報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「沖縄戦開始」

2024-09-12 20:24:17 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月10日21時30分 天候:雨 沖縄県那覇市某所 那覇中央ホテル・8階客室]

 愛原「21時30分。見回りの時間まで、あと30分だ。俺はいつも通り、リサ達の部屋に行くから」
 高橋「分かりました。さんざんっぱら説教してやってください」
 愛原「何で説教する前提なんだよ。まあ、何かしらフザケてきそうだけどな」

 ファン♪フォン♪ファン♪フォン♪ファン♪フォン♪

〔ただいま、7階の、719号室で、火災感知器が、作動しました。係員が、確認をしておりますので、しばらく、お待ちください〕

 愛原「ん!?」

 その時、部屋の天井のスピーカーから、火災感知器作動のアラームと共に、自動放送が流れた。

 愛原「何だ、火事か!?」
 高橋「7階っつったら、修学旅行生が泊まってる部屋ですよ!?」
 愛原「マジか、誰だ!?とにかく、確認に行くぞ!」
 高橋「はい!」

 私達は部屋を飛び出した。
 幸い、ホテルの構造上、廊下の窓から、ホテルの反対側が見える。
 そちらも客室エリアになっていて……。

 愛原「な、何だありゃあ!?」

 7階の廊下の窓から、触手のような物が飛び出ていた。
 そして、向かい側から銃声のような音も……。

 愛原「何かヤバいことになってるぞ!?火事どころの騒ぎじゃない!」

 と、ここで私達のスマホがアラームを鳴らす。
 BSAAのアプリで、赤表示が出ていた。
 『近隣に「未登録」のBOWの反応あり!警戒態勢を!』というメッセージが出ている。

 愛原「『未登録』!?新種のBOWか!?」

 私は一瞬、リサが暴走して変化したのかとヒヤヒヤしていたが、もしもリサなら『未登録』とは出ない。
 だから、リサ以外のBOWなのだ。
 リサじゃなくて良かったとホッとする反面、それじゃ、一体誰だと思った。

〔「こちらは那覇中央ホテル、防災センターです。7階の客室フロアにおきまして、爆発事故が起きました。安全の為、お客様におかれましては、1階のロビーまで避難をお願い致します」〕

 防災センターから避難指示が来た。
 そりゃそうだろう。

 高橋「先生!善場のねーちゃんに報告は!?」
 愛原「今は無理だ!係長は今、飛行機の中だ!連絡は取れない!」

 善場係長は羽田空港20時発、那覇空港行きの最終便に搭乗している。
 那覇空港到着は22時40分の予定だから、まだ飛行機の中だ。
 機内では携帯電話が使えない。

 高橋「マジですか!どうしますか!?」
 愛原「とにかく、生徒達の避難誘導に当たるんだ!」
 高橋「は、はい!」

 私達は非常階段を使って、7階へと向かった。
 この時にふと気づく。
 最初の放送にあった719号室って、リサ達の部屋ではなかったかと。
 そして、あの触手の位置的には……。

 男子生徒A「わーっ!化け物だーっ!」

 7階に到着すると、生徒達はパニックになっていた。

 愛原「落ち着いて!落ち着いてこの階段から避難するんだ!!」
 高橋「オメーラ!化け物くらいでヒヨってんじゃねぇ!!さっさと愛原先生の従えや、ゴルァッ!!」
 男子生徒A「愛原先生!高橋先生!」
 男子生徒B「皆!愛原先生達か助けに来てくれたぞ!」
 愛原「一体、何があったんだ!?」
 男子生徒C「わ、分かんねぇ……分かんねぇっス!ただ、女子達の部屋から爆発音みたいなのが聞こえて来て……」

 やっぱりあの化け物か。

 愛原「高橋!俺は様子を見て来る!オマエはここで、生徒達の避難誘導に当たれ!このまま落ち着いて1階まで下りろって説明すればいい!」
 高橋「し、しかし先生……」
 愛原「俺は大丈夫だ!」

 私は持って来たショットガンを構えると、リサ達の部屋に向かった。
 実際に火災は起きていなかったが、化け物が火災感知器を壊したせいで、それで誤作動が起きたようだ。
 そして、スプリンクラーの配管も壊したのか、水が噴き出ている所もある。

 愛原「向こうに非常階段がある!そこから1階に避難するんだ!」
 女子生徒「はい!」

 ボコッと壁に穴が開いて、そこからタコの足のような触手が飛び出してくる。

 愛原「ちっ!」

 私は手持ちのショットガンを発砲した。
 それが触手に被弾し、触手は慌てて壁の奥に触手を引っ込ませる。

 愛原「リサ!」

 ようやく部屋の前まで行くと、淀橋さんと小島さんが座り込んでいた。

 愛原「大丈夫か、キミ達!?」
 淀橋「愛原先生……」
 小島「絵恋さんが……絵恋さんが……」
 愛原「絵恋!?我那覇絵恋のことか!?彼女がここに来たのか!?」
 小島「絵恋さんが化け物に……」
 愛原「何ぃっ!?」

