菌みたいだな」
リサ「ねー」
もしかして沖縄中央学園って、実は特異菌まみれになってるのでは?
いや、しかし、だとしたら、とっくにデイライトの関係者に発見されているはずだ。
愛原「他には?」
リサ「『ブルマ復活計画は進んでるか?』と聞いたら、色んなブルマ画像送りつけてきやがった。多分、エレンなりの成果報告」
そう言ってリサは、画像を見せた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/f1/21e0579990bc72b751c118d3939357d8.jpg)
(画像拝借「ぶる万次郎 ~AIブルネッサンス~」様 https://x.com/bm89632067)
愛原「緑ブルマが浸食している……」
リサ「東京中央学園に合わせてるらしいよ。沖縄中央学園は青なのにね」
この中にエレンは映っていなかったので、自分が撮影したのだろう。
リサ「あとは仙台、静岡、北海道か。さすがに『魔王軍』の侵攻は難しいねぇ……」
愛原「別にいいよ。……ってか、侵攻って何だ、侵攻って!」
高橋「先生。明日は先生の御両親が上京されるんでしたね」
愛原「そうなんだ。迎えに行かないと」
高橋「東京駅まででしたら、車出しますよ?」
愛原「いや、残念ながら東京駅じゃない」
高橋「ん?と、言いますと……?」
愛原「バスタ新宿だよ」
高橋「は?」
愛原「うちの両親も変わっていてねぇ……。交通費はケチッて、その分、現地で金使おうってハラなんだ」
高橋「そういうことでしたか。え、でも、沖縄だから、飛行機っスよね?」
愛原「当然だよ。でも、LCCだ」
高橋「ああ!それなら安く行けますね。で、ついでに先生、空港の下見ですね?」
愛原「それが、そうもいかないんだ」
高橋「え?」
愛原「両親、ジェットスター予約したらしくて、あれ、成田から出るんだよ」
高橋「ええっ、マジっすか!?」
愛原「そこで、俺が考えているのはな……」
[4月15日05時21分 天候:晴 同地区内 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線501T電車・最後尾車内]
リサ「ねむ……」
愛原「だから言っただろ。両親連れて来るまで、寝てていいって」
リサ「嫌だ……。先生と一緒に行く……」
翌日早朝、私とリサは菊川駅にいた。
両親は夜行バスで来るという。
本当に、団塊世代はバイタリティが凄い。
バブル世代はそれ以上だが。
〔まもなく、1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で、到着します。ドアから離れて、お待ちください〕
乗る電車も、始発電車の次の電車。
強風を巻き起こしながらやってきた電車は、東京都交通局の車両。
週末の早朝ということもあり、車内の乗客はそんなに多くない。
リサは学校の制服を着ていた。
これがリサなりの、『正装』らしい。
もしも大学に行ったら、スーツでも着るつもりだろうか?
それとも……『なんちゃって制服』か?
リサなら、まだ制服が似合うんだよなぁ……。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/7a/71fe9edef1ebcb8f5151e9a9ad2e005b.jpg)
ホームドアと電車のドアが開いて、私達は電車に乗り込んだ。
空いている座席に並んで座る。
すぐに短い発車メロディが鳴る。
〔1番線、ドアが閉まります〕
電車のドアとホームドアが閉まる。
特に駆け込み乗車は無かったか、再開閉することなく、乗務員室から発車オーライのブザーの音が聞こえて来た。
エアーの抜ける音がして、電車が動き出す。
モーターを積んでいる車両に乗れば、インバータ制御のモーター音が聞こえて来るのだろうが、最後尾ではあまり聞こえない。
〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
リサは座席に座るとスマホを取り出すわけでもなく、私に寄り掛かって目を閉じた。
今は角を生やしているわけでもなく、普通の人間の姿である。
こうしている間は、本当に普通の人間と変わらない。
これが当たり前になるには、あとどのくらい先になるのだろうか。
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