[5月10日24時00分 天候:曇 沖縄県那覇市某所 那覇中央ホテル]
太平山美樹「あと1回!」
美樹が金棒で絵恋の頭頂部を殴る。
既に金棒は棘がいくつか取れ、少し曲がっていた。
殴った所からは、光る瘤が現れ、そこが弱点である。
BSAAの戦闘ヘリが機銃掃射で、そこを集中攻撃する。
絵恋「ギャアアアアアッ!!」
ついにHPが0になった絵恋は断末魔を上げながら、体中を石灰化させていった。
美樹「石化した!?」
リサ「石灰化だよ!……特異菌に感染していたんだ……」
美樹「特異菌???」
リサ「あんたがどういう『鬼』で、わたしに近づいたか知らないけど、こっちはもっとヤバいことになってる。こいつは……巻き込まれただけなんだ……」
美樹「一体、どういうことだ?」
首だけになった絵恋がリサの近くに落ちる。
その首は化け物ではなく、人間の状態だった。
リサ「一体どうしてこんなことになった!?」
絵恋「気をつけ……斉藤……早苗……。変なクッキー……食べ……ジュース……」
そして、最後に残った首も石灰化していった。
リサ「斉藤早苗か……」
美樹「斉藤早苗……」
リサ「デザート……食べられなかった……」
リサは石灰の1つを手に取ると、名残惜しそうにした。
美樹「デザート?」
と、そこへ……。
愛原「リサ!リサ!大丈夫だったか!?」
愛原と善場が駆け付けた。
リサ「愛原先生……」
それから上空からは、BSAAの隊員達がヘリからロープを使って降下している。
愛原「ケガは無いか!?」
リサ「うん、大丈夫」
愛原「ここはBSAAが捜査を始める!もうすぐ立入禁止になるから、ここから離れよう!」
リサ「分かった」
善場「絵恋は倒したのですね?」
リサ「うん。これが、その残骸」
リサは石灰を見せた。
善場「特異菌に感染していたわけですか。しかし、どうして気づけなかったのか……」
リサ「斉藤早苗に変なクッキーやらジュースやら飲まされて、それで感染したらしいよ」
善場「やはり斉藤早苗ですか」
美樹「あの……」
そこへ美樹が話し掛けた。
善場「あなたは……?」
美樹「秋田県の秋北学院高校の太平山美樹と言います。さっきから斉藤早苗ってコ、探してるみてぇスけど、うちに来たことがあるんで、何か関係あるんスか?」
善場「何ですって?……あなたの素顔は?」
美樹「ああ……」
美樹はやっと般若の仮面を外した。
そこには高校3年生女子、年相応の整った顔立ちが現れた。
髪はリサよりも短く切っていてボーイッシュ。
但し、リサと同じように、頭からは2本角が生えている。
そして、口元には牙が覗いていた。
善場「BSAAのアプリに反応しない。あなた、一体……」
美樹「よく分かんねぇけど、私は鬼の末裔です。ただ、先祖返り起こしてるみたいで、私の代、結構こういう御先祖様みてぇなことになっちゃってて……」
善場「リサのようにGウィルスなどを保有することで、『鬼のような』姿に変化しているというわけではなく、本当に元から鬼だったのですね」
美樹「まあ、そういうこってす。一体……東京じゃ何が起きてるんスか?それとも、沖縄だから、こんなことになったんですか?」
美樹は東北の訛りを交えながら、本当にワケが分からないといった感じだった。
美樹「私は、同族が沖縄の化け物と戦ってるみてぇだから助太刀しようと思って来たんですが……」
善場「……機会があれば、いずれお話しします。どうも、斉藤早苗とも関わりがあるようなので、後ほどお話しを伺うことになるでしょう。連絡先を交換させて頂けませんか?」
美樹「はい……」
リサ「栃木の……板室温泉に泊まりに来た『秋田の鬼族』って、あなたのこと?」
美樹「ああ、そうです。栃木で同族が経営している温泉があるって聞いて、相互扶助の精神で泊まりに行ったことがあります」
リサ「京都からも酒呑童子の関係者が泊まりに行ったってよ」
美樹「あの酒呑童子!秋田でも有名ですっけ!」
リサ「まあ、わたしは2度と行きたくないけど」
美樹「んん?」
善場「取りあえず、ここを離れましょう。リサはBSAAへ。メディカルチェックを行います。あなたも来てください。いくら鬼族の末裔とはいえ、特異菌に感染していると良くないので」
美樹「さっきからその特異菌って何なんスか?」