 じゃあ、この触手の化け物の正体は絵恋なのか!?
 どうして!?
 部屋の中から、マシンガンの発砲音が聞こえる。
 どうやら、レイチェルが応戦しているようだ。

 愛原「とにかく、ここは危険だ!向こうに非常階段がある!あそこから1階に避難するんだ!」

 私は2人の手を取ると立たせた。
 2人とも、恐怖で腰が抜けてしまって、思うように歩けないようだ。

 愛原「高橋!聞こえるか!?ちょっとこっちに来て手伝ってくれ!」

 私はスマホを取ると、それで高橋に連絡した。

 高橋「先生、大丈夫ですか!?」
 坂上「愛原さん!」
 三上「愛原会長!」

 引率教師の坂上先生と三上先生も来てくれた。

 愛原「先生方、この2人を!」

 私は淀橋さんと小島さんを2人の教員に引き渡した。

 三上「何が起きてるのですか!?」
 愛原「バイオハザードです!今、BSAAのレイチェルが応戦しています!……ということは、まもなくここにBSAAの増援が到着することでしょう!ここは戦闘区域となります!直ちに生徒達を避難させてください!」
 三上「わ、分かりました!まずはロビーに避難させましょう!」
 高橋「1階にはゾンビとかいなかったのか、センセー?」
 三上「いや、特にはいなかったが……」

 どうやらピンポイントで、我那覇絵恋が化け物になっただけらしい。
 とはいえ、化け物の中にはウィルスを撒き散らすヤツもいるから、油断はできない。
 撒き散らさなくても、攻撃を受けただけで感染するということも多々ある。

 愛原「私はリサとレイチェルに接触します!先に避難しててください!高橋、オマエはこの人達の護衛に当たれ!」
 高橋「マジっすか!?危険じゃないっスか!」
 愛原「2人の様子を見て来るだけだ!早くしろ!」
 高橋「は、はい!」

 高橋達は非常階段の方に向かい、私はリサ達の部屋に向かった。

 レイチェル「HQ!HQ!こちらレイチェル!現在、那覇中央ホテル7階にて、BOWと交戦中!弾薬切れにより、現場を離脱する!大至急、増援を!」
 愛原「えっ、もう弾薬無いの!?」
 レイチェル「愛原センセイ!?」
 愛原「中はどうなってる!?」
 レイチェル「デンジャラスです!避難してください!」
 愛原「リサは!?」
 レイチェル「エレンと戦ってます!エレンはリサとの交戦に夢中です!今のうち、ここから避難しましょう!」
 愛原「マジかよ!リサにも無理はさせられんぞ!?BSAAはまだか!?」

 その時、ホテルの外からヘリコプターの音がした。
 そして、サーチライトで照らされる。
 眩しい!
 だが、ようやくBSAAの増援が来てくれたのだろうか?
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“愛原リサの日常” 「沖縄戦開戦」

2024-09-12 16:21:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月10日21時00分 天候:雨 沖縄県那覇市某所 那覇中央ホテル7階客室]

 

 和室の4人部屋で寛ぐリサ達。

 リサ「愛原先生が見回りに来るまで、あと1時間……」

 リサは私服に着替えてゴロゴロしていた。

 

 スカートの下に穿いている、学校用の緑ブルマが見え隠れしている。

 リサ「わたしが着替えている最中に愛原先生が入って来て、『ラッキースケベ』を提供して、愛原先生のハートをガッツリゲット作戦だ!協力頼む」
 レイチェル「分かりました」

 レイチェル、何故かバスタオル1枚。

 リサ「何故ッ!?」
 レイチェル「シャワーを浴びてきたところです」

 レイチェルはバスルームを指さした。

 レイチェル「寝る前に、シャワー浴びる方はどうぞ」
 小島「あー……私は湯船に浸かりたいな」

 ビジネスホテルの3点ユニットバスなので、洗い場は無い。
 大浴場もあるのだが、それとは別にここの風呂も使えることになっていた。

 リサ「分かった。じゃあ、わたしがお湯を入れてくる」
 小島「そんな!魔王様にやって頂けるなんて……」
 リサ「お湯の温度は100度でいいかな。で、お醤油とみりんと砂糖と……」
 小島「食べる気!?」
 淀橋「魔王様が美味しく頂きました」
 レイチェル「リサ、人食いは即殺処分ですよ」
 リサ「ちっ……。もうちょっとでコジマの煮込みが食べれると思ったのに……」
 淀橋「夕食あれだけ一杯食べたのに……」

