[12月25日8時00分 天候:晴 東京都中央区日本橋久松町 警視庁久松警察署→中央区日本橋浜町 某クリニック]
ホテルでの実況見分の後、私は最寄りの警察署に行って事情聴取を受けた。
別に私に何か容疑が掛かっているということではなく、私自身が何者かに襲われたという被害届の提出である。
ホテルではBSAAの実況見分を受けたし、今日も忙しくなりそうだ。
それが終わると、私は荷物を持って、クリニックに戻った。
クリニックに行くと、我那覇絵恋と斉藤早苗が待っていた。
絵恋「あ、愛原先生」
愛原「よう、戻って来たぞ。……リサは?」
絵恋「カンファレンスルームで、善場さんからのヒアリングを受けています。愛原先生を襲った化け物が、寄生虫かもしれないってことで……」
愛原「あー、やっぱりあれは寄生虫だったのか。しかし、リサはもう寄生虫は宿していないはずだが……」
絵恋「それについて、色々とお話しを聞かれているところです」
斉藤早苗「絵恋には魔王様の寄生虫がまだ残っているので、そのせいではないかと思われます」
愛原「そうなのか?」
早苗「リサさん、随分と絵恋とフザけてましたからね」
絵恋「り、リサさんは悪くないわ!私が言う事を聞かなかったのが悪かったのよ!」
一体、何があったのだろう?
絵恋「今度からは男子用のトイレでもオシッコするわ!」
愛原「な、何のプレイだ?」
早苗「そういうプレイですよ。愛原先生」
愛原「キミ達ねぇ……」
寄生虫という気持ち悪い物に襲われたこともあり、私は食欲が無くて朝食も食べていないというのに、このコ達は元気だ。
そう思っていると、カンファレンスルームからリサと善場主任が出てきた。
愛原「あっ、善場主任。おはようございます」
善場「おはようございます。愛原所長、昨夜はお疲れ様でした」
愛原「いえいえ。想定外でしたが、こんな仕事をしていれば、そういうこともあります」
善場「さすがは愛原所長ですね」
善場主任はチラッと斉藤早苗を見た。
善場「さて、皆さんにはこれから行ってもらいたいところがあります」
リサ「う……」
善場主任が宣言するように言い、リサが顔をしかめた。
どうやらリサは、先に善場主任から聞いているようである。
愛原「もしかして、藤野とか?」
善場「そのまさかです」
愛原「やっぱり……」
私はガクッと項垂れた。
善場「特殊な寄生虫とウィルスを調べる必要があるので、このクリニックでは難しいです。よって、藤野に向かってもらいます」
愛原「善場主任。私は荷物を用意したいので、一旦帰宅しても宜しいですか?」
善場「それは構いません。今日中に行って頂ければ大丈夫です」
愛原「分かりました」
絵恋「……で、リサさんとのクリスマスパーティーは……?」
善場「残念ながら、諦めてください。今は緊急事態です」
絵恋「そんなぁ……」
これは何だか可哀そうだな……。
[同日10時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
私は善場主任と少し打ち合わせをして、それから少女3人を連れてマンションに戻った。
愛原「夕方前に出掛けるから、それまでの間、ゆっくりして」
リサ「おー」
絵恋「り、リサさんの部屋にお邪魔しまーす」
リサ「エレンは歓迎する」
絵恋「はーい、歓迎されまーす」
早苗「魔王様、私は?」
絵恋「早苗さんもでしょ?」
リサはチラッと私を見た。
何で私を見るんだろう?