愛原は、かつて我那覇絵恋だった石灰の欠片達を指さして答えた。
愛原「簡単に言えば、人間をあんな化け物に変化させてしまう、恐ろしい菌だよ」
美樹「ええっ!?生まれてこの方、インフルエンザにも罹ったことの無い私が!?」
リサ「鬼って凄いよねぇ!」
愛原「お前が言うな!……まさか、永遠に生きてるわけじゃないだろうな?」
美樹「いえ、さすがにそれは無いです。吸血鬼とかじゃないんで。ただ、かなり長生きですよ。私の曽祖父ちゃん、113歳まで生きました」
愛原「長っ!」
美樹「だいたい、曾孫が大人になる頃に死ぬってーのが、うちの家系です」
善場「……もしかして、アンブレラの関係者がそちらに行ったりしませんでしたか?」
美樹「あ、来ましたよ。何か、『血を採らせてくれー』とか来たらしいですが」
善場「やっぱり……」
愛原「何か御存知なんですか?」
善場「……後ほど、お話しします」
現場ではBSAAが、かつて我那覇絵恋だった石灰を回収している。
解析や分析を行うのだろう。
リサ達は規制線の外に出ると、そこに止まっていたBSAAの装甲車に乗り込んだ。
美樹「ゴツい軍用車だなゃ~!初めて乗るっちゃね!」
愛原「ところでキミも修学旅行中でしょ?抜け出してきて、大丈夫なの?」
美樹「うちの学校、ビジネスホテル貸切で泊まってるんですよ。1人1部屋なんで、起床時間までに戻れば大丈夫です」
リサ「そういうもんなのか……」
尚、リサ達より後に沖縄入りした為、同じ3泊4日でも、帰りはリサ達より遅いとのこと。
愛原「秋北学院ってことは、秋田県北部だな。大館能代空港からだと、那覇までの直行便は無いだろ?」
美樹「へエ。なもんで、羽田で乗り換えです」
愛原「なるほど」
かつては伊丹空港へも航空便があり、沖縄方面への乗り換えなら、そちらの方が時間も短縮されるだろうが、あいにくと今は運休中であり、今は羽田便しか飛行機が飛んでいない。
よって、乗り換えは羽田でしかできないわけである。
まあ、羽田~那覇はその便数も多いので、乗り換えには困らないが。
太平山美樹「あと1回!」
美樹が金棒で絵恋の頭頂部を殴る。
既に金棒は棘がいくつか取れ、少し曲がっていた。
殴った所からは、光る瘤が現れ、そこが弱点である。
BSAAの戦闘ヘリが機銃掃射で、そこを集中攻撃する。
絵恋「ギャアアアアアッ!!」
ついにHPが0になった絵恋は断末魔を上げながら、体中を石灰化させていった。
美樹「石化した!?」
リサ「石灰化だよ!……特異菌に感染していたんだ……」
美樹「特異菌???」
リサ「あんたがどういう『鬼』で、わたしに近づいたか知らないけど、こっちはもっとヤバいことになってる。こいつは……巻き込まれただけなんだ……」
美樹「一体、どういうことだ?」
首だけになった絵恋がリサの近くに落ちる。
その首は化け物ではなく、人間の状態だった。
リサ「一体どうしてこんなことになった!?」
絵恋「気をつけ……斉藤……早苗……。変なクッキー……食べ……ジュース……」
そして、最後に残った首も石灰化していった。
リサ「斉藤早苗か……」
美樹「斉藤早苗……」
リサ「デザート……食べられなかった……」
リサは石灰の1つを手に取ると、名残惜しそうにした。
美樹「デザート?」
と、そこへ……。
愛原「リサ!リサ!大丈夫だったか!?」
愛原と善場が駆け付けた。
リサ「愛原先生……」
それから上空からは、BSAAの隊員達がヘリからロープを使って降下している。
愛原「ケガは無いか!?」
リサ「うん、大丈夫」
愛原「ここはBSAAが捜査を始める!もうすぐ立入禁止になるから、ここから離れよう!」
リサ「分かった」
善場「絵恋は倒したのですね?」
リサ「うん。これが、その残骸」
リサは石灰を見せた。
善場「特異菌に感染していたわけですか。しかし、どうして気づけなかったのか……」
リサ「斉藤早苗に変なクッキーやらジュースやら飲まされて、それで感染したらしいよ」
善場「やはり斉藤早苗ですか」
美樹「あの……」
そこへ美樹が話し掛けた。
善場「あなたは……?」
美樹「秋田県の秋北学院高校の太平山美樹と言います。さっきから斉藤早苗ってコ、探してるみてぇスけど、うちに来たことがあるんで、何か関係あるんスか?」
