報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「一夜明けて……」

2023-06-01 15:48:41 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月25日8時00分 天候:晴 東京都中央区日本橋久松町 警視庁久松警察署→中央区日本橋浜町 某クリニック]

 ホテルでの実況見分の後、私は最寄りの警察署に行って事情聴取を受けた。
 別に私に何か容疑が掛かっているということではなく、私自身が何者かに襲われたという被害届の提出である。
 ホテルではBSAAの実況見分を受けたし、今日も忙しくなりそうだ。
 それが終わると、私は荷物を持って、クリニックに戻った。
 クリニックに行くと、我那覇絵恋と斉藤早苗が待っていた。

 絵恋「あ、愛原先生」
 愛原「よう、戻って来たぞ。……リサは?」
 絵恋「カンファレンスルームで、善場さんからのヒアリングを受けています。愛原先生を襲った化け物が、寄生虫かもしれないってことで……」
 愛原「あー、やっぱりあれは寄生虫だったのか。しかし、リサはもう寄生虫は宿していないはずだが……」
 絵恋「それについて、色々とお話しを聞かれているところです」
 斉藤早苗「絵恋には魔王様の寄生虫がまだ残っているので、そのせいではないかと思われます」
 愛原「そうなのか?」
 早苗「リサさん、随分と絵恋とフザけてましたからね」
 絵恋「り、リサさんは悪くないわ!私が言う事を聞かなかったのが悪かったのよ!」

 一体、何があったのだろう?

 絵恋「今度からは男子用のトイレでもオシッコするわ!」
 愛原「な、何のプレイだ?」
 早苗「そういうプレイですよ。愛原先生」
 愛原「キミ達ねぇ……」

 寄生虫という気持ち悪い物に襲われたこともあり、私は食欲が無くて朝食も食べていないというのに、このコ達は元気だ。
 そう思っていると、カンファレンスルームからリサと善場主任が出てきた。

 愛原「あっ、善場主任。おはようございます」
 善場「おはようございます。愛原所長、昨夜はお疲れ様でした」
 愛原「いえいえ。想定外でしたが、こんな仕事をしていれば、そういうこともあります」
 善場「さすがは愛原所長ですね」

 善場主任はチラッと斉藤早苗を見た。

 善場「さて、皆さんにはこれから行ってもらいたいところがあります」
 リサ「う……」

 善場主任が宣言するように言い、リサが顔をしかめた。
 どうやらリサは、先に善場主任から聞いているようである。

 愛原「もしかして、藤野とか?」
 善場「そのまさかです」
 愛原「やっぱり……」

 私はガクッと項垂れた。

 善場「特殊な寄生虫とウィルスを調べる必要があるので、このクリニックでは難しいです。よって、藤野に向かってもらいます」
 愛原「善場主任。私は荷物を用意したいので、一旦帰宅しても宜しいですか?」
 善場「それは構いません。今日中に行って頂ければ大丈夫です」
 愛原「分かりました」
 絵恋「……で、リサさんとのクリスマスパーティーは……?」
 善場「残念ながら、諦めてください。今は緊急事態です」
 絵恋「そんなぁ……」

 これは何だか可哀そうだな……。

[同日10時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 私は善場主任と少し打ち合わせをして、それから少女3人を連れてマンションに戻った。

 愛原「夕方前に出掛けるから、それまでの間、ゆっくりして」
 リサ「おー」
 絵恋「り、リサさんの部屋にお邪魔しまーす」
 リサ「エレンは歓迎する」
 絵恋「はーい、歓迎されまーす
 早苗「魔王様、私は?」
 絵恋「早苗さんもでしょ?」

 リサはチラッと私を見た。
 何で私を見るんだろう?

 愛原「3人で仲良くやりな」
 リサ「先生の命令は絶対」
 絵恋「愛原先生の命令は絶対ですもんね」
 早苗「魔王様の更に上を行く破壊神?」
 リサ「うむ。わたしのウィルスが効かない、ウィルスクラッシャーという意味では破壊神……」
 愛原「何でやねんw ああ、そうだ、3人とも」
 リサ「なに?」
 愛原「クリスマスパーティー、別に夜じゃなくてもいいんじゃないか?」
 リサ「! それもそうだ」
 愛原「昼はピザでも取ろう。あと、クリスマスケーキを買ってこないとな。ライフに行けば売ってるだろ」
 リサ「わたし、買ってくる!」

 リサは鼻息を荒くして言った。

 絵恋「リサさんは単独行動が許されてないんでしょ?私も一緒に行くわ」
 早苗「じゃあ、私も」
 愛原「うん、それはいいな。ホールケーキ、買って来なよ」

 24日よりも今日の25日の方が安いだろう。

 愛原「俺はピザでも注文しておく」
 リサ「分かった。わたしはLサイズのミートビザで!」
 愛原「分かった分かった」

 Lサイズが2枚のMサイズが1枚ってところか……。
 高橋がいたら、もっと頼まないといけないだろうな。
 それにしても高橋とパール、どこまで行ったのやら……。
 一応、私は高橋のスマホにLINEした。
 クリスマスデートというからには、今日中に帰ってくるかと思うのだが……。

[同日12時00分 天候:晴 同マンション]

 リサ達は近くのスーパーに行って、ケーキを買ってきた。

 愛原「こりゃまた大きいサイズのを買ってきたな……。金、足りた?」
 絵恋「いいえ。ここは私が出させて頂きました」
 愛原「エレンさん?」
 絵恋「リサさんとのクリスマスパーティーだなんて、1年に1度あるか無いかですもの……
 愛原「ま、そりゃそうだろうな」

 ピザも届く。
 まあ、ピザ代は私が出してもいいだろう。

 リサ「先生はビール!?」
 愛原「何言ってるんだよ。これから出かけるってのに……。普通にコーラでいいよ」
 リサ「はーい!こんなこともあろうかと買っておいた」
 愛原「それは気が利くな」

 リサはケーキだけではなく、ジュースも買って来ていた。
 それぞれのグラスにジュースを注ぐ。

 リサ「それじゃ、先生が乾杯の音頭を取って」
 愛原「『乾杯』じゃダメだな。ここは1つ……メリークリスマース!」
 少女3人「メリークリスマース!」

 こうして、25日の昼間にクリスマスパーティーは開催されたのだった。
 高橋抜きで。

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