報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「3年生の始まり」

2024-05-20 13:34:08 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月6日10時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校3年3組]

 始業式を終え、新しい教室へと戻って来たリサ。

 坂上修一「……というわけで、改めて3年3組の担任になりました坂上です。どうぞよろしく」
 倉田恵美「同じく副担任の倉田です。よろしくお願いします」
 リサ「3年間、変わり映えしない……」

 これはリサの事を理解できる教師が少なく、最も理解できている坂上や倉田がずっと担任を務めることになったからだろう。
 もちろんクラス替えは行われているが、『魔王軍』の四天王は変わっていない。
 坂上と倉田はこの学園の卒業生で、しかも同級生である。
 更には同じ新聞部員で、どちらも『学校の七不思議特集』の聞き手を務めており、怪奇現象に巻き込まれている。
 その為、怪奇現象の権化たるリサに対する理解度が深い。
 その怪奇現象の謎も全て解け、現在ではこの学園においての怪奇現象は、全てリサが引き起こしているものだけとなっている。

 坂上「今日から3年生です。この1年が皆さんの人生の岐路と言えるでしょう。けして、無駄な1年を消費してはいけません。皆さんの唯一の春休みの宿題である、進路希望票をこれから回収します。列の1番後ろの人から前の席に送ってください」
 リサ「ほい、高木」
 高木「了解」

 リサは1番窓側の最後尾の席である。
 窓側になっているのは、リサが暴走した際、いつでもBSAAが外から制圧しやすいようにする為だ。
 1番後ろなのは、その際に避難誘導をする教員が真っ先にやられては困るので、それを避ける為。
 また、鬼型BOWのリサは視力も良いので、特に後ろの席で黒板が見えないということはない。

 淀橋「魔王様は進学?」
 リサ「そう、進学……」
 淀橋「そうなんだ。『魔王軍』のほとんどが進学でしょう?」
 小島「そうみたいだね。もちろん私もね」
 リサ「コジマは頭いいから、東大狙える?」
 小島「あー、どうだろう……」
 リサ「ヨドバシは?」
 淀橋「私は皆と違ってそんなに頭良くないから、家の近くの私大かな。ちょうど私の頭で入れるみたいだし」
 リサ「それ、Fラン大って言わない?」
 淀橋「さすが魔王様は厳しい!」
 小島「魔王様はどうするの?」
 リサ「わたしは……」

 当初リサは東京中央学園大で希望していた。
 まだ人間だった頃の栗原蓮華がそこに進学する予定だった為、その後追いをしようというのが目的だった。
 しかし今、栗原蓮華はもういない。
 それなら我那覇絵恋はどうかというと、彼女もまた大学でリサと再会したいという思いから、東京中央学園大を希望していた。
 しかし、どうも実家から上京の許しが出ていないらしい。
 進学に関しては、沖縄県内の大学でという話が出ているとのこと。
 それならリサがそちらへ……というのもまた難しい。
 沖縄には言わずと知れた米軍基地があるが、BSAAの駐屯は認められていない為、修学旅行などの数日間の旅行程度ならまだしも、数年の滞在は認められない。

 リサ「……東京中央学園大学」
 淀橋「やっぱそこにしますか」
 小島「魔王様なら、もっと上の大学行けるのにねぇ……」
 リサ(エレンが来てくれればいいのに、誰も来ないんじゃ、行く意味がない……)

 デイライトとしては、特にリサが大学に進学しなくてもエージェント見習いとして迎え入れる用意はあるとのこと。
 専門的な訓練はそこで行うので、高校さえ出ていれば良いらしい。
 大学進学に反対もしないのは、スカウトマンたる善場が大卒である為。

 リサ(卒業したら、そのままデイライトに入ろうかな……)
 坂上「明日は新入生の入学式があります。生徒会など、関係者の皆さんはこの後、設営などがありますので、宜しくお願いします。それ以外の皆さんは再び3連休になりますが、ハメを外し過ぎないように。来週は皆さんが提出してくれた進路希望票を元に、放課後面談があるので、名前を呼ばれた人は勝手に帰らないように」

[同日11時00分 天候:晴 同学園・体育館]

 始業式とその後のホームルームが終わり、解散した後で、リサは設営の準備に向かった。
 何故かそこにレイチェルもいる。

 リサ「力持ちの軍人さんのレイチェルが手伝ってくれると助かる」
 レイチェル「BOWのリサには敵いませンよ。何せ……」

 リサは脚立に上り、ステージの壁に『入学式』の大きな看板を取り付ける作業をしているのだが、その看板を1人で持ち上げていたからだ。

 レイチェル「Gee...リサ・トレヴァーには敵いません」
 リサ「何の話?……早くそこ固定して!」
 男子生徒「は、はい!」
 女子生徒「あのー、愛原さん、スカートの中、見えてますけど……」
 リサ「ブルマ穿いてるから大丈夫!レイチェルも!」
 レイチェル「あ、ハイ。私も穿いてます」
 リサ「違う!わたしはそっちを固定するから、看板もう1枚取って!」
 レイチェル「Oh...やっぱりBOWですね……」

 リサの力仕事と、レイチェルらBSAA隊員のボランティアにより、設営は早めに終わったようである。

 教頭「後にも先にも、軍人さんが設営を手伝ってくれる学校はうちだけでしょうねぇ……」
 女子相撲部員「なあ、愛原。この後、教頭のベンツ、反転させに行こうぜ?」
 リサ「おー!」
 教頭「こらーっ!……見に来て良かった」

[同日12時30分 天候:晴 同地区 ウェンディーズ・ファーストキッチン上野浅草口店]

 帰り際、昼食を取るリサとレイチェル。
 学食は開いていないので、帰り際、店に寄る。
 そこでハンバーガーを食べていた。

 レイチェル「そうですか。今度の日曜日、温泉旅行……」
 リサ「先生が、わたしの為にって」
 レイチェル「それは良かったですネ。わたしも土曜日は、横須賀に訓練に行きます」
 リサ「どうして横須賀?」
 レイチェル「船のヘリポートに、ヘリコプターを着陸させる訓練ですね。それと、船の中でバイオハザードが発生したという想定で、その訓練があります。ヘリコプターで駆け付けて、それからバイオハザードが発生している船内に突入という訓練です」
 リサ「凄いねぇ……。じゃあ、わたしがラスボス役で出演してあげようか?」
 レイチェル「面白い提案ですが、船の中でリサ・トレヴァーはミスマッチですね」
 リサ「それは残念w じゃあ、ラスボスは誰って想定なの?」
 レイチェル「詳しい訓練の内容は、話せないんですよ」
 リサ「そっかぁ……。さすがは軍人さん」
 レイチェル「ああいう大規模な訓練の後は、打ち上げパーティーをやるので、私は一泊すると思います。リサ達が日曜日に旅行するのなら、そこで会えるかもしれませんね」
 リサ「分かった。近くまで来たら、連絡するよ。……レイチェルは、大学は行かないんだよね?」
 レイチェル「東京中央学園を卒業したら、アメリカに帰ります。向こうの養成学校に通わないといけないので」
 リサ「だよねぇ……」

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