報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「一夜明ける前に……」

2023-05-30 20:15:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月25日05時00分 天候:曇 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック]

 『今朝5時頃、宇宙服のような防護衣を着たスコットに突然叩き起こされて、俺も宇宙服を着せられた。何でも研究所の方で事故があったらしい。研究員の奴らときたら、夜も寝ないで実験ばかりやってるからこんなことになるんだ』

 本日の起床時間は6時のはずだ。
 しかし5時頃、突然特別処置室のドアが開けられて、防護服を着たBSAAの隊員達が入って来た。

 BSAA隊長「起きろ!緊急事態だ!」
 絵恋「な、なになになに!?」

 BSAA隊員の1人が部屋の照明スイッチを点ける。
 突然部屋が明るくなって、ベッドで寝ていた少女3人は目を覚ました。

 絵恋「ちょっとォ!まだ5時じゃない!?」
 BSAA隊員B「緊急事態が発生しました。直ちに特別検査を行いますので、支度してください」
 リサ「……バイオハサードでも発生した?」
 隊長「危うくそうなるところだった。そしてその出所は、ここである可能性が高い。つまり、キミ達だ」
 リサ「わたし、ウィルスなんてばら撒いてないよ?もしそうなら、とっくにエレンがモールデッドにでもなってる」
 絵恋「わ、私はリサさんに化け物にされるなら本望ですぅ……」
 隊長「とにかく、検査するから、すぐに顔洗ってきて」
 早苗「しょうがないですね」

 早苗は欠伸をしながらベッドを出た。

 絵恋「その牙、絶対にBOWだって」
 早苗「だから、生まれつきですって」

 早苗はトイレに向かった。

 絵恋「リサさん、一緒にお風呂に入りましょう」
 リサ「何故に?」
 絵恋「私はいつも朝はシャワー浴びてるのよ?忘れた?」
 リサ「あー……うん。そうだったかも」
 隊長「悪いが、そこまでの時間は取れない。まずは顔を洗うだけにしてくれないか?」
 絵恋「ええー!」
 リサ「まあ、だろうね。しょうがないから、そうしよう。一体、何の検査をするの?」
 隊長「それは医療技師から説明がある」
 リサ「危うくバイオハザードになるところって、どんな事が起きたの?」
 隊長「それは検査が終わった後で説明がある」
 リサ「ふーん……」

 で、リサ達が受ける検査というのは……。

[同日06時00分 天候:曇 同クリニック・内視鏡検査室]

 リサ「マジかよ……」

 リサ達が受けた検査は主に腹部エコー検査と、内視鏡検査であった。

 リサ「え?もしかして、寄生虫とか調べてる?」
 検査技師A「そのつもりです。……うーむ……。腸内に寄生虫の棲息は確認できず……」
 リサ「わたしにはいないよ」
 絵恋「痛い痛い!」
 検査技師B「もう少しだから頑張って!……あー、いるいる!体内に寄生虫の棲息を確認!」
 検査技師C「これは通常の無鉤条虫じゃないのか?」
 リサ(うん。エレンにはいるだろうね。わたしが寄生させた寄生虫……)
 検査技師B「駆虫剤の処方を先生に提案します」
 リサ(グリーンハーブじゃないと、効かないよw)
 検査技師D「斉藤早苗さん……、うん。腹部内に寄生虫の棲息、確認できず」
 リサ「ウソだろ!?」
 早苗「あら、魔王様?科学的な検査を信用しませんの?」
 リサ「お前なぁ……!」
 検査技師D「きれいに無い。うん、素晴らしい」
 検査技師A「となると、我那覇絵恋さんからの寄生虫のせいですかね?」
 検査技師B「でも、見る限り、普通の無鉤条虫のようだが……」
 リサ(普段は普通の寄生虫として、棲息してるからね……)

[同日07時00分 天候:曇 同クリニック特別処置室]

 緊急の検査が終わり、朝食の時間になった。
 昨晩の夕食は仕出し弁当が来たのに、何故か朝食だけ病院食のよう。

 

 特に食事制限を受けているわけではないので、通常の病院食であったが。

 絵恋「何か、中学校の時の給食みたいね」
 リサ「いや、それより貧弱。肉が無い。くそっ」
 早苗「まあ、病院食じゃ、そうだろうね」
 リサ「バイオハサードって、何が起きたんだろう?ここはスマホの電波が入らないから困る」
 絵恋「そうよね」

 と、そこへ善場がやってきた。

 善場「おはようございます。お食事中に失礼します。食べながらで良いので、聞いてください」
 リサ「バイオハザードってどういうこと?」
 善場「まず、結論から言いますと、昨夜、愛原所長が謎のクリーチャーの襲撃に遭いました」
 リサ「えっ!?」
 善場「ですが、ご安心ください。所長は無事です」
 リサ「よ、良かった……」
 善場「襲撃したのは、クリーチャーです」
 リサ「クリーチャー?」
 善場「愛原所長の話では、長さ数メートルほどの白い蛇のようなクリーチャーだったそうで、バスルームから侵入してきたとのことです」
 リサ「白い蛇?バスルーム?」

 リサは絵恋と早苗の方を見た。

 リサ「サナエ!お前の目的はそれか!?」
 早苗「何のことですか?」
 リサ「とぼけるな!その寄生虫は!?」
 善場「寄生虫?リサは何か知っているようですね?食事が終わったらヒアリングをしますので、よろしくお願いします。……ああ。検査はもう終わりましたので、服は着替えて結構ですよ」
 リサ「分かった。……愛原先生はどうしてる?」
 善場「今頃は警察やBSAAから、事情聴取と現場検証に立ち会っている頃だと思います。何でも3匹の白い蛇のようなものが襲って来たそうですが、その後、やってきたもう一匹が味方をしてくれたそうです」
 リサ「その後から来た一匹って……。寄生虫はどうなった?」
 善場「同士討ちのようになった感じで、融けて消えてしまったようです。クリーチャーには、よくある現象です。生命活動を停止すると、消えるという現象……」
 リサ「証拠は無いのか……」

 リサは忌々しそうに早苗を見た。

 リサ「でも、先生が無事で良かった……」
 善場「そうですね。あなたもヒアリングをするので、急いで食べちゃってください。……ああ、着替えてからでいいですから」
 リサ「分かった」

 リサは大きく頷くと、魚に食らい付いたのだった。

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