 と、そこへ部屋のドアがノックされた。

 リサ「おー、愛原先生、来たー!」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 淀橋「まだ、見回りの時間に早くね?」
 小島「何か注意事項でも言いに来たんじゃない?」

 リサはドアに飛びついた。

 リサ「はーい!」

 そして、ドアを開ける。
 しかし、そこにいたのは愛原では無かった。

 我那覇絵恋「こーんばーんわー!」
 リサ「エレン!?」

 そこには我那覇絵恋が立っていた。
 私服のワンピース姿であったが、何故かズブ濡れだ。

 絵恋「差し入れ持って来たの。用意するのに時間が掛かっちゃったから、遅くなっちゃった」

 絵恋の手にはバスケットがあり、雨に濡れないよう、上からビニールのカバーが掛けられていた。

 リサ「こんな時間に、よくホテルに入れたな?先生達に見つかったら怒られるよ?」
 絵恋「このままここに泊まっちゃおうかなぁ!?」
 リサ「ダメだって。これから愛原先生達が来る。バレたら追い出されるに決まってる」
 絵恋「じゃあ、バレる前に食べて。これ、私の手作りクッキー」
 淀橋「美味しそう!」
 小島「お茶でも入れようか!」
 絵恋「あ、それならジュースも持って来たの。これ飲んで」
 淀橋「なーんだ!絵恋は気が利くねー!」
 絵恋「リサさんの為だもーん!」

 だがそのジュース、どれもペットボトル入りのなのだが、ボトルが黒く塗られていて、中身が分からない。

 リサ「何だこれ?中身は?」
 絵恋「コーヒーにオレンジジュース、ウーロン茶とコーラよ」
 リサ「何でわざわざ黒く塗ってあるの?」
 絵恋「沖縄で流行ってる、パーティー用の飲み物なのよ。ロシアンルーレット的な」
 淀橋「それ本当?」
 絵恋「リサさん、どれにする!?」
 リサ「……まずは持って来た本人が毒見するべきなんじゃないかな?」
 淀橋「毒見って……w」

 淀橋はリサの発言に思わぬ吹いたが、リサを見て急に表情を硬くした。

 淀橋「……!?」
 絵恋「な、なに、リサさん?」
 リサ「いいから、飲んでみなよ」
 絵恋「わ、私のは自分のがあるから……。これ!」

 絵恋は同じように、黒いペットボトルを取り出した。

 リサ「そこにあるのを選んで飲めよ」
 絵恋「わ、分かったわよ……」

 絵恋は既にテーブルに置いたペットボトルのうち、1本を手に取り、その蓋を開けた。
 そして、それを口に持って行き、ゴクゴクと飲み始める。

 リサ「あの臭い……!」
 レイチェル「エレン、ちょっとそのボトル、貸してください」

 だが、レイチェルがそのペットボトルを取る前に、絵恋は一気飲みしてしまった。

 絵恋「ぷはぁーっ!美味しいよ!?絶対にハマるから飲んでみて!このクッキーに合うわよ!」
 淀橋「た、確かに美味しそうだけど……」
 小島「リサとレイチェル、一体どうしたの?」

 リサは絵恋が飲み干したペットボトルの臭いを嗅いだ。

 リサ「くっ……この臭い……!」
 レイチェル「中身は何ですか!?」
 絵恋「だぁかぁらぁ、ジュースだって言ってるじゃない」
 リサ「この臭い……絶対に違う」

 絵恋はテーブルに置いてある別の1本を取り出した。

 絵恋「本当に美味しいのよ?淀橋さんも飲んでみて」

 絵恋はガシッと淀橋を掴むと、グイッと自分の所に引き寄せた。

 淀橋「ちょっ、ちょっと、絵恋!?」

 絵恋は口でペットボトルの蓋を開けた。
 その口には牙が生えており、絵恋の瞳が赤く変色している。

 淀橋「え、絵恋……舌が黒いよ……?」
 絵恋「あー?」

 絵恋はズルッと自分の舌を出した。
 リサの鬼形態の舌も、人間のよりやや長かったりするが、絵恋のはそれ以上……それどころではない……。

 絵恋「私の舌が何だってぇ……?」
 淀橋「キャアアアアアッ!!」

 絵恋の舌は2~3メートルもある長いものと変化していた。
 淀橋は何とか絵恋を振りほどき、リサの所に逃げる。

 リサ「お、おま……!何があった……!?」
 絵恋「『あの御方』にね、色々と良くしてもらったのよ。つ、次は……オマエ達の番だ!!」

 絵恋は見る見るうちに変化していった。

 レイチェル「Emergency!Emergency!HQ!HQ!こちらレイチェル!未確認のBOWと遭遇!直ちに応援を!HQ!HQ!」
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