善場「何ですって?……あなたの素顔は?」
美樹「ああ……」
美樹はやっと般若の仮面を外した。
そこには高校3年生女子、年相応の整った顔立ちが現れた。
髪はリサよりも短く切っていてボーイッシュ。
但し、リサと同じように、頭からは2本角が生えている。
そして、口元には牙が覗いていた。
善場「BSAAのアプリに反応しない。あなた、一体……」
美樹「よく分かんねぇけど、私は鬼の末裔です。ただ、先祖返り起こしてるみたいで、私の代、結構こういう御先祖様みてぇなことになっちゃってて……」
善場「リサのようにGウィルスなどを保有することで、『鬼のような』姿に変化しているというわけではなく、本当に元から鬼だったのですね」
美樹「まあ、そういうこってす。一体……東京じゃ何が起きてるんスか?それとも、沖縄だから、こんなことになったんですか?」
美樹は東北の訛りを交えながら、本当にワケが分からないといった感じだった。
美樹「私は、同族が沖縄の化け物と戦ってるみてぇだから助太刀しようと思って来たんですが……」
善場「……機会があれば、いずれお話しします。どうも、斉藤早苗とも関わりがあるようなので、後ほどお話しを伺うことになるでしょう。連絡先を交換させて頂けませんか?」
美樹「はい……」
リサ「栃木の……板室温泉に泊まりに来た『秋田の鬼族』って、あなたのこと?」
美樹「ああ、そうです。栃木で同族が経営している温泉があるって聞いて、相互扶助の精神で泊まりに行ったことがあります」
リサ「京都からも酒呑童子の関係者が泊まりに行ったってよ」
美樹「あの酒呑童子!秋田でも有名ですっけ!」
リサ「まあ、わたしは2度と行きたくないけど」
美樹「んん?」
善場「取りあえず、ここを離れましょう。リサはBSAAへ。メディカルチェックを行います。あなたも来てください。いくら鬼族の末裔とはいえ、特異菌に感染していると良くないので」
美樹「さっきからその特異菌って何なんスか?」
愛原は、かつて我那覇絵恋だった石灰の欠片達を指さして答えた。
愛原「簡単に言えば、人間をあんな化け物に変化させてしまう、恐ろしい菌だよ」
美樹「ええっ!?生まれてこの方、インフルエンザにも罹ったことの無い私が!?」
リサ「鬼って凄いよねぇ!」
愛原「お前が言うな!……まさか、永遠に生きてるわけじゃないだろうな?」
美樹「いえ、さすがにそれは無いです。吸血鬼とかじゃないんで。ただ、かなり長生きですよ。私の曽祖父ちゃん、113歳まで生きました」
愛原「長っ!」
美樹「だいたい、曾孫が大人になる頃に死ぬってーのが、うちの家系です」
善場「……もしかして、アンブレラの関係者がそちらに行ったりしませんでしたか?」
美樹「あ、来ましたよ。何か、『血を採らせてくれー』とか来たらしいですが」
善場「やっぱり……」
愛原「何か御存知なんですか?」
善場「……後ほど、お話しします」
現場ではBSAAが、かつて我那覇絵恋だった石灰を回収している。
解析や分析を行うのだろう。
リサ達は規制線の外に出ると、そこに止まっていたBSAAの装甲車に乗り込んだ。
美樹「ゴツい軍用車だなゃ~!初めて乗るっちゃね!」
愛原「ところでキミも修学旅行中でしょ?抜け出してきて、大丈夫なの?」
美樹「うちの学校、ビジネスホテル貸切で泊まってるんですよ。1人1部屋なんで、起床時間までに戻れば大丈夫です」
リサ「そういうもんなのか……」
尚、リサ達より後に沖縄入りした為、同じ3泊4日でも、帰りはリサ達より遅いとのこと。
愛原「秋北学院ってことは、秋田県北部だな。大館能代空港からだと、那覇までの直行便は無いだろ?」
美樹「へエ。なもんで、羽田で乗り換えです」
愛原「なるほど」
かつては伊丹空港へも航空便があり、沖縄方面への乗り換えなら、そちらの方が時間も短縮されるだろうが、あいにくと今は運休中であり、今は羽田便しか飛行機が飛んでいない。
よって、乗り換えは羽田でしかできないわけである。
まあ、羽田~那覇はその便数も多いので、乗り換えには困らないが。
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