愛原「3人で仲良くやりな」
リサ「先生の命令は絶対」
絵恋「愛原先生の命令は絶対ですもんね」
早苗「魔王様の更に上を行く破壊神?」
リサ「うむ。わたしのウィルスが効かない、ウィルスクラッシャーという意味では破壊神……」
愛原「何でやねんw ああ、そうだ、3人とも」
リサ「なに?」
愛原「クリスマスパーティー、別に夜じゃなくてもいいんじゃないか?」
リサ「! それもそうだ」
愛原「昼はピザでも取ろう。あと、クリスマスケーキを買ってこないとな。ライフに行けば売ってるだろ」
リサ「わたし、買ってくる!」
リサは鼻息を荒くして言った。
絵恋「リサさんは単独行動が許されてないんでしょ?私も一緒に行くわ」
早苗「じゃあ、私も」
愛原「うん、それはいいな。ホールケーキ、買って来なよ」
24日よりも今日の25日の方が安いだろう。
愛原「俺はピザでも注文しておく」
リサ「分かった。わたしはLサイズのミートビザで!」
愛原「分かった分かった」
Lサイズが2枚のMサイズが1枚ってところか……。
高橋がいたら、もっと頼まないといけないだろうな。
それにしても高橋とパール、どこまで行ったのやら……。
一応、私は高橋のスマホにLINEした。
クリスマスデートというからには、今日中に帰ってくるかと思うのだが……。
[同日12時00分 天候:晴 同マンション]
リサ達は近くのスーパーに行って、ケーキを買ってきた。
愛原「こりゃまた大きいサイズのを買ってきたな……。金、足りた?」
絵恋「いいえ。ここは私が出させて頂きました」
愛原「エレンさん?」
絵恋「リサさんとのクリスマスパーティーだなんて、1年に1度あるか無いかですもの……」
愛原「ま、そりゃそうだろうな」
ピザも届く。
まあ、ピザ代は私が出してもいいだろう。
リサ「先生はビール!?」
愛原「何言ってるんだよ。これから出かけるってのに……。普通にコーラでいいよ」
リサ「はーい!こんなこともあろうかと買っておいた」
愛原「それは気が利くな」
リサはケーキだけではなく、ジュースも買って来ていた。
それぞれのグラスにジュースを注ぐ。
リサ「それじゃ、先生が乾杯の音頭を取って」
愛原「『乾杯』じゃダメだな。ここは1つ……メリークリスマース!」
少女3人「メリークリスマース!」
こうして、25日の昼間にクリスマスパーティーは開催されたのだった。
高橋抜きで。
ホテルでの実況見分の後、私は最寄りの警察署に行って事情聴取を受けた。
別に私に何か容疑が掛かっているということではなく、私自身が何者かに襲われたという被害届の提出である。
ホテルではBSAAの実況見分を受けたし、今日も忙しくなりそうだ。
それが終わると、私は荷物を持って、クリニックに戻った。
クリニックに行くと、我那覇絵恋と斉藤早苗が待っていた。
絵恋「あ、愛原先生」
愛原「よう、戻って来たぞ。……リサは?」
絵恋「カンファレンスルームで、善場さんからのヒアリングを受けています。愛原先生を襲った化け物が、寄生虫かもしれないってことで……」
愛原「あー、やっぱりあれは寄生虫だったのか。しかし、リサはもう寄生虫は宿していないはずだが……」
絵恋「それについて、色々とお話しを聞かれているところです」
斉藤早苗「絵恋には魔王様の寄生虫がまだ残っているので、そのせいではないかと思われます」
愛原「そうなのか?」
早苗「リサさん、随分と絵恋とフザけてましたからね」
絵恋「り、リサさんは悪くないわ!私が言う事を聞かなかったのが悪かったのよ!」
一体、何があったのだろう?
絵恋「今度からは男子用のトイレでもオシッコするわ!」
愛原「な、何のプレイだ?」
早苗「そういうプレイですよ。愛原先生」
愛原「キミ達ねぇ……」
寄生虫という気持ち悪い物に襲われたこともあり、私は食欲が無くて朝食も食べていないというのに、このコ達は元気だ。
そう思っていると、カンファレンスルームからリサと善場主任が出てきた。
愛原「あっ、善場主任。おはようございます」
善場「おはようございます。愛原所長、昨夜はお疲れ様でした」
愛原「いえいえ。想定外でしたが、こんな仕事をしていれば、そういうこともあります」
善場「さすがは愛原所長ですね」
善場主任はチラッと斉藤早苗を見た。
善場「さて、皆さんにはこれから行ってもらいたいところがあります」
リサ「う……」
善場主任が宣言するように言い、リサが顔をしかめた。
どうやらリサは、先に善場主任から聞いているようである。
愛原「もしかして、藤野とか?」
善場「そのまさかです」
愛原「やっぱり……」
私はガクッと項垂れた。
善場「特殊な寄生虫とウィルスを調べる必要があるので、このクリニックでは難しいです。よって、藤野に向かってもらいます」
愛原「善場主任。私は荷物を用意したいので、一旦帰宅しても宜しいですか?」
善場「それは構いません。今日中に行って頂ければ大丈夫です」
愛原「分かりました」
絵恋「……で、リサさんとのクリスマスパーティーは……?」
善場「残念ながら、諦めてください。今は緊急事態です」
絵恋「そんなぁ……」
これは何だか可哀そうだな……。
[同日10時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]
私は善場主任と少し打ち合わせをして、それから少女3人を連れてマンションに戻った。
愛原「夕方前に出掛けるから、それまでの間、ゆっくりして」
リサ「おー」
絵恋「り、リサさんの部屋にお邪魔しまーす」
リサ「エレンは歓迎する」
絵恋「はーい、歓迎されまーす」
早苗「魔王様、私は?」
絵恋「早苗さんもでしょ?」
リサはチラッと私を見た。
何で私を見るんだろう?
愛原「3人で仲良くやりな」
リサ「先生の命令は絶対」
絵恋「愛原先生の命令は絶対ですもんね」
早苗「魔王様の更に上を行く破壊神?」
リサ「うむ。わたしのウィルスが効かない、ウィルスクラッシャーという意味では破壊神……」
愛原「何でやねんw ああ、そうだ、3人とも」
リサ「なに?」
愛原「クリスマスパーティー、別に夜じゃなくてもいいんじゃないか?」
リサ「! それもそうだ」
愛原「昼はピザでも取ろう。あと、クリスマスケーキを買ってこないとな。ライフに行けば売ってるだろ」
リサ「わたし、買ってくる!」
リサは鼻息を荒くして言った。
絵恋「リサさんは単独行動が許されてないんでしょ?私も一緒に行くわ」
早苗「じゃあ、私も」
愛原「うん、それはいいな。ホールケーキ、買って来なよ」
24日よりも今日の25日の方が安いだろう。
愛原「俺はピザでも注文しておく」
リサ「分かった。わたしはLサイズのミートビザで!」
愛原「分かった分かった」
Lサイズが2枚のMサイズが1枚ってところか……。
高橋がいたら、もっと頼まないといけないだろうな。
それにしても高橋とパール、どこまで行ったのやら……。
一応、私は高橋のスマホにLINEした。
クリスマスデートというからには、今日中に帰ってくるかと思うのだが……。
[同日12時00分 天候:晴 同マンション]
リサ達は近くのスーパーに行って、ケーキを買ってきた。
愛原「こりゃまた大きいサイズのを買ってきたな……。金、足りた?」
絵恋「いいえ。ここは私が出させて頂きました」
愛原「エレンさん?」
絵恋「リサさんとのクリスマスパーティーだなんて、1年に1度あるか無いかですもの……」
愛原「ま、そりゃそうだろうな」
ピザも届く。
まあ、ピザ代は私が出してもいいだろう。
リサ「先生はビール!?」
愛原「何言ってるんだよ。これから出かけるってのに……。普通にコーラでいいよ」
リサ「はーい!こんなこともあろうかと買っておいた」
愛原「それは気が利くな」
リサはケーキだけではなく、ジュースも買って来ていた。
それぞれのグラスにジュースを注ぐ。
リサ「それじゃ、先生が乾杯の音頭を取って」
愛原「『乾杯』じゃダメだな。ここは1つ……メリークリスマース!」
少女3人「メリークリスマース!」
こうして、25日の昼間にクリスマスパーティーは開催されたのだった。
高橋抜きで